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空になった居場所


認めてほしかっただけ  
たぶん本当はそれだけだった
いつの間にか
何が目的かも曖昧になって
ただ日々を漂っていた

金木犀の香りで肺を満たしたら
甘い香りで書き換えよう
崩れそうな自分も
煮え切らない毎日も
いつまでも書ききれない未来予想図も

認めてほしかった人は
もう側に居ない
ただひとり
なにかを抱(いだ)くための手と
どこかへ向かうための足だけが
今もぽつんとここにある


空になった居場所
置いてけぼりにならないで
精一杯の笑顔で手を振ったら
今度こそ旅に出よう
行く宛なんて決めなくてもいい
木枯らしの導くままに

もう向かう先は
前でなくても構わないよ
でも
できれば楽しい方へ
君なりの希望へ向かって
素敵な宝物を拾い集めながら

どこまでも

どこまでも

歩んでゆけますように。



- END -

(FMハイホー ○○な水曜日より)

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