いつもと違う道
息子はいつもと違う道を通るのが好きだ。
毎日往復する保育園と自宅とのルート、私はお迎え担当だから、帰りの自転車の後部座席に乗せると、必ず「ママ、あっちから行こうヨ」と帰宅ルートと逆方向を指してくる。平日は仕事が終わったら即お迎えに走るくらい時間の余裕がないから適当になだめたり、しつこい時は無視したりして大抵は最短ルートで帰ってしまうのだけど、今日は残業なしで上がって、お姉ちゃんはバスで帰ってきてくれる日だし、ほんの少し余裕があったから遠まわりの川沿いルートを走った。
いつもと違う道、息子が好きな川沿いの道。少し陽も延びてきたから、夕焼けの名残でほの明るい空。息子が後部座席から「いい眺めネ、でもくろーい雲があんなにたくさん。賑やかネ」とか言うので笑ってしまった。
黒い雲が賑やかって、なかなかそんな表現しないけど、この瞬間がすぐに流れて消えていってしまうのはさみしい気がして、スマホしか持ってなかったけど記録しておいた(トップの写真)
息子がいつもと違うルートで変なこと言うのは以前にもあって、今日まで忘れていたけど、あれは雨の日で、お迎えもギリギリで、いつも自転車なのに車で行って、お姉ちゃんの学童まで直行するという普段やらないルートだった時。
いつも車ならここを左折するっていう角を右折したとたんに、後部座席のチャイルドシートから「オッ??」というワクワク声が上がり、「ママ、ろまんちっくネ」と言ったので、これまた時間に追われて焦っていた私の心はほぐれた。
言葉の選び方が、事象のサイズ感と合ってなくて、間違いではないけど違和感がすごくて、その違和感はめちゃめちゃ可愛い。
お姉ちゃんに嫌なことされた時とか、何か取られた、我慢しなきゃならない、って時の常套句は「しーらんぺっぺのキュウリ、ナスかぼちゃ」である。これは明らかに保育園で仕入れてきたフレーズではあるけど、息子にとっては最上級の悲しみを表現しているらしく、このフレーズを言うときは涙をポロポロとこぼす。
息子2歳。2歳って、こんなにおもしろかったかな?来月になったら3歳になる。色々とできるようになって、手がかからなくなる安堵感と同時に、末っ子の成長はどこか淋しさもあり、私はまだまだ当面、親馬鹿を卒業できそうにない。
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