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2019年と、この10年の振り返り

(2019/12/31)
2019年もあと3時間で終わる。

2019年が思い通りの年だったかというと、そうでもない。大学院を終えたあとの余裕のある生活ではあったが、精神的に今一つみたいな時もそれなりにあった。また、立てた目標も達成できたわけでもない。でも、今2019年の1年間と、2010年からの10年の視点で振り返ると、いい一年だったと静かに思える。
週3で通っているチャリティで、自分の居場所ができたし、信頼されていると感じられるようになった。書き物については、全く数をこなせなかったけれど、運良く某出版社さんのオンラインメディアで書くチャンスを頂けたのは、嬉しかったし、自分の数少ない「ちょっと良い所」を伸ばしていけたらと思った。そして、記憶に残る、いい旅ができた。ポーランド(アウシュビッツ)、北欧(デンマーク、フィンランド、エストニア)、イスラエル3都市、英国領ジブラルタル。綺麗な景色を見たり、美味しいものを食べるだけの旅行でなく、自分の自明性の領域みたいなものをほんの少し外に広げられた気がした。そして、12月に急遽一週間だけ帰った日本で、キーパーソンと会ってこの一年を振り返り、来年以降の動きを考えたら、亀のような歩みに思えた一年だったけど、それなりに成果はあったのかもしれないと自信がもてたし、来年以降が楽しみになってきた。


2010年からの10年が終わる、と考えると、ずいぶん遠い所に来た気がする。10年前の大晦日は、一つ目の修士号取得のための修士論文を書いていたはずだ。そして2010年に卒業して、入社した。会社はいつか辞めるだろうと思っていたし、まあ最低5年だなと思っていたら、本当に6年で辞めることになって、全く予想外の無職期間が訪れた。入社2年目に東日本大震災と原発事故が起きて、大学院の先生との読書会で、「ついに日本は変わるかもしれない」なんて話していたけれど、思ったほど日本は変わらず(さらに悪化)、私もそのままサラリーマン生活に忙殺されて、たまの読書会でメタな視点で日本を眺めたりできたけれど、他の360日はいかに会社員生活を乗り切るかとそのための休日の過ごし方(バキバキの体をメンテして、大手町を武装して歩くための靴や洋服を買いまくる、そして東京ワーキングウーマンきどって美味しいご飯食べに行ったり旅行する)みたいな生活をしていた。この生活なんか違う、私がやりたいことはこれでない、子供や若者支援をライフワークにできないだろうか、と思い始めてもやもやしていた時に、家族のロンドン転勤の話が来た。転機だった。


2010年の自分に比べて今の自分は、人生の目標が明確に定まって、余計なものが(割と)そぎ落とされたような、すっきりした感じがある。特に何かに秀でているわけでもなく、生産性が特段高いわけでもなく、また、たくさん苦手なことがあるのも知っている。でも、ちょっとだけ得意なことや他人と違う感性や思いみたいなものを、ありったけ集めて磨いたら、私というオリジナルでスペシャルな存在になれるような気がしている。昔はエリートみたいなものになろうとしていたのだけど、そういうのは違うとよくわかった10年だったし、エリートじゃない人が輝ける世界に魅力を感じるので、私はもうこのまま世の中が考えるような”正道”を外れ続けるつもりである。

イギリスに来てからの3年余りを長い修行、と思っていたけれど、もっと大局観でみればこの10年こそが長い修行だった。

2020年。子年、かつ庚の年。庚辰の日生まれなので、ダブルの意味で年女だ。どんな1年、どんな10年になるのか。腹くくって、進もうと思う。

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