見出し画像

去年の今頃は

今 新幹線から見える窓の景色を見ながら
去年の今頃はとても大変で
もがき苦しんでいたことを
心がちぎれそうになっていたことを
思い出していた。

今このタイミングで
東京に出張に行くなんて面白いものだ。

去年私はお世話になっている、
憧れの存在で信頼していた知人の紹介で
マレーシアの海外不動産の事務職をしていた
一月末に急遽話が来て
すぐに入社になった。
その当時は派遣社員だったので
本当は3月までの契約だったから
辞めることもとても大変であった。

正社員になる条件は
1ヶ月だけ引き継ぎで東京に滞在することだった
私の判断の基準は
面白そうや経験値になりそうなものは
なんでも挑戦したいというものなので
話が来た時もラッキーと思って
挑戦することを選んだ

入社して分かったことは
私はとても場違いだったということ
英語を難なく話せる人であれば
問題なかったかもしれない
私より能力のある人なんていくらでもいる
たった3日間だけの引き継ぎが終わり
あとのわからないことは
LINEや電話で対応していた。

私には難しいことばかりだった、
日に日に帰るのが遅くなり
確認ミスを増えて
怒られることが多くなった

女性社長が帰国すれば
私の容姿について文句が入り
仕事についても翌日には
話が違っていたり、
理解できなかった
とてもストレスだった。

昼の休憩は食べながらで
何を食べても美味しいと思わなかったし
いつも甘いものを欲していた

気がつけば私の机の周りは
チョコレートや甘いものに溢れていた

たった1ヶ月だけの東京滞在は
あと1ヶ月がもう1ヶ月だけになり
4月末までの約3ヶ月間になっていた。

心も身体もボロボロで
楽しいことなんて何もなかった
安心できる居場所すらなかった
早く仕事ができるようになりたかったし
もっと自分らしく働けるようになりたかった

その後大阪で1ヶ月働いた後に
クビを宣言された

心がとても楽になって
何かから解放された気持ちになった

その会社と出逢ってから
私は変わった

今までは人のために動くことが好きで
自分の生きがいだと思っていた。
誰かに頼られたら、
何かに誘われたら
全てYESと答えていた。

でも気がついてしまった
人のために動いていた時間や
使ったお金などは全て
自分自身を削っていたもので
何も残らなかった

いつもは感じていた
充足感も、すでに感じず空っぽだった。

全て見える世界が
モノクロに見えた
今まで楽しかったことに
関心を持てなくなった

そこから自分探しの旅が始まった
新しい会社に拾ってもらい、
今まで付き合っていた友人との予定を
全て無くして
1人でいることを選択し始めた

はじめはあまり楽しめなかった
ずっと1日寝てしまうこともあったし
仕事終わりはずっとSNSを見て時間を潰していた

クビになってからは
なかなか自分に自信が持てなくて
少し気持ちが落ち着いてから
いけばなや美術館、読書など
自分のために時間をとって過ごした。

誰かに介入されない時間は
とてもゆっくり流れていた。

朝布団から起きて目覚めれること、
自分の部屋で夜ふとんで眠れること、
自炊をしてお皿に盛り付けること
全て愛おしい時間だと気がついた。

一度底辺に落ちたからこそ
そこからは見える世界のひとつひとつが
優しくてあたたかく見えた。

私にとってあのモノクロの経験は必要だった。
だから今こうして過ごせている。

私は過去よりも逞しくなれたと思っている。
以前は言いたいことも我慢して、
私が我慢していればうまく行くとさえ
思っていたのだから。

今は全く違う
自分らしくいることを選んで
人に嫌われてしまうなら
それはご縁が無かったのだ
と思うことにしている。

この世はご縁とタイミングだと思っている。
経験したことにはきっと意味がある。
出逢った人は学びを与えてくれる。
自分が成長したらお役目を終えて
離れていく人もいるだろう。

考えたら今周りにいる人たちは
全て社会人になってできた友達だった。

学生時代の友達は
島根の友達しかいない。
その他の友達は連絡をとっていない。

この人の前だけは1番自然体でいれる。
ずっと末長く仲良くしていきたい人だ。

秋ごろに旅行に行く予定を立てているが
どうか実現しますようにと祈っている。
未来の予定なんてどうなることか、わからない。
だから楽しい。

人との出逢いは大切で
たくさんの学びときっかけを与えてくれる。

今まで出逢った人たちに感謝している。
そしてこれから先に出逢える人たちに
ワクワクしている。

ただ人間関係についてはまだまだ勉強中だ。
今意識しているのは
応援される人になること
感謝と愛嬌を持ち合わせた人に
なりたいと思っている。

たくさんの人に出逢って
『出逢えて良かった』と
言われる人生でありたい。

ちょうど去年の手帳を見ていたら
ひとりでもがき苦しんでいて
悲痛の声が綴られていた。

そんな中でも
過去の私も必死に前を向いて
希望を信じて弱い力で進んでいた。
あのときに楽な道に
歩まなかったことに感謝している。
苦しくてたくさん傷ついたから今がある。

私にしかわからない感情も言葉も経験も
全部私を作り上げている。
だから過去の私もひっくるめて
愛おしいと思えるようになった。

人は完璧じゃないから
少し諦めて生きていく方が
何かラッキーが来たときに
心の底から喜べる。

この東京滞在では
何が起こるのか、誰と出逢えるのか
日々を大切に過ごしていきたい。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?