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特別になりかった、あの頃の私へ。


あぁ、誰にもないものを持っていたいのになぁ。

あいみょんの新曲「愛を知るまでは」に出てくるフレーズだ。主題歌になっているドラマの影響や懐かしいメロディーと相まって、この曲を聞くと、つい数年前までの自分を思い出してしまう。

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前にも少しnoteに書いたことはあったけれど、たぶん私は、ずっと特別な人になりたかった。

そう思うようになった理由は分からないけれど、なんとなく小さい頃から自分は周りとは違うんだと、皆が選ばないことをあえて選んだりしていた。

就職の時もそうだった。みんなが同じ格好をして挑む就職活動の波に呑まれたくなくて、他の人が選ばない進学の道をあえて選んだ。

その時は、農村の活性化という自分のしたいことがあって、それが自分ができる特別なことだと信じていた。

でもそこで、自分には何かを突き詰めて研究するようなことは向いてないことが分かり、結局みんなと同じようなところに就職した。

そして今は、結局同じ職場で働き続け、結婚し、もうすぐ母親になろうとしている。そう、気がつけば、とても平凡などこにでもいる主婦になっていた。

でも今、私はとても幸せを感じている。

当たり前の、どこにでもある、平凡なこの日々こそが、尊くて愛おしいものだと気づいたのだ。

それは毎日、夫と過ごす時間や、自分の子どもに思いを馳せる中で、感じるようになったことだった。

なぁんだ、特別になる必要なんてなかったんだ。自分が幸せを感じていればそれでいいんだ。自然とそう思うようになった。

それはちゃんと進学や転職活動など、やりたいことをやり切ったからこそ感じることかもしれないし、結婚や出産を通じて誰かの特別になれることに満足しているからかもしれない。

理由は分からないけれど、でも以前とは全く違う自分になっていたことに気づいて、とても不思議な気持ちになった。

なんだか、若くて青臭く全力で走り抜けていたあの頃に比べて、今はふっと肩の力が抜けて自然体で生きていけているような。

そんな自分の変化にちょっと嬉しくなった。たぶん、私は今の私が好きだ。

きっと、あいみょんの曲の主人公や、ドラマの登場人物たちは、まだ青臭い青春の中にいるんだろう。だからこそ、数年前までそこにいた私は、懐かしさを感じるのだと思う。

それも大切な時間だった。でも、それを経て幸せを感じている今だからこそ、伝えたい。

特別になりたかった、あの頃の私へ。

無理に背伸びしなくていいんだよ。幸せは目の前の日々の中にあるんだから。さぁ、もっと力を抜いて、楽しく日々を生きていこう。




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