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真面目は悪いことじゃない

サクラ咲く
著 辻村深月さん、三編の物語が入ってる文庫本です。
あらすじ▽

塚原マチは本好きで気弱な中学一年生。ある日、図書館で本をめくっていると一枚の便せんが落ちた。そこには『サクラチル』という文字が。いったい誰がこれを?やがて始まった買いの見えない相手との便せん越しの交流は、二人の距離を近づけていく…..

この本に出てくるマチは、学生時代の自分をみているようでぎゅっと抱きしめたくなりました。
  真面目で優しい
自分でこの言葉に苦しめられてきました。
自分は嫌われたくなくてズバッと本音が言えない….
他人のことを考えていて言えないだけなんだけど、タイミングや捉え方でほんとに言葉の意味は変わるなと思います。
この主人公の女の子「塚原マチ」も同じように悩んでいました。
友達に押し付けられてほんとはやりたくないけど言えなかったり、本音を中々話せなかったりして….
悪気ないしむしろ褒めてくれているんだけど、自分は型にハマった事しかできないかとか、言われたことをやっているだけとか結構マイナスに捉えてしまうことが多くて自分で自分をズドーンと落としてしまいます。
つい最近も真面目ですよねと言われました(笑)
これを読んで、私はあることを想い出しました。
高校生の頃、友達に「○○ってほんとに真面目だよね~」と言われたことがありました。その頃の私は今よりもすごくネガティブ。
その言った友達は、自分とは真逆のタイプ協調性がないし我が道をいくような感じ。でも友達は多かったんですよね、すごく人を見ているし誰とでもフレンドリーに話せる。
そんな友達に言われたからこそ自分と比べてしまったんだと思います。
比べる必要なんてなかったのにね….
それで落ち込んでいる時に、当時の部活の先生が見かねて話を聞いてくれました。何を言うだけでもなく、ゆっくりと私の話を聞いてくれました。
そして、「真面目なことはあなたの魅力だと思う」と伝えてくれました。
今のように自分を肯定できるようになるにはすごく時間がかかりましたが、その時話を聞いてくれたあの先生の事、忘れないと思います。
カフェで読んでいたんですけど、泣きそうになりました。今これを書いてても当時を思い出して涙が出てきそうになります。
今は少し本調子ではないけど、そんな時にこの作品に出会えてよかった思います。もしタイムマシンに乗れるなら過去に戻って当時の私に「あなたはあなたでいいよ」と抱きしめてあげたいです。

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