🌸#1 愛情表現下手は嘘!?大和男子なら「好き」って言ってね

マリナデシコ｜さいたまの大和なでしこ

2022年11月28日 21:13

皆様、こんにちは。
ごきげんいかがですか。

大和なでしこプロデューサーのマリナです。

少女漫画や恋愛ドラマのヒーローは、愛情表現がストレートなことが多いですよね。

「好きだ！」
「愛してる！」

好きな人からのはっきりとした愛情表現ほど嬉しいものはないですよねー。

大和男子の皆様には、ぜひとも恋人や奥様に「愛してる」と言ってあげて欲しいのですが、一般的に日本人男性は愛情表現が苦手な様子。

「そんなの恥ずかしくて言えないよ」
「大和男子たるもの「愛してる」なんて言わないものなんだ！」

と誤解されがちですが、違います。

昔の大和男子は、ちゃんと女性に「愛してる」って伝えてましたよー！

愛情を表に出さない、黙っていることが日本的な愛情表現だというのは間違いです。

意外にも、中世までの日本は恋愛をする国だったんです！

大和男子から大和撫子へのストレートな愛情表現

大和男子は素敵な女性を見たら、31文字の和歌を詠んで自分の気持ちを伝えていました。

好きな人への想いを、たった31文字に込めたなんて驚きですよね！

そんな昔の大和男子たちのストレートな愛情表現が詰まった恋の歌をご覧あれ！

「あの子はどうしてこんなにかわいいんだ！？」by田舎に住む純情な彼

多摩川に　さらす手作り　さらさらに　なにぞこの子の　ここだかなしき
（多摩川にさらさらとさらす手織りの布ではないけど、今さらながら、どうしてこの娘はこんなにかわいいのだろう）

『万葉集』東歌作者不明

「あー！　なんであの子は、こんなにも可愛いのかな！！！」と、当時は田舎だった関東男子が、好きな子のことを想って悶々としている歌です。すごくかわいいですよね！

多摩川で洗った布を干している娘を遠くから見つめて、赤くなった顔を手のひらに埋めてる様子が想像出来ます。

素朴な田舎男子の純粋な愛情表現にキュンとしちゃう歌ですね。

『万葉集』：現存最古の歌集。630どうして成立したのか詳しいことは不明。天皇から庶民まで様々な身分の作者の歌がおさめられている。
東歌あづまうた：武蔵の国（今の埼玉県と東京都）の歌。
「手作り」＝手織りの布のこと。飛鳥～奈良時代、東京都の多摩川では手織りの麻布を税として朝廷に献上していた。（現在の「調布」は、「調ちょう＝布の税のこと」が由来の地名）

「喜ぶきみの笑顔が目に浮かぶなあ」byサプライズ好きな彼

思はぬに　いたらばいもが　うれしみと　笑まむまゆびき　思ほゆるかも
（約束しないで訪ねていったら、彼女はきっとびっくりするだろうな。「うれしい！」と言って、にっこり笑うにちがいない。その時の彼女の笑顔が目に浮かぶなあ）

『万葉集』作者不明

「妹いも」＝「妻」「女性の恋人」のこと。
古代では「妹」と呼んでいたんですね。
（最初の夫婦の神様のイザナギ・イザナミは兄妹なので、それが関係してるんでしょうか？　謎です。どなたか詳しい方いらっしゃったら教えてください）

当時は彼氏から彼女に会いに行くのがスタンダード。彼女はお家で待ってます。

「サプライズで行ったら、あいつは絶対喜ぶぞ～！」と、一人でニヤニヤしながら歩いている彼の様子が浮かびますね。これもかわいい歌です。

「来ちゃった♡」の男性版。
1300年前もサプライズ訪問はあったんですねー。

「昔の人も恋のせいで眠れなかったのかなあ。みんなは恋に迷ってはいけないよ」by天才歌人の彼

『万葉集』時代のスーパー歌人といえば、柿本人麻呂かきのもとひとまろさんです！

柿本人麻呂：生没年不詳。天才歌人。三十六歌仙の一人。天武・持統・文武天皇の三代につかえたとされている。

女性に対する愛情表現の歌ではありませんが、大和男子が恋に悩む姿がストレートに表現されている歌が素晴らしいので、２つご覧くださいませ。

いにしえに　ありけむ人も　あがごとか　妹に恋ひつつ　いねかねてけむ
（昔の人たちも私と同じように、恋人を思って寝られない夜を過ごしていたのだろうか）

『万葉集』柿本人麻呂

安心してください、人麻呂さん！
昔の人どころか、1300年先の未来を生きる私たちも、同じように恋に悩んで眠れない夜を過ごしてますよー！

あれゆのち　うまれむ人は　我が如く　恋する道に　会ひこすなゆめ
（私より後に生まれて来る人は、私のように苦しい恋の道には、けっして足を踏みいれてはいけないよ）

『万葉集』柿本人麻呂

人麻呂さーん！　無理でーす！
1300年後を生きる私たちも、うっかり恋の道に足を踏み入れて苦しんでまーす！！

当時は和歌が上手ければモテたので、苦労せずにモテモテだったはずなのに、スーパー歌人の人麻呂さんでも悩んでしまうくらい、大和男子は恋に翻弄されてたんですね。

「きみと結ばれる前より、結ばれた後の方が切ないなあ」by結ばれて愛情が深くなる彼

あひ見ての　のちの心にくらぶれば　昔はものを　思はざりけり
（あなたと結ばれたあとの、この切ない気持ちに比べたら、以前の物思いなんて無かったようなものです）

『小倉百人一首』権中納言敦忠ごんちゅうなごんあつただ

権中納言敦忠：藤原敦忠（906～943）藤原時平の三男で、母は有名な在原業平の孫。恋多き男性だったらしい。（在原業平＝主人公があちらこちらでモテにモテまくる『伊勢物語』のモデル）

片思いのときも、それなりにモヤモヤして切ないですけど、両思いになった後で会えないときの方がつらく感じるのは、1000年前の大和男子も同じだったようです。

「これまで色んな女性と恋をしてきたけど、彼女への想いと比べたら、そんなものはなかったに等しい。昔の恋心はぜんぶ偽物だったのだろうか。もしかしたら、彼女へのこの気持ちが本物の恋なのかもしれないな」
なんて妄想してみるのは、さすがに女性に都合よすぎますかね？

「すごくモテて彼女をとっかえひっかえだった彼が、なぜか私だけには本気で好きになっちゃって！？」という展開、少女漫画や恋愛ドラマに見覚えありませんか？（笑）

「きみのためなら惜しくない命だけど、きみと会えた今はもっと長生きしたいな」by美しくて命短い彼

君がため　惜しからざりし　命さへ　長くもがなと　思ひけるかな
（あなたに逢えるなら命も惜しくないと思っていましたが、あなたに逢えた今では出来るだけ長く生きていたいと思うようになりました）

『小倉百人一首』藤原義孝ふじわらのよしたか

藤原義孝：（954～974）息子は書道の達人の藤原行成ふじわらのゆきなり。美男子で有名な人気者だったが、流行していた疱瘡ほうそう（天然痘）にかかり死亡。

こちらの歌は、私が好きな百人一首ベスト３に入る歌です！

恋の歌には「あなたのことが好きすぎて死んでしまいます！」という激しい絶望の歌が多いんですけど、この歌は「あなたのことが好きすぎて、出来るだけ長く生きていたい」という希望の歌なので好きです。

続きます。

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