🐇④ただの素人だった私が【大和なでしこ】になるまで
↑の続きです。
「私、大和なでしこになりたいんだよね」と言って友人を困らせる
着付け教室から逃げ帰ってきても、「大和なでしこになりたい!」という私の気持ちは変わりませんでした。
でも、着付け教室では私の理想とする大和なでしこにはなれそうもありません。
学びたいけど学ぶ場所がない。
初心者だからこそ、中途半端なことを学んで変な癖をつけたくない。
知識はゼロでしたが、最初が肝心だということだけは、なんとなく分かっていました。
気持ちだけが焦ってしまい、私は会う友達全員に「私、大和なでしこになりたいんだよね」と言いまくっていました。
友人たちの反応は「う、うん……がんばってね(何言ってんだ、こいつ)」と苦笑いでした。当然の反応です。
2年ほど言い続けていると、とある友人が有力情報を持ってきてくれました。
友人が所属している社会人サークルで、マナー講座を開催しているので参加してみては?とのこと。
いやいや、私は西洋式のマナー講座には興味ないんだけど。
私がやりたいのは大和なでしこになるための勉強なんだよ。
断ろうと思いましたが──
友人「そのマナー講座の先生は日本舞踊の先生で、その佇まいが只者じゃないらしい」
マリナ「いきまーす!絶対いきまーす!何がなんでも行きまーす!」
只者じゃない方はその場にいるだけで素人を黙らせる
当時の私は人見知りの小心者だったので、知らない人ばかりの空間はとても苦手でした。
講座中はなるべく友人の傍を離れないようにしようと思っていたのですが、ヤツはドタキャンしました。
しかも、連絡があったのは開始5分前。
会場の前で帰るわけにも行かず、心細さに泣きそうになりながら会場に入って驚きました。
(な、なんか会場全体がピリピリしてるー!!)
肌がぞわっとする程の緊張感です。
参加者のほとんどは二十代の若者でしたが、誰も一言もしゃべらず、居心地悪そうに正座していました。
(なにこれ!? こわいんだけど!!)
会場を恐る恐る見渡して、講師の先生に気づいた私は、思わず息をのみました。
先生は淡い色の着物を素敵に着こなし、凛と背筋を伸ばして正座しておられました。
何もおっしゃらず、微笑みを浮かべるだけ。
開始時間まで静かに待っていらっしゃるだけなのに、二十名近い若者たちを黙らせるだけの雰囲気をお持ちでした。
(こ、これは、たしかに只者じゃない!)
さっきまでドタキャンした友人を恨めしく思う気持ちはすっかり消えてしまい、私はこの只者ではない先生に圧倒されたのでした。
まさか、これが大和なでしこ修行へのスタートになるとは知らずに。
続きます。
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