8月に読んだ本の感想をゆるりと。
あれ、なんか忙しい。
7月からスタートしたコーヒー屋さんでのお仕事。
蓋を開けてみれば、歴2年の先輩(年下)2人の退職が決まっているとのこと。……求人出てたんだからそりゃそうだ。
人員も戦力も大幅ダウンやんけ!と、こころの中で吠えたのは言うまでもない。
でも冷静に考えると、日々教えてもらうことの密度がめちゃくちゃ高いから、むしろラッキーだ。「働きたい!」と思って飛び込んだ職場だし、実際働いてみてその気持ちも持続しているから、これはかなり有難い環境なのかも。そう捉えることにする。
集中しつつも焦らずに、吸収していきたい!
とはいえ2人も抜けるのは、単純にすごくさみしいけどね……。
前説はこのあたりにしておいて、8月に読んだ本の感想を書いていく。適度に負荷がかかる日常で、やはり読書は癒しだなぁと思う。8月は、自分でもびっくりの10冊読破。
10冊分、さいごまで読んでもらえたらうれし泣き。すみません、長くて。
それではゆるりと紹介していきます。
シンプルに生きる(ドミニック・ローホー)
モノは極力持ちたくないんだけど、好きなモノに囲まれて暮らしたいというわがままな願望がある。ミニマリストを目指した時期もあったけれども(ほんとに一瞬だけ)結局モノが好きなんだよなぁと思う。とくにキッチン周りのこまごま雑貨や器やグラス、コーヒーグッズたち。増殖中。
趣味はとことん楽しむにしても、モノの選び方は鍛えたい。そう思って、何度も読み返している本。
モノだけじゃなくて、時間の過ごし方や人間関係、セルフケアまで網羅されているので、スッキリ身軽な読後感が好き。
夢をかなえるゾウ1(水野敬也)
いまウィキペディアをちらっと見ていたら、このシリーズ、累計430万部売れているらしい。すごい!知っている人も多いのでは。
わたしは20代のころに単行本で読んだ以来の再読。SNSで見かけてひさびさに読みたいな~と思ったんだけど本棚を探してもなくて、文庫版で買い直してしまった。
めっちゃよかった~。
20代で読んだときは「読みやすいしおもろい文章やなー!」くらいしか、感じることがなかった気がする。いやもっとあるやろ、感受性浅すぎか、と。
30半ばになり読んでみると、言葉の響き方がぜんぜんちがって、確かに文章のおもしろさも随所にあるんだけど大事なことが書かれすぎてて「そうやんな、ほんまそうやんな」としみじみしてしまった。
例えるなら、遠足で行った奈良の大仏、こどもの頃はせいぜい「でっか!」くらいの感想で正直おもんなかったけど、おとなになって訪ねると偉業に圧倒されるあのかんじ。(伝わりづら)
もう無くさないように、手元に置いておこうと誓った1冊。
ああ、恥ずかし
この本は、恥ずかしエピソードのバラエティパック!
書き手はあらゆるジャンル(作家、女優、アナウンサーなど)で活躍する女性たち。総勢70名の恥ずかし体験が、赤裸々につづられた1冊となっております。
「あるよねー!」と共感できるものから、「なんでそうなった!?」と奇想天外なエピソードまで。
フッと笑っちゃう箇所多々なので、外で読むの注意系文庫。そして他人(←ここがポイント)の恥ずかし体験を読んでいると、安堵感や勇気をもらえるのはなんでだろう。(笑)
なかには同じようなエピソードも出てくるとはいえ、書き手の個性による表現の楽しさもギッシリ詰まっています。
嫌われる勇気(岸見一郎・古賀史健)
「夢をかなえるゾウ」を読んでから、自己啓発モードに突入したわたし。会社員時代の同僚が読んでいて、ずーっと気になっていたこちらの本をえいや!と購入した。
著者は哲学者の岸見一郎氏とライターの古賀史健氏。アドラー心理学の教えを、「哲人」と「青年」が対話形式によって紐解いていく構成になっている。
どの章にも、今までの視点を覆されるような考えが書かれていて、目から鱗とはこのこと。わたしにとって特にパワーワードだったのはこの2つ。
トラウマは、存在しない
叱ってはいけない、ほめてもいけない
「どうゆうこと?」とすぐに理解はできなくても、その疑問を青年が代弁してくれ、哲人が例えを交えながら答えを明示してくれる。2人の、議論を交えた対話の続きが気になりすぎて、夜な夜なページを手繰ってしまう!
2回目、3回目と何度もじっくり読んで、自分に落とし込んでいこうと思う。いつもは本にラインを引いたり付箋を貼ったりしているのに、それさえも忘れて没頭できた感覚がある。
夢をかなえるゾウ2(水野敬也)
シリーズものって、いいですよね。
読み終わっても続編が控えてくれている、という安心感。一気に読むのがもったいない気もして「次、どのタイミングで読もうかな」と焦らす楽しみもある。(わたしだけ?)
「夢をかなえるゾウ」の第2弾を、さっそく手に取った。ガネーシャの教えの濃さはそのままに、今作では「お金」と「才能」について切り込んでいく。
わたしは今年になって働き方を変え、それに伴い環境や人間関係もガラリと変わった。もちろんお金の流れも変わる。今はわりと新しい環境に身を置いて満足感や高揚感、新鮮味があるけれど、またちがった悩みが出てくるのは時間の問題だ。変化に応じて読み返せる本があると、頼りになりますね。
このシリーズは地味だけど見落としがちなヒントがたんまり詰まっているので、巻末の【ガネーシャの教え】をちょこちょこチェックしている。
わたしは「図書館に行く」ことを諭す以下の教えがツボ。
スター(朝井リョウ)
朝井リョウさんを初読み!
