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女は夏に刺激を欲しがる生き物だ。

 9月に入り、めっきり涼しくなった。まだまだ30℃を超える日もあるとは言え、7月から8月にかけてのあの、肌が痛くなる刺されるような暑さはもうやってこない。連日の悪天候で湿気が多く、暑いというよりは生ぬるくて、気分が滅入る。季節の変わり目はいつだって憂鬱だ。

 夏が終わったことを世間と地球と私自身が認めたようなので、今年の夏を振り返ってみる。
 何と言うか、刺激の少ない夏だった。海に行ってビキニになってバーベキューなんてすることなく、地元の市民プールで静かに泳いでいた(参照)。高校の同窓会に行ったが、女子高だったので、ただただおしゃべりに花を咲かせて盛り上がっただけ(楽しかったけど)。上海に旅行したが、上海ハニーと浜辺で社交ダンスをすることもなく、ディズニーランドや田子坊などの観光地でひたすら楽しんだ(もちろん楽しかった)。

 ナイトプールでナンパされたり、同窓会でイケメンになった同級生に再会したり、旅行先で一夜のランデブーがあったりなんてことは、皆無。あぁつまり、「恋」とか「愛」とか言う類の刺激がなかったのだ(ため息)。

 自覚はなかったけど、思い返してみると、そういう刺激を求めていたのかもしれない。でも無かった。だから私は刺激を違うテイストで求めたのだと、今になって答えが見つかった気がする。

 一つ目の刺激は「スパイス」、つまり「辛さ」である。

 この夏、私は辛い料理を求めて、歩き回っていた。カレー、麻婆豆腐、担々麺・・・とは言っても、なかなか出会えるものではない。なので半分くらい食べたら、ラー油や唐辛子をかけて、さらなる辛さを付け加えた。しかし私は弱い生き物だ。異常なまでの量を振りかけることは到底できず、そこそこの辛さで箸を置くのがやっと。刺激を求めるくせに、火傷はしたくない、そんな中途半端な自分と向き合うだけになった。

 二つ目は「ホラー」。

 私がハマったホラー映画は「SAW」。SAWは単なるホラーではなく、トリックやどんでん返しが秀逸だと何かの記事で読んだので、軽い気持ちでDVDを借りた。取り立ててホラーが好きはない。いやむしろ、拷問やグロテスクなシーンはいつも目を背けるようなタイプの私。なのに、ある日の夜中、SAWを見始めてしまった。何回、目を塞いでやり過ごしただろう。スマホを見たりして気を紛らしただろう。見終わった後、何度後ろを振り返っただろう。だが、結果的にとても面白かった。「次が見たい」と終わった瞬間思っていた。スリリングな展開、アッと驚く結末、そして苦手なグロテスクなシーン。まさに、求めていた刺激だったと言えよう。

 ちなみに、今「SAW」シリーズは、2004~2010までの「6」+「ファイナル」に加え、2017に公開された「レガシー」まである。まだ「3」までしか見ていないが、色んなサイトを見ると、「3」までが面白いともっぱらの評判である(笑)。夏が終わり、この先を見るかどうか、ちょっと迷っている。

 女は夏に刺激を求める。
 それは、「辛さ」でも「ホラー」でも「恋」でも。

 来年の夏は、辛さやホラーに走るのではなく、新しい「恋」でドキドキするスリリングな体験をしたいものである。

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