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スタートアップに大事な数字「売上」

新型コロナウイルスの流行で、さまざまな事業体が影響を受けていると思うのですが、「リアル体験」を売りにしていた、私たち、ちそうの事業も大きな影響を受けています。(下は、さわれるミュージアム"Think Square"の展示風景)

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起業する際に、「まずはキャッシュフロー(≒手元資金の確保)だけ意識しればつぶれない」とアドバイスをいただいていたこともあり、資金繰りを考え、節約は意識していました。例えば、基本的にモノ・場所を持たない、最小限・最低限必要な機能のみを導入するなど。なので、オフィスはもちろんシェアオフィス(現在はバーチャルオフィス)、展示する場所はレンタルスペースを使い、展示アイテムも連携する研究機関から借りる。広告は打たず、メディア対応、SNSで情報拡散する。自社で所有するものを最小限にし、支出を抑える施策を主眼に置いていました。

これはこれで、非常に効果的で、だからこそコロナ禍でまったく事業ができなくなっても、固定費を低く抑えていたことで、生き残れています。

いろいろなところに効いてくる「売上」

一方で、投資額が少ないので、得られるリターンも少なく、(だけどまだ投資フェーズ)、あまり売上の額が大きくならない。もちろん、売上の数字を創ることが難しいのは当然なので、できるだけ売上が上がるまでにつぶれないように、手元資金の流出を極力抑えていることで、何度もショートの危機を迎えるものの、生き残れました。とある大企業の経営者にお話を聞いたときも「売上を上げるのは大変、利益を上げる方が簡単。経費を削減すればいいから」と宣っておられました(笑)

ただ、売上に規模と継続性がないと、それ以外のお金周りでも困ったことがでてきます。それが「融資」と「助成金・支援金」です。

売上金額に獲得率が比例する「融資」

「融資」については、いろいろ考え方があるかと思うのですが、あまり派手なプロダクトやサービスを持っていない当社としては、VCやCVCから出資を受けるような機会はまずなくorz、銀行からの借り入れが非常に重要な資金調達策だったりします。

だからと言って、そんなに簡単に融資してくれることはありません。起業時に、「創業融資は、必要不必要関係なく、受けるべきだ」という周りのアドバイスもあって申し込んだのですが、確かにこの融資が一番ハードルが低いと感じるくらい、それ以降の融資相談は、ほぼほぼ厳しい結果になります(笑)。むしろ、創業融資は、創業前なので当然ですが、売上実績がないにもかかわらず、満額回答もらえる可能性が高くあります。私も満額受けられましたが、それ以降は難しくなります。それはなぜか。やっぱり「売上」です。

融資相談をする際に、最初に売上、そして利益の状況を確認されるわけですが、当たり前なのですが、一定規模、売上がないと、利益は出ない。なので、まず売上とその見込みを聞かれる。投資フェーズで売上よりもプロダクトやサービス開発を進めている状況だと、なかなか苦しいところになります(笑)

受給金額は売上基準が多い「助成金・支援金」

一昨年、昨年と中小企業者、個人事業主を対象に、「持続化給付金」や「一時支援金」「月次支援金」などで国の支援が、「月次支援給付金」で東京都の支援が資金的に受けられます。この支援・給付金の算出基準は売上です。月額売上に対する補助が20万円基準なのは、いろいろご意見があるかと思うのですが、支援・給付金のすごいところは、受給額がそのまま利益になることだと思います。

スタートアップだと、毎月売上が上がるというよりも、時々ブランクがあったり、売上が低い月があるということはあるのですが、全て同じ売上基準で給付額が決定されます。そうなると、例えば、基準年に対し50%の売上だった場合に、5月100万円(給付基準年200万円)、6月10万円(同20万円)だと受給額30万円となり、総額は同じ5月55万円(同110万円)、6月55万円(同110万円)だと受給額40万円になるという風に、平準的に売上をあげておくことが重要になります。

売上の方が多いことよりも継続的に売上があげられていることが重要だということになるのですが、ある意味、キャッシュフローを考えると、理にかなったことなのかもしれないなと思います。一時的に資金が増えても、継続性がないと固定費は変わらないわけなので、ショートする可能性は高まるからです。

ということで、売上って大事なんだなと感じた話を書かせてもらいました。比較的低利益なものでも、最初の内は仕事を受けて売上の数字を稼ぐことも重要なのかもしれないなと思ったのですが、結構私の場合、取捨選択して仕事をしてきたので、反省面もあります。

結局長続きしない、できないことを受けると発注先にも迷惑をかけるということもあり、「無理をしない」ということを念頭に置いていたので、金額合わないもの等はあまり努力せずに切ってきた部分がありますが、右肩上がりの社会ではないことを考えると、どう自力で地力をつけていくかを考えると、利益率低い仕事についても、タイミングや意味付けに応じて考えなければならないと思っています。


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