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ストリーテラー Marioの物語の本当の話Ⅷ

兄の夢

なんども兄の夢を続けてみていた。
ある日、電話かかってきたので出てみると兄からだった。
「はい。」
「マリオ?俺」
「ああ。お兄ちゃん。どうしたの?」
「お前、なんで電話でないんだよ。お前の会社から電話がかかってきたぞ」
「どんな?」
「お客さんからの至急の連絡で、お前と連絡が取れなくて俺にかかってきたんだぞ。何やってたんだよ」
「あー。ごめんなさい。ごめんごめん。電話確認してなかった」
「まったく・・・」
「連絡しておく。すみません」
「あーそういえばさあ。娘が結婚するとか言って、正月に相手を連れてくるっていうんで、嫁と大騒ぎでさ。嫁がびっくりしちゃって・・」
「えー。結婚決まったんだあ」
「あー相手の実家に年末に行って両親にあってくるんだって。その後、2人で挨拶に来るんだって」
「へえ。どんな人?」
「結構年上だけど、いい企業に務めていて。北海道のでなんだってさあ」
「じゃあ、北海道に行って来るんだ。いいね。よかったじゃない」
「まあなあ。まさかいきなり正月に来るとは思わないからさ」
「よかったよ。お祝い出さないとね」
「ああ」
声から、とても喜んでいるのがわかる。
こんな会話をしていたのは、海にほど近い部屋に住んでいた2年前の正月の頃だ。
この頃から、おかしな夢を見るようになる。

兄と兄嫁が家にいるある晩に、大男3人組が爆薬を持って家に入り込んで来る。
「妹さんのことで話があってここからとりあえず逃げて欲しい」と行って切符を渡された兄夫婦。
家の中の家具を引っ越し業者が持って出てしまった。兄達に、北海道に行けと荷造りをさせて、向こうで私と合流する手はずになっていた。
その後、家を爆破する予定であった。
破壊工作である。
北海道で、うまく出会えて娘の婚約者の家に、おいてももらうことになった。
という夢である。
こうして3人で北海道に逃げることになった。
という夢を見ていた。
私も兄も、死んだことにして北海道で生きるという選択をする。
その後、またどこかに身を隠すこととなる。
そんな、死んだことにならないと収まらないという夢である。
しかしながら、我が兄妹は、普通の市民で何を逃げることがあろうか。
と思うのである。
例の、命を狙う男の件があってこんな夢を見たのだろう。
こうして実際に逃がしてくれようとした人物がいたのだが、この計画を壊されて別の兄妹のふりをした男と女が逃げてしまった。
そのせいで、我が兄妹はそのまま残されてしまった。
もし命が狙われた場合、犯人は、念書の名前を書き換えたあの男である。
私の方は、ある組織の女の影武者にされかかっていた。
しかしながら、見破ったので、逆転して向こうが影武者になってしまった。
私はどこにいても目立つのである。
マスクがあったから、隠されていた。
「マリオちゃん。影武者がいればいいのにね」
と不思議なことを知人の詩ちゃんが言う。
「影武者・・・」
「ふふふ・・・」
何かを感じたようだ。
こうしていつも、不穏な思い空気を感じていた。
何か嫌なことが起きる前兆だと思っていた。
起きたことといえば、兄の娘の結婚が破綻になったことだ。
北海道行きが夢となった。
行かないで正解だった!といまは思っている。
北海道はロシアに近く、最近、海底でおかしなことが起きている。
甥が北海道に転勤になったが、あまり良い目にあっていない。
すぐそこは、ロシアである。
思いの外、台風や雨が多い。
こうして先祖が何かを教えてくれるのだろう。
この、逃がしてくれようとしていた人物を探しているのだが、なかなか見つからない。

この数日後には、兄が大阪で受けた暴行事件の犯人がどんな人物かがわかった。
この犯人が、兄が生きているのを確認したかったようだ。
兄を自転車で後ろから突き飛ばしたのだ。
この事件で兄が頭に大怪我をして、少し脳障害が出てるのが気になっていた。
この事件が原因なのかもしれない。
言葉がうまく出ないのだ。
よく噛んでしまうようになっていた。身体も前屈みになってしまっていた。
最近は、また復活している。元に戻りつつある。
脳神経の不思議はそんなところである。
我が一族は回復力が強い。そのために、いまだに健在である。
大阪で誰にどんな暴行を受けたのかを、兄は忘れてしまっている。
しかしながら私に聞こえて来るのは、ボクサー崩れが頭を叩いた。
と聞こえて来る。
ボクサー崩れが犯人だと。
しかしながら、頭の傷は、何か石か棒のような凶器のような気がする。
拳では、血は出ないだろう。
叩かれて、倒れて打ったとも考えられる。
きちんと警察で捜査をしてもらえばよかったのに!と言っておいた。が、まったく動じずである。
兄の方の事件ではないかと、最近そんな考えが浮かんで来る。
この頃、いてもたってもいられなくて、兄の家に連絡も入れずに、向かった。
兄嫁に大層驚かれた。
「どうしたの?」
「あーなんでもないんです。元気かと思って。すぐに帰るのでここでいいです。すぐに帰ります」
丁度コロナの第3波の頃である。皆リモートワークに変わった頃だ。
兄にもこんな時にどうしたことだと驚かれたものだった。
「あーよかった。二人とも元気だったのね。よかった。何事もなくて。気にしないで、すぐに帰るから。」
こんなおかしな妹を、兄はバス停まで送ってくれた。
夢のような出来事が起きてなくて良かった。
誰かに邪魔されたおかげかもしれない。
人の運を取ると言うことは、不運も持っていくと言うことである。
これが怖いのである。
どこかで不運をもらってくれた人間がいたのであろう。

