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「パワー」 ナオミ・オルダーマン 読書感想文


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もし男女の力関係が変わったら。。?#metooムーブメント(2017年)で話題になった一冊。

ある日世界中で、女性の身体に突如謎のパワーが宿るようになり、身体的に男性よりも強くなることで、女性優位な社会になっていく様を描いているフィクションです。

正直言って怖い!なかには酷い目に遭う男性も出てきて、男性は一人で夜道を怯えながら歩くようになったり、かなり残酷な描写もあるけれども、でも、これって今現実に世界のどこかで女性の身に起こっていることだよねと思ったらゾッとしました。。。

最初は男尊女卑な世界でいきなり女性が力を持ち、どんどん強くなっていく彼女たちの姿にワクワクしながら読み進めました。
特に力を獲得した女性、マーゴットの話なんか「行け行け!」と応援しながら読みました。

私にもにも作中の女性のように、スケインがあったら、アークを飛ばせるようなパワーがあったなら。。。
夜道を一人歩くときのことを思い浮かべた。後ろに男性が歩いていてもなにも怖くない。だって自分の方があきらかに強いんだから。......ああパワーわたしも欲しいわと切実に思いました。

話が進むにつれ、パワーを持つようになった女達の暴走は止まらなくなる。数々の男性へのレイプや軽視する発言、男性は一人で夜道を歩けなくなった。想像するだけで顔色悪くなりそうなくらい。

本の分厚くて、こんなに全部想像で書いたのが信じられず、リアルなんじゃないかと錯覚してしまった。本の終盤読んでる時私があまりにも顔がこわばっていたようで、「怖い本読んでるの?」と母から聞かれた。その通り。これはホラー。ある種のホラー。

一番共感できたのはジャーナリストの男性、トゥンデかなあ。

初めて道を歩いて怖いと思った 

トゥンデの言葉をみて、そうか、これは私が男性に比べて弱者である女性だから感じる感覚だったのかもしれない、とじわじわ気づく。考えてもみなかった。

分厚い本なのに、重苦しい話なのに、本から目を話せなかった。あっという間に読み終えてしまった。

読み終えたあと、テレビを見た時、この小説の中の立場が逆転した光景をみて、もやもやした感情が生まれた。

小説の中で起こっていることは全部女と男をひっくり返すとすごい納得がいく。性別が逆転しただけでこんなにもやもやするのはなんでだろう。

面白かったけど、....怖かったかも。

2017年のオバマさん推薦図書なので、是非読んでみて。

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