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愛の手紙

時々モーニングを食べに行く30年以上営んでいるカフェがある
ある日そこのママは私にアルバムのようなファイルを差し出した

ママのご主人が施設に入っていた
コロナの影響で面会ができない

ママは毎日店を開け笑顔でお客と会話をし
店を閉めたあと会えなくても好きなデザートを施設へ届けた

桜が咲きはじめましたよ

タンポポも咲きました

春なのに今日は少し肌寒いです

コロナがおさまると会えるからね


外へ出られなくなったご主人の目となり耳となり
季節の流れを手紙にのせた

ご主人は息をひきとった

施設の人がママにファイルを渡した
そこにはママがデザートとともに添えた手紙が綴じられていた

ご主人は 奥様からの手紙を読んでにっこりしてましたよ

捨てずに大切に残していた手紙が夫とともに手元に戻ってきた

ありがとうって見えない字がそこにある気がした

仕事をとことんやり遂げる夫だった
難しいところもあったけど
この店も夫がつくってくれた

苦労もしたけど
いい夫だった

とママは初めて泣いた

大丈夫

ご主人のつくったカフェで
今日もママはモーニングを用意する
ママと話がしたくて毎日お客が訪れる

これからは空から見守ってあげてね

もしもサポートいただけたら諭吉とその家族の生きる糧になります☺️ どこかで恩返しもできればと思っています☺️よろしくお願いいたします🍀