応援は、どこまでも。
「まもなく、穂積…、……。」
始発電車に揺られながらぼんやりとこんなことを感じる。
あいつもあの子もあの人も、誰も彼も、もうマスクをしていない。
日常が日常に戻る速度はとてつもなく早い。
Jリーグが声出し応援エリアの実証実験を始めたのも、もう1年前のことになる。
2020年に訪れた「非日常」はいつしか日常に変わっていた。
その日常もまた非日常的なものになってきてしまっているのだから、人間の慣れというものは恐ろしい。
うっちです
今回のお話は、明治安田生命J1リーグ第14節ガンバ大阪戦の遠征についてです。
在来線でのアウェイ遠征も遂に3度目。
関西方面へのJR学割旅は2度目となります。
名古屋から関西方面への電車に揺られるの、途中の駅や景色に沢山の魅力が詰まっていて飽きないですね。ほんと。
田んぼ道が続くかと思えば、ふと現れる民家や学校の姿。
遠くに見える山々の低めの辺りには雲か山火事かもよくわからないような白いものがかかっていて、あの奥には何があるのだろうという想像が掻き立てられます。
根っからの都会育ち甘えたちゃんなので田舎に住みたいとは思いませんが、田舎はいいですね。
都会の喧騒から離れたこの空気が僕はとても好きです。
城を攻めるなら外堀から、アウェイ遠征は観光から。
JR学割切符を駆使した在来線旅にて大阪へと到着したのは午前8時半。
車窓越しの移りゆく景色を楽しんだ後で、今度は生の体験を味わいに行きます。
計画性なく降車地を高槻にしていた為、1度高槻で改札をくぐりましたが、率直に言えばそこには特に何もありませんでした。高槻のヒーローもやってくることはなく。
吹田遠征の度に感じるのですが、オオサカキタエリアに観光地が殆どないんですよね。
民俗学博物館などで一日楽しむことの出来る高尚な目も僕にはまだ備わっていませんし。
ということで向かった先は、大阪城。タイトルからも想像つきましたかね。はい。
皆さんは今までの人生でどれくらいのお城を見てきましたか?規模ではなく数です
実は僕、県外でお城を見るのは初めてなんですよね。犬山城と名古屋城しか行ったことがなくて。
なんでテンションは高めです、NINJAのように天守閣まで軽々と登れてしまいそうなくらいには。
ただここで思わぬ刺客が、大阪城が一瞬でプレア・ヴィヘアに姿を変えました。
どこを見ても人、人、人。
それも、東南アジア系の。
そういえば名古屋城に足を運んだ際も、ベトナム人のツアー団体客で溢れかえっていたなあという記憶がここで蘇りました。
日本のお城は人気コンテンツなんですね。
なので、大阪城内へは入ることなく外堀を埋めたところで次の目的地へと向かうことにします。
日本一さえ、悠々と。
次に向かったのは、日本一の高さを誇るビルことあべのハルカスです。
展望台フロアの1周がそれなりに広く、大阪の観光地を含む街並みを一望出来ます。
望遠鏡やジャニーズとのコラボ、無料のフォトサービスも受け付けていました。
僕は一人で撮ってもらう勇気が無かったので、代わりに小さい子供を2人連れたお母さん達の写真を撮ってあげることにしました。徳1。
皆さんもお立ち寄りの際にはぜひ。
2代目通天閣
あべのハルカスから歩くこと20分程、これまたコテコテの観光地、通天閣へ。
今の通天閣って地元資本の通天閣観光株式会社による2代目通天閣だそうです。
第二次世界大戦時の鉄不足から解体されてしまったんだとか。
戦争ってどこまでも嫌なものですね。
新世界をさまよっているうちに飢えを感じた為腹ごしらえの時間です。
贅沢は言わずもがな敵ですが、空腹は時としてさらに手強い敵になります。
ということで来たのがここ。大衆すし謹賀。
なんとここ、驚くことに5月にオープンしたばかりだそうです。
とらふぐてっさやカワハギなど、旬なお寿司が手頃な価格で食べられ、お酒の種類も悩ませてくれと懇願したくなるほどに豊富でした。
特筆すべきはこのお店の活気と仕事の丁寧さ。
僕も接客業のハチワレとして見習わなければならないと思わされるほどに丁寧な姿勢でいてラフに話しかけて頂き、とても楽しい時間を過ごせました。
いつかもっと有名な人気店になってしまう日も遠くないのだろうなと。
数種類の肴と3杯の炭塩わんこ酒で出陣式を終えたあとで、いよいよパナソニックスタジアムへと向かいます。
獄門
1年振りの万博記念公園駅へと降りた先で、先程喰らった魚が晒されているという水族館、ニフレルという場所に立ち寄ります。
生簀に入っている魚がその場で裁かれるというのはよくある事ですが、カワハギを食べたあとで泳いでいるカワハギを鑑賞する人は多くないのでは無いでしょうか。
食物連鎖の上位種として悠々と魚族を眺めていると、突如姿を現した上位存在ホワイトタイガー。水族館に虎がいるなんて聞いてないです。
出口で合致したちいかわキーホルダーとともにホワイトタイガーから命からがら逃げ切ります。
ここで、ちいかわのガチャガチャを回した結果着いてきてしまったくりまんじゅうを、真に欲しがっていた見知らぬ人へと譲渡しました。徳2。
