その救済の名は「死」

ペモリンの効き目が切れる時
それはあまりにも突然だ
眠るというよりは意識を失う
気がついた時には
落ちる直前の記憶を
失くしている

彼ら彼女らの死が
遠く曖昧になるにつれ
己れの死の薫りは
ますます濃く
ますます鮮明に
なってゆく

この美しい
憂鬱な夢も
じきに
ラストシーンを
迎える

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