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【日記】2024年9月21日〜9月30日

9月21日(土)
通勤でバスに乗っていると、通路をはさんで斜め前に座っている女性がリップグロスを塗り出した。先端がブラシのようになったあれである。人前で化粧をするなんてうんぬんかんぬんではなく、鏡を見ずに塗れるのが単純にすげー!と思う。こないだ駅で歩きながら塗っているひともいて、「そんなにライトに塗れるもんなの!?」と、不器用なわたしはなにか損した気分になっている。
今日は仕事中、わりと長めに接客させてもらった上品なマダムがいて、会計後に「いろいろありがとう。楽しかったです〜!」と言ってもらえた。飲食店なので「おいしかったです!」と声をかけてくださることはちょくちょくあるのだが、「楽しい」はまたちがった角度の嬉しさがある。つぎは「おもしろい」と言われたい。半分冗談で半分本気である。
帰ってきて、今日は夫が遅いのでひとり夜ごはん。いつも炒めものに使う「腐乳(フールー)」で、焼きそばを作ったのがうまかった。酒と腐乳と塩。野菜のメインは白菜にしてみた。テキトーでなかなかいい線いったので、つぎは本気でいってみよう。といいつつ、テキトーのほうがよかったりするから料理はわからない。

9月22日(日)
わが家は疲れると肉とタコを食べがちだ。わかりやすく、スタミナ補給、できる気がする。夫が休みだったので、タコとしろ菜のサラダ、それにかたまりの肉を焼いてくれた。ありがてぇ。しろ菜は白菜に似た野菜で、シャキシャキと瑞々しい、両方を味わえるすぐれもの。

9月23日(月)
職場のみんなから、おはぎとスコーンとシュトーレンをもらった。
バイトおわりに夫と待ち合わせをして、プラネタリウムを観る。7割、寝た。いい音楽といい声、リクライニングのいす、周りが気にならない暗がり、早起きでの仕事。眠る条件揃いすぎててむりだった。

9月24日(火)
おともだちとzoomで定例会をする。あー、たのしい。いつも2時間があっという間で、日々の仕事とはまったくべつの刺激をもらう。
お昼以降は、サンドウィッチマンのYouTubeを聞き流しながらうとうと眠ったりなど。やっと冷房をつけずに窓を開けて気持ちいい気温になった。今日みたいな気温と湿度で年中過ごせるお国はないものか……ベランダに出ちゃったりしてコーヒーを飲むのが最高だった。
夕方、散歩がてらめぐったコースは、本屋、パン屋、スーパー。本屋では見ず知らずのエッセイ集と、何年かぶりに「暮らしの手帖」を買う。ネットで本を買うことも多いけど、そうすると指名検索になり、欲しい本を狙いうちすることがほとんどだ。だからフラッと寄った本屋で、そのときピンときた本を買うのもわたしは大事にしたい。風呂上がりに、購入したエッセイを「はじめまして」と開くわくわくは、わたしが選びとった尊い時間なのだった。

9月25日(水)
仕事なかまから「マヌルネコ」というネコを教えてもらう。動物園で見てきたらしい。調べてみると毛がもっこもこで、いやこれがほんとにもっこもこで、けれども野生みのあるムスッとした表情がなんともいえず、休憩中に画像を漁ってしまった。か、かわいい。
夜は暮らしの手帖にのっていた、鮭の酒蒸しを作った。エリンギもたっぷり入れて、カボスをぎゅっと絞って食べた。たまには雑誌も買ってみるもんだ。検索すればレシピがゴロゴロ出てくるのは、もちろん便利だし日々助けられてもいるのだが、繰り返し作ってわが家の定番となるのは、本や雑誌からのメニューが圧倒的に多いのだ。「これうまそう!」と思ったメニューを、間髪入れずに作ってみる。最近これを怠っていたので、小さな挑戦がたのしかった。