ついで兄の夢

夢中で兄からの電話がかかってきた。
「はい?」
「ああ。俺。あれからどうした。びっくりしたぞ。いきなり来るから」
「ごめんなさい。怖い夢を見たから。気になって」
「嫁もびっくりしてたぞ」
「ごめんなさい」
「そういえばあの電話の時から、Kと仲良くなったんだ。Kから電話がかかってきて、あいつさあ、警視庁のお偉いさんだったぞ」
「え!仲良くなったって?刑事ということ?」
「多くは話せないけれど、」
『そう言えば職業聞いてなかった』
「ふーん。」
『そう言えばOKOKと言ってたかなあ・・・』

まあ、実際には知り合いになってはいなくて、夢での話。
しかしながら、このK氏のい家でおかしな現象が起きたのは間違い無いのである。
K氏の叔母様であるかたが私のお客様であり、その家にいると聞こえて来る声があった。
男2人が家の情報を聞いてくるのである。
しかも、この家で2人だけの時に、小さな女の子のくしゃみが聞こえた。
「クシュン」
私だけと思ったが、お客様が
「今のは、なんだ?誰だ?クシュンと言ったか?」
『え?今の聞こえた?』
「今の聞こえました?くしゃみ・・・」
「聞こえたなあ。聞こえたよな?」
「聞こえましたよね?子供のくしゃみ・・・」
この時、家の中に他にも誰かがいる気配がした。
私には、ポストに何かが入った音と発砲音が聞こえた。
このため、本当に警察を呼んだのだ。
警察に家中の見回りをしてもらったが、おかしなことはなかった。
警察が再度見回りに来てくれて、家の周りも見てくれた。
しかし、おかしなものは見当たらなかった。
『確かに発砲音がした・・・』
お客様も落ち着かず、落ち着くまで様子を見て帰宅をした。
私一人で聞いていたなら警察を呼ぶことはなかったが、お客様にも聞こえたのだ。
こんなおかしな現象が起きていた。
お屋敷が大きく、隠れ場所はたくさんある。
知らぬふりして入り込んでもわからないかもしれない。
お客様の親族には、該当する小さなお子さんはいないのだ。
何かがおかしかった。
自宅といいお客様のお宅といい、おかしな現象が続いていた。

また別の日には、お隣様から
「昨日お宅にきた車がUターンした時にうちの壁に車をぶつけてった!」
と言いに来た。
「え!車ですか?裏には車は止まりませんし・・・どこかの業者ではないですか?私にもよくわかりませんけれども・・話しておきます」

そう言えば数日前に、隣に黒いワゴン車が2台止まっていて、隣がリホームでもしているのかと思っていたが、後日隣の業者ではなかったことがわかった。どうやら不審者であったようだ。
その車が、別どなりの壁にぶつけたようだ。
その頃、こんな不審な現象がたくさんおき始めていた。
お客様といつもワインを飲んで、食事を作り会話を楽しんでいた。
優秀な方で、実に楽しい話をしてくれる。
いつも海外の話が多くバッキンガム宮殿の話をすることが多い。
私のお客様は、海外赴任の方が多く、フランス駐在のご夫婦のフランスのお話やイギリス、イタリアの話の昔話を聞かせてくれる。
とても楽しませてくれる。
認知機能が落ちても、楽しかったこと、嫌な思い出もきちんと残っている。
私がフリーランスの仕事についたのは、規制が厳しい介護保険の仕事ではできない事を、して差し上げられるから。
介護保険の方では、一緒に食事などできないのだ。
私のように自由人には、フリーランスが性に合う。
執事的なことができたら、といつも思っている。
それができるのが今のスタイルだ。
お客様は、ネイルもお洋服も褒めてくださり喜んでくださる。
綺麗にも敏感である。

そんなことで、横取りされてしまった多くのものがあるが、その分、今の仕事が伸びているのでそれも良しとしている。
こうして書いていても、この話さえ自分の話として使おうとしている愚か者がいる。
それだけは許せないのだ。
「え!それうちの話で・・・」
という愚か者がいる。

私、軍師なんで。赤い軍神がついてますから。
「決戦の火蓋は開かれた」そうです。




























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