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難民支援NGOでの小旅行 - 最終日

(2019/11/30)
朝9時、エクササイズの場所にはレイ、エミリー、アナ、Wと私しかいない。昨晩遅くまで宿題をやっていたCRはベッドに入ってから、我々スタッフの隣の部屋でOと女子トークみたいなのをずっとしていたので(彼らはフランス語でずっとしゃべっていたから)、多分こないかなと思ったら、やはり最後まで来なかった。

エクササイズを終えて、ちょっと外を歩こうとアナが提案する。Wは珍しく来ない。我々4人だけでちょっと散策する。アナが、昨日のWの言葉を思い出すという「こんなに広い場所があるなら、難民を住まわせればいいのに」と。みんなそれぞれ、何年も何十年も難民申請許可が下りるのを待っていたり、時に収容所に入れられたことのあるメンバーのこと、彼らの苦難を思い出す。

リビングに戻ると、CRもCもOもいる。朝食には卵が必要だとCがいい、何個卵が必要なのかとアナが聞く。え、全部使うだろ?とC。レイがスクランブルエッグを焼き始める。そんなに卵食べたら鶏になるよ、とレイが冗談を言う。アナが、人間以外の好きなものになるとしたら私は魚かなーといい、CRも魚だという。アナは、こういう類の質問が好きだ。Cはお金といい、一同驚く。お金になってもそれはお金持ちって意味ではないじゃん!笑 出来上がった大きなスクランブルエッグをCの前に置くレイ。俺の前に卵置くと危険だぜ、とCが言うから、すかさずCRが卵のプレートを取り上げる。

セッションの前に、シーツを片付け、ランチの前の大掃除が楽なように、できるだけ残った食材をまとめる。
今日の昼はそんなに料理する必要ないと、アナがいう。確かにファラフェルもまだあるし、CRの豆のシチューもある。ナスとかぼちゃをオーブンで焼いて、ケールと玉ねぎを炒めたもの、そして残りのサラダを付け合わせに決める。アナは焼いたナスに醤油とハニーを合わせたものを上にのせている。彼女は醤油大好きらしく、日常使いしているとのこと。アナの家の話しを色々聞く。life historyはいつだって非常に興味深いものだ