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コロナ禍の今、ロンドンで思ってること

ロンドンで本格的な外出規制が始まった3/23から数えて今日が22日目だ。イースターの4連休は昨日終わり、またワークフロムホームな日々が始まった。この三週間は、火・金の週二回のzoomでのチームミーティングでNGOの面々と顔を合わせ、難民メンバーのケースワークサポートをする日々だった。そして、おっさんが外食できなくなったことで、結婚して一番ご飯作りを真面目にした三週間だった。
ロックダウンになって私が思っていることは3つだろうか。
1. 社会が危機に陥った時に、一番被害を被るのは間違いなく弱い立場にいる人たちである、という当たり前のことを目の当たりにしている。
2. コロナ禍は間違いなく世界中のパラダイムシフトを生んでいるけれど、次世界のあり方は”分断”でなく”包括”の世界であるべき。弱い立場に置かれた人、次世界の流れについていけない人、等々で人を差別し、放置するような動きがあるが、そうあってはならない。包括の世界にもっていくためにはやはり政治が大事だということがコロナ禍で否応がなく認識させられた気がする。

3. 個人のレベルで私がすることは、社会を動かす一分子としてプラクティカルな目を鍛え、すべての生きとし生けるものの幸せを願うような精神状態を保つよう自分を整えること。スピリチュアルなことだけでもだめで、起きている事象について適切に批判し行動できる知性も磨く必要があるだろう。


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1に関して言うと、この三週間、難民のメンバーのサポートをしていて、コロナによる二重苦三重苦みたいな状況を多々見てきた。もともと難民申請者のメンバーは住環境、経済環境、精神面、身体面で安定した状況ではない。コロナによって、ホストファミリーから家を追い出されて(家族が帰ってくるから出て行ってくれ等)、明日にはホームレスなんて状況もあった。追い出されても、地方自治体の住宅窓口も人がいないし、住宅チャリティもしまっているから、新たに行く場所もない。出産直後に劣悪な市営住宅をあてがわれたメンバーも、移りたくともニッチもさっちもいかない。また、色んな持病を抱えていたりする人も多く、ドクターストップで外にいけないから、食料が足りなくなってしまった人も何人もいた。

また、隔離生活が過去の拷問やレイプ等のフラッシュバックを引き起こし、精神面が悪化しているメンバーがほとんどであった。
また、子供や若者が学校が休校になったことで、虐待が増えたり精神的にダウンする子が増えていることも報道されている。

もし、これが15年前に起きていたら、と友人が話していたが、当時の私レベルですら、行き場がなくて追い詰められただろう。もし今、日本が欧米なみの自粛を強いていたら、認知症のくず父と暮らしている日本の老母は、ただでさえストレスフルなのに、発狂するかもしれない。


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2. UKは低賃金労働者が大量に解雇され、生活保護を申請する人が通常の10倍いるとされている。コロナで明らかになったのは、グローバリゼーションは我々が思った以上の不確実性をもたらしている、ということだろう。それに対応できるような働き方、仕事を今後人々は追い求めるだろう。日本政府の対応は、低賃金労働に従事しているのは、そもそもリスキーな仕事をしている奴らが悪いといわんばかりの尻尾切りのような気がしてならない。

  
資本主義は行き着くところまで行きついて、学者がbullshit jobsといっているようなホワイトカラーの仕事が高収入を得るような社会になり、人々はそれを当然の給料ピラミッドのように思っているが、それは全く当然でなく、世の中の賃金格差は行き過ぎている(もちろん、このホワイトカラー小エリートの上をいく大富豪も問題だ)。このコロナで益々それが加速するだろう。でも、それを食い止めて、「普通に働けば普通に生活できる」社会でなければならないと思う。今うまくいってない国家の再分配をどうするか、は「政治をどうするか」に繋がるだろう。

私は今、大企業サラリーマンの夫の傘で生活していて恵まれているが、日本が安泰だなんてこれっぽちも思っていないし、大企業も安泰なんかでない。家族の問題もある。今恵まれていても、転げ落ちた家を今までそれなりに見てきたし、実家だってその口である。NGOセクターに就職しようとしていて、そもそもどうやって生き抜こうかと思っていた中、コロナ禍をすぎた世界で私は自分も不安定なのだと改めて思う。

そして、格差がさらに広がった社会で、生まれた環境のせいで子供達の芽がますます摘まれるようなことはあってはならない。


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3. 世の中をちゃんとクリティカルに見られるようにする、と同時に、精神を平和に保つことが必要だろう。ニュースを見ると同時に、社会経済の基礎的文献をもう一度読むとか、原点に帰る必要性を感じる。情報も、一次ソースをきちんとあたることも重要だろう。

それと健全な魂の育成。スピリチュアル的価値観だけが暴走するのでなく、両方のバランスだろうかなと思う。

ということで私は魂と肉体の浄化のために、低糖質ダイエットにチャレンジ中である。

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