月並みだけど、なんで今まで読まなかったんや……と後悔してしまった。人気だからと敬遠するひねくれたこころを叩き直したい(笑)
大学在学中、映画祭でグランプリを受賞した2人を軸に、ストーリーが展開されていく。ひとりは名監督への弟子入りというお堅い道。もうひとりはYouTubeでの発信という波乗りの道。真逆の進路を選択した、2人の対比が鮮やかだ。
想いはあっても自由に制作できないジレンマや、数字は伸びても密度はあるんか?という葛藤など。2人が壁にぶち当たるたび、それぞれの感情が手に取るように伝わってくる、すごい小説だった。
登場人物の視線の動きから細かい仕草まで、目の前で映像を観ているかのように、読めてしまう。朝井リョウさん、ほかの作品も読んでみたいな~!
インスタのショート動画に四苦八苦しているわたしだけど、発信者の一端としてこの本を読めてうれしかったし、腹落ち感がハンパなかった。
君たちはどう生きるか(吉野源三郎)
「君たちはどう生きるか」、映画を観たので小説も再読。小説を読んだらまた映画を観たくなるという、無限ループに入りそうだ。
読んで痛感したのは、「ふだんの生活で、考えることから逃げてないかい?」ということ。問いに出会ったときに、誰かの発信やまとめ記事で、ササっと結論を探すのがふつうになっていると思う。
この本の主人公、コペル君を見てほしい。
日中に眺めた都会の景色や夜に見た夢、友人との交流のなかから推論を考察、自分の考えを「おじさん」に伝達し意見を交換、この世界のしくみに自ら気付くのだ。このプロセスすべてが健気で、いまの自分はどうだろう?と照らし合わせながら読んでいった。
タイトルそのものが著者からのメッセージ。とても好きな小説です。
たいのおかしら(さくらももこ)
ゆるゆる読みたい気分のときは、さくらももこさんのエッセイがまちがいない。
この本は、エッセイ3部作の3作目にあたる完結編。前の作品は「もものかんづめ」、「たいのおかしら」。すべてがおもしろすぎて、口のわるさや毒もぜんぶひっくるめて、超笑えるのでおすすめです。何度も読んでるんだけど、飽きずに笑える。クセになって何度も観ちゃう漫才と似ている気がします。
この本でとくにわたしが好きなエピソードは、「父ヒロシ」という章。
お父さんの生きざまが、ももこさん目線で淡々と綴られていてキュウゥゥゥと切なくなる。おもしろいだけじゃなくて、いろんな感情を動かしてくれるから大好きなエッセイ。
独学の地図(荒井博行)
6月から毎日続けている書く瞑想。
ノートを開きペンを持ち、ダダダーッと書くだけでもかなりスッキリするのが大きなメリット。自分に合っていたんだろうな、続けてみてよかった。
ノートを読み返せば自分を深く知れるから、「何に興味が向いてるんだろう?」「気分が下がる原因はなんだ?」と日々観察できている気がする。
そんなかんじでノートをパラパラと見返していたところ、頻出ワードがあることに気付いた。
それが「新しい学び」。どうやら今のわたしは、新しいことを学んだり、興味あることの勉強に充実を感じるようだ。
前置きが長くなってしまったけれど、そこで手に取った本がこの「独学の地図」。どう学ぶか?という学び方の勉強をしてみたわけです。回り道かと思いきや、これがすごくよかった。
わたしがこれから勉強していきたいことのひとつが、コーヒーだ。コーヒーと関われる仕事を選んだことで、日々の労働がそのまま学びになっていて、とても恵まれていると思う!
でもこの環境に甘えすぎることなく、湧き上がってくる疑問をどう学びに落とし込み、アウトプットしていくか。この視点を持っていると仕事の面白みがグンと上がるし、資格や肩書きだけではない、自分の学びを追求できそうだ。
わたしの日常茶飯事(有元葉子)
食べ物や料理のエッセイが好物だ。
わたし自身も食いしんぼうで料理が好きなので、よく読むようにしている。料理や献立のヒントが得られたり、家事へのモチベーションが高まったり。なにより食べ物の描写って、しあわせな気持ちになれますよね。
有元葉子さんは好きな料理家さんで、料理本やエッセイを数冊ずつ持っている。料理も暮らしも、シンプルな佇まいで品が溢れている!センス!丼物ひとつでも、有元さんの手にかかると絶妙な抜け感でおしゃれに見えるから不思議だ。
この本は有元さんの「日常茶飯」、つまりふだんの飾らない食のあれこれが綴られたエッセイ。
背伸びしないおもてなしや家事のあれこれ、好きな旅先なども書いてあり、センスの源を探りながら読み進めるのが楽しい1冊。
8月に読んだ本まとめ
おつかれさまでした~!
10冊読了できた月はひさしぶり。常に3冊ほど併読している状態が続き(これがかなり心地よい)、充実の読書ライフな8月だった。
職場の休憩室でいつもひっそりと本を開いているので、無事読書好き認定されています。本好きの先輩もひとり見つけました。(歓喜)
9月もこころの赴くままに読んでいこう~。
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