9月26日(木)
髪を切りに行って、いつもの美容師さんと、ずっとすきなカレーのはなしをしていた。推しのカレー屋さんがたまたま一緒で、すきなポイントも似ていて、ひたすら褒めちぎるというなんとも平和な時間だ。あぁ、カレー食べたい。髪を切りにいくと毎回そうなるのは、カレーのはなしばかりしているから。

9月27日(金)
昼から出勤の日は、コーヒーを淹れる。それをパンと一緒にたのしんで、残りは家事や身支度をしながらちょびちょび飲むのがすきなのだ。だから朝は、ジャグにたっぷりめにコーヒーを準備する。今朝はわたしが淹れたコーヒーを、夫が自分のミルクコーヒー用とわたし用に、カップに注いでくれていた。が、しかしである。ジャグに多めに準備していたコーヒーを、夫はカップになみなみと注ぎ切っているではないか。わたしはカップにコーヒーを6割ほど注ぎ、足りなくなればまたジャグから注ぐという、カップからジャグに注ぐという行為そのものがすきなのに!である。なんなんだこの注ぎたい願望。われながらわがままだし意味がわからんのだが、こうゆう些細な行為で満たされることも、生活をしていれば人それぞれあるんじゃないかと思う。白ごはんを、ふりかけ、漬物、味噌汁のループで食べ進めるけど最後のひとくちは白米で〆る!とかさ。そんなかんじの。

9月28日(土)
シュガークッキーを焼いた。焼き菓子をとにかく焼きたい季節が到来している。焼かなければ。涼しくなった先週くらいからそう思っていたけれど、休日の時間のあるときに焼くわけでもなく。それはいつも突然なのだ。今日はバイトが終わって帰宅して、作り置きの豚汁をズズズとすすり、「さて」と立ち上がって気付いたらバターを練っていた。休みの日はあんなに時間があったのに、「なんでいま?」と自分で思う。今日はバイトもいそがしく、しかも連勤中で足腰がガタガタしているのにもかかわらず、だ。練りはじめて少し後悔はするのだが、もう後戻りはできない。焼き菓子を焼くタイミングに関して、こうゆうとがよくある。
レシピ本を見て手順やグラムを確認するものの、作業自体はかんたんだ。だからとにかく今日も無心になれた。「あ、いま無心だ……」と思ってる時点で無心やないやないか!という邪念を振り払い、ひたすら作業に没頭する。疲れたけど、たのしかった。いつもそうだ。これでいいのだ。とくにすきな作業は、棒状に伸ばして冷蔵庫で寝かした生地を、「サクッ」と1センチの厚さに包丁で切る瞬間。

9月29日(日)
出勤してすぐ「お化粧変えました?」と聞かれて「ひゃだ♡」となる。図星だったのだ。とはいえ変えたのはベースメイク。そもそもメイクがナチュラルすぎて、アイメイクを変えても気付かれたことがほとんどないわたしなのに、よく気付いたわね〜!と興奮する。変えたといっても、いつものファンデを切らしていて、ありあわせの色付きの下地をババッと塗ったんだった。みんなよく見てるのねぇ、はずかしい。でも「めっちゃいいかんじ!」と言われて、わかりやすくデレデレ照れた。

9月30日(月)
家で食器を収納するとき、小さい皿の上にひとまわり大きな皿を置いていたことで、夫に「なんじゃこりゃー!」と咎められる。これくらいの横着は許してくれよぅ、家なんだから。すると「こうゆうの仕事にも出るからなっ」と痛いところを突かれる。はぅ。自分で自分のおおざっぱなところがあまりすきではないから(とくに仕事において)なんかもー、言われるのも悔しいし腹立つ!どうにか言い返そうと思って、夫の家事のあら探ししてる自分もいやだ!もっと大きくなれわたし。

表紙の写真:作ったシュガークッキー。生地の表面にハケで水を塗り、グラニュー糖をジョリジョリ付けるのもすきな作業だ。飽きるくらいやってみたい。

おわり

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