ただのお弁当の話に込められた暖かさ

「これは、ただのお弁当の話だ。」
この物語はそんなモノローグから始まる親子の物語だ。
高校受験に失敗した息子と、離婚した父親の
男の約束と3年間のお弁当づくりの話だ。
高校受験に失敗して、それでも高校を受験した息子を
私は凄いと思った。
一発合格しても無事に卒業しない生徒ばかりが居た学校にいたせいかもしれない。
周りが1年下の同級生に囲まれながら、一人お弁当を食べる。
なんて根性があるんだろう。
普通は便所飯すると思う(或いは一人で外で食べる気がする)
一方、ミュージシャンの父親はやりたい事をやって気楽に暮らしている
(様に見える)
何でも楽しめる得な性格で、おいしそうに出来た自作の弁当を
楽しそうに毎日インスタに上げる。
そんなのらりくらりした父親に母親はうんざりし、息子も呆れている。
それでも、父親は弁当を息子に渡し
息子はそれを持って学校に行く。

そのうち、息子は元同級生に恋をしてダイエットを始める。
全然太っていないのに。
しかし元同級生には既に彼氏がいて
息子の恋は儚く散る。
同級生役の工藤遥ちゃんが、いい感じにしたたかなギャルで良かった。
本人は悪気がないけどあざとくて、
なんとかお父さんのバンドのチケットを手に入れてくれないかと頼んできたとき
うわーあざとい女だなーと思った。
そんな息子にも友人が出来、3人で弁当を囲むようになる。
昔で言うところの「ドリカム状態」で
女一人に男二人で揉めないわけないよなと思ったら
やっぱり揉めた。
しかし色恋の沙汰ではない。

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