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いろんな「○産○消/商」を考える

「食」以外の地産地消

11月から参加しているゼミのキックオフで、「寄付や支援の地産地消を目指したい」という言葉を耳にしました。
地産地消って、なんというかこれまでは、野菜とか肉とか魚とか、いわゆる食べ物のことで「地産地消の店」みたいなイメージが強くていまいちピンと来ず。とても気になって、ぐるぐると言葉を膨らませてみました。

はじめに「地産地消」という言葉を調べてみると、下記のようなことが書かれていました。文脈としてはやはり食。野菜だったり、地域で採れたもの、というイメージが強そうです。(地産だものね・・)

地域で生産されたものをその地域で消費する
消費活動を通じて、生産者と消費者を結び付ける
顔が見え、話ができる関係づくりの機会を提供する
地域や関連事業の活性化を図る

さらに、私は何にピンとこず、気になったのだろう・・を考えてみると、

「地産外消」 「地産外商」という言葉も耳にしたことがある。
(それぞれの違いやメリットデメリットはなに?)

「地方でお金を生み出すのが大変だったので、地域外に働きかけ、協働を募って実績を上げてきた」というお話を聞いたことがある。
(外からの寄付や支援に救われることもあるよね)

ヨソモノの視点が重要だった!みたいな話も聞いたことがある。
(外の人が来てくれて活性化することもあるよね)

出資者(的な人や機関)が近いと、地縁のしがらみや動きにくさがありそう。
(地産地消ならではのしんどさはある?どうやって乗り越える?)

クラウドファンディングなど共感で送り合う支援はどちらに入るんだろう。
(もはやどっちでもないのか・・?ハイブリット型があるのか・・?)

どちらかを推奨し過ぎると、結局反対の批判になってしまう気もするし、もちろん「何をするときの何をについての話か」によってさまざま違うとは思いつつ、地産地消の意味で整理された5点。

(誰が) つくったものを
(誰が) 消費し
(なに)と(なに)を結ぶのか
(どんな)機会を提供し
(どこの)未来を描くのか

なにか物事をはじめたり続けたりするときに、この視点があるとひとつの軸となってくれるのではないかと感じました。
いま私は、長野県上田市にある真田町という小さな地域でマーケットイベントを開こうとしています。どんな人たちと、なにを真ん中に置いて場をつくるのか。そのヒントを探していたが故に、「地産地消を目指すのはなぜなのだろう」が、引っかかったのかもしれません。

まちの企画にも必要な気がする「○産○消/商」

というのも。開こうとしているマーケットは「さとのわマルシェ」という名で、2016年くらいに当時の仲間たちと立ち上げた企画です。(そのあたりのお話は、素敵にまとめていただいたイベントレポがあるので貼り付けて一部省略・・・)

当初は「真田町でなにかをしている人、なにかしらゆかりのある人」に出店してもらって、地域のなかの人に実際の商品を手に取ってもらい、おしゃべりしながら販売ができ、その繰り返しが「私の街ってなんだかたのしい」というみんなの意識につながっていけばいいなあ・・と思い描いていました。

知らないなんてもったいない。街の魅力はたくさんあるのに、触れられる場所がない。それならつくってしまえばいい。
きっと、そんなモチベーションだったように思います。

しかし始めてみると、出店している以上は売り上げを上げたいパータン、お金よりも地域のために何かをしたい思いが先行しているパターン、普段はネット販売中心でリアルなおしゃべりを楽しみにしているパターン、高価格帯から低価格帯、商品もクラフトに生鮮野菜、飲食物、ワークショップ等等、いろんなパターンがあるわけです。(「真田にゆかりがある」を、「真田に友だちがいる」くらいまでゆるくしてしまったのも、あるかもしれない。とにかくいろんな人が集まって笑い合っている景色はとても好きだった。)

来てくださる方も、もちろん地域の人、顔見知りだったり、同じ小学校のママさんだったりもいれば、イベントのために県外から足を運んでくれる友人や、県内でも少し遠くの地域の人、いろんな人がいました。

「これで良いの!」とするには少し乱暴すぎる気がして、真ん中に置いていた「たのしさ」も当たり前ながら人によって違うのだと気づいて、だんだんぼやけてきたのは「誰のためになにをしているのか」という部分。市の補助金を使った事業も行っていたので「まちづくりのため」「地域活性のため」「コミュニティのため」みたいな文脈もくっつき、余計に混乱していたように思います。
見たかった景色は描けている気がするけれど、メンバーの負担はどんどん増えるし、天気に一喜一憂し、イベントのクオリティやその場をたのしむことよりも規模や集客数を求めて走りそうになるし。

これはダメだ、とちょっと休憩をしたのが2019年。

なにかが足りない気がして「行政とのまちづくり」みたいなものに顔を出して取り組んでみたり、空き家を使ってもっと日常に近い拠点を構えてみたり、そもそも地域という枠を外して「やさしさ」とか「縁日」とかコンセプトに共感してくれる人たちとイベントを作ってみたり、思いっきり「商売」に振ってみたり。コロナ禍も重なって、いろんな状況でいろんなことを試してきました。

どれも本当に楽しくて、気づくといつもいろんな人がいてくれて、実はそんな「誰のためになにをするか」なんて、各々が「自分のために、たのしく生きていくことをする」くらいでもいいのではないか、とも思っているところもあります。

そして先日、「またさとのわみたいな企画はしないですか?」と声がかかったのです。だいぶ前のことだし、「類似イベントはたくさんあるしなあ・・」と思っていたけれど、覚えていてくれる人がいて、さらにあの場を楽しんでくれていた人の声が聞けたのが、すごく嬉しくて。
「今ならまた、できるかもしれないな」と思ったりしてしまい、二つ返事で「やりましょう!」と言ったのが、今年の夏くらいのことです。

せっかくはじめるならば、もう少しだけ強くなっておきたい。そう思っていたところに冒頭の「地産地消」という言葉が聞こえてきて、考える糸口というか、機会というか、そんなものをもらったような気がしているように思います。

きく・ならべる・軸をみつける

さてせっかくの「ゼミ」なので、やってみようと思っているのは3つ。

きく
マーケット主催者を中心に、特定の地域を対象にした小規模な経済活動(お金や人や物が循環するための活動)をしている人をピックアップしてお話をきく。(前段でアンケートを取ってみてもいいかもしれない)

ならべる
それぞれの特徴やこだわり、良い面(や悪い面?)を並べる。「地産地消の形になっているのか」「他の地域に適用するとしたら、必要な要素や必須条件のようなものはあるのか」をみんなで考える。(近いんじゃないかなと思っているのは、鈴木美央さんが書かれた「マーケットでまちを変える/人が集まる公共空間のつくり方」)

軸をみつける
「自分たちはどのあたりのどんなマーケットを目指したいのか」要素を考えてみる。「こういうものをつくっています」と言えるようになる。

あとは、関連しそうな本を読むこと。
できることなら、せっかくなら聞いたお話をなにかしらで発信というか記録というか、残していけないかなあ・・とも考えています。(このあたりは仕事量との兼ね合いによりそうなので急がないし、詰め込み過ぎない。自戒)


ちょっとまだふわっとしていますが、ひとまず次回に向けて、本を読みつつ感想をまとめつつ、お話を聞いてみたい主催者さんを考えたり、質問事項をピックアップしたりしてみようかなと思っているところです。

進捗、せっかくなのでnoteに残しておこうかなと思います。

ゼミについてはこちら↓
「ひ」ろげる、「み」なおす、「つ」づけるとあって、全部に顔を出しているのですが、さとのわの話は主に「み」で深めているところです。


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