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迷子になった美大卒デザイナー


デザインの仕事がしたいのに


最近ずっと自分の方向性迷子だった私。
自分の内側を見直してやっとこれだなと思う活動の核となる自分の価値観にたどり着きました。

Instagramにて投稿



これに気づいた時、
大学でデザインを学んで「デザインの仕事をしたい」とうっすら思い続けていたのに踏み切れずにいたのはなぜ?という長年のモヤモヤが解消されたので今回お話しします。

デザインを学ぶ経緯

現在私はいろいろ経てシングルマザーになり、事務職のパートの仕事をしながら3歳の息子を養い暮らしているんですが独身時代はデザイナー職で、大学は美大でグラフィックデザインを専攻していました。

美大に行きたかった理由は、美術教師の父の影響も大きいですが、単純に絵を描くのが好きで物作りが好きだったからです。

それに大学生活に憧れはあったものの「法学部」とか「経済学部」とか「人文学部」とか
まっっっっったく想像もできないし、そもそも興味も湧かず調べもせず選択肢にもありまさんでした。(みんなそんな難しそうな世界にいけるの凄いなって思ってた)

「自分のやりたいことやる〜!」
という楽観的な理由でほぼ美術系一択。


でも、グラフィックデザイナーになるぞ!とか
イラストレーターになるぞ!とか決まった職業や憧れの人がいたわけではありません。

むしろデザイナーの名前なんて1人もちゃんと知らないような状態で入学しました(お恥ずかしい)。

目指すべきプロの姿


大学生活は総合的に見るととても充実していた記憶。
同じ学科の友人は私の周りに意欲的で優秀な人が多かったです。というか、自分を高めるためにそういう人たちに必死についていこうとしていたかもしれません。

でもね、今だから言えるけど違和感があって、友人間で旬なデザイナーや作品の話題で盛り上がっている時、全然ついていけないんです。
当然知識不足もありますが、熱量の差に引いちゃってお腹いっぱいになってる自分がいたんです。

広告賞の応募のときにも違和感がありました。
大手の新聞社などが主催の登竜門といえるものです。「履歴書に書けるし、就職につながるかもしれない!」という思いもあり、
「プロを目指すものならやった方がいい!」
という認識を当時の私は持っていました。
しかし、ここでも私の熱量はあがらなかったんです。

デザインはアートとは違うとはいえ、人の感性が絡む芸術や音楽の分野で「競う」ということにどうにも私は興味が湧かないんです。
(これは社会人になってから気づきました。)


それから、教授達のいる業界についても
少しずつわかるようになってきた時にも違和感がありました。
当時から違和感があっただろうけれど、それよりも「自分達が目指すところ」という認識でがむしゃらに教授たちの背中を追っていました。
しかし、今思えば自分たちが目指すべき「プロ」の世界が私には入りたい世界に見えてなかったんです。

デザイナーも作品ももちろん素敵なんだけど、
その業界の枠にこだわる必要はあるのか、
その業界以外のデザイナーはなんなのか、
その中に入るのがプロだとしたら、

私はそのプロになりたいのか…?と
ずっと正解探しをしていたんだと思います。

私は、大学でデザインの知識や素晴らしい経験を手に入れたと同時にいつの間にか「プロの定義の呪縛」にかかっていました。


社会でのプロの定義

就職してからはまた違う違和感がありました。
就職したデザイン事務所は、大学で学んだデザインを作る工程と違うやり方でデザイン制作をしました。
私が教授たちから教えられた「プロの考え方」に反していたんです。当時はプロの世界の正解は何かとは考えてなかったし、教授たちからの教えに納得がいっていたので事務所のデザインのやり方が気に入らず、なおさら大学時代に得た「プロの定義」だけが一人歩きしているみたいな感覚でした。
それでもちゃんとクライアントからはお金をいただけるし、実際に物として世にでます。

自分の信じたいプロの世界は私が求めているものなのか。ずっと迷子で、先人たちの正解を自分に落とし込めずにいました。


価値観に従ったプロの姿


ここで私の価値観の話に戻ります。
最近見つけた私が求める生き方につながる価値観がコレです↓

「創意工夫して、自分の力で自分の人生を楽しみたい」


この価値観は、元を辿れば大学に進学する前の
キラキラした何も知らない18歳の私の想いそのままだったと気づいたんです。

自分の身の回りをどれだけ自分の力で楽しめるか、どれだけ工夫を凝らして創造し表現できるか、そのために私はデザインという世界を知って使いたい。

ただそれだけでした。


今まで学ばせてもらったプロたちのやり方は間違いではない。でも私が向かうプロの姿は、何も知らなかった時の私が抱いてた想いそのままでよかったんです。

ただ作るのが楽しくて、描くのに没頭できて、
無いものを生み出したり欲しいものを想像したり、いい感じに組み合わせたりして
ワクワクする人生を自分で創り出せたらよくて、そのためにデザインのプロになれたら面白いよね!

それが正解でした。
その軸が私がなりたいプロの定義を決めるのに
1番重要だったんだと気づき、長年の呪縛から解放されました。

もうデザイナーとして活躍している同級生とは
世間的に見れば差はついているしこれからまたデザインで何かするのはすごく大変。
価値観を土台にこれからまた学び直すことがたくさんあります。でも、そっちの方が人生に納得できそうです。

今、私すごくワクワクしています。





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