時刻は午後3時45分、いよいよ戦いの地へと向かいます。
大阪に使う降格枠は無い
現在の最下位はリーグ4連敗中のガンバ大阪。
シャーレを手中に収めようとするチームとしては、この相手にリーグ戦で今年初の連敗をつけることは出来ません。
今日のゴール裏、苦しみに苦しんだ新潟戦から続く物語として、''俺らはこれだけやっとくから選手は勝つだけだぞ''という空気を前向きに作り出そうとしていたように思います。
サポーターに出来ることって何でしょうか。
その答えは各クラブ団体がそれぞれ持っています。
個々人に違った意見や感情を抱くことは当然ですが、船頭を不在にしては船は山にすら進みません。
チームの不甲斐なさに対して、''俺たちの声に応えてくれないのなら考えがある''といってボイコットという愛の鞭を打つもよし、''どんな時でも俺たちがそばにいる''といって我慢を続けるもよし。
ただこの拮抗した試合において、不甲斐ない敗戦から切り替えた前向き極まりない応援は、しっかりと選手に届いていたように見えました。
これを応援ボイコットと繋げるのは思春期の中学生ばりに妄想が激しいと思われてしまうかもしれませんが、現地で感じた率直な感想がこれなのだから仕方ない。
僕が後ろ向きなサポート姿勢を目にした時に心が苦しくなってしまうのは、プレーヤーにはプレーヤーにしか分からない事や見えない事もある中で、主観や感情で動いて後悔したくないっていう個人的な思いもあります。
詮ずる所、僕が言いたいのは昨日のゴール裏は今季最高だったということです。
2つの徳を積み、2-0でしっかりと勝ちきった今回の大阪遠征、勝ち点3をお土産にすることが出来て本当に良かったです。
遠征の際、試合以外が充実すればするほど試合への緊張が高まってしまうのはどうしてなのか。次はその答えを見つけられたら良いですね。
祝勝会と祝杯とたこ焼き
観光🙆♀️試合結果🙆🏻という遠征ってもしかして今季初めてですかね。今年は前半戦怒涛のアウェイに苦しんだ印象が強いのですが。
僕らの試合後のご褒美といえば決まってこれ。
せっかくこんなとこ来たんだからこれを喰わせろ!勿体ないだろ!という時はひっそりとはぐれる習性がある僕ですが、関西圏は今年もう三回目です。もう横浜家系>関西ご当地です。
夜行バスの乗車時刻が15分後に迫っている仲間と共に町田商店を完全にまくった後で、1泊組の祝杯に飛び入り参加です。
2時位まで飲んでいたでしょうか。
アウェイ遠征をしていて気になるのは、街ごとの終電後の景色です。
梅田はまぁ想像通りです。すすきのとか横浜駅西口みたいな感じ。人の集まる場所はああなるものなんですかね。
祝杯をあげて本日の宿を探します。
快活CLUB、インターネットカフェポパイ、自遊空間、ドミトリー。
宿など確保していないため、ここら辺から1番安くて近い場所を手当り次第。帰りたいか帰りたくないかはその場で決めるのがうっちのひとり旅です。
今夜の宿は6時間2200円のインターネットカフェポパイに決定です。理由は近いから。
ついでに言うとこの辺りの底値は2000円ほどでした。
ネカフェ比較レポなんかも需要あるのかななんて思いながら、今夜も眠りにつきます。
1泊を決めた理由の一つに、往路の車窓から見えた彦根城へ立ち寄ろうというのがあったのですが、1つ重大な見落としが。
JRの在来線学割って途中下車が出来ない上に、100km以上でないと使えないんですよね。
彦根城まで2枚の学割券を買おうとしても距離不足、学割なしの途中下車旅をするには資金不足。まあ、旅にトラブルは付き物です。
ネットカフェで足りない睡眠を補うため、柏から夜行バスで梅田に帰ってきた神戸サポーターを連れて(に連れられて)1000円の銭湯へ。銭湯を無くしては僕は名古屋へも進めません。
整いに整ったところで梅田駅に戻り、昨夜強がって食べなかったたこ焼き屋さんを探します。
40年ほど続く小さなお店だそうで、1人立つのがやっとのスペースでお婆さんがお店を切り盛りしていました。
焼き方が悪かったかなにか理由をつけて100円サービスして貰えちゃいましたが、関西の方って素直な言い回しはしない主義なんでしょうか。
大阪へ来ることがあればまた行こうと思います。
もう一つだけご紹介します。
梅田駅地下にあるしんきょうという中華料理屋です。普通にご飯を食べるのも良いのですが、せんべろちょい飲みとしても素晴らしいお店でした。
サービスセットというのがあり、生ビールorレモンサワー+餃子10個+1品で1100円です。生ビールはちょっと凍っていて、少し暑くなり始めたほぼ夏の今にはもってこい最高でした。
心残りが無くなったところで大阪とは来年までお別れです。2ヶ月連続できたかと思えばこれなの、ほんと変な生活ですね。はい。
それではまた次回の記事で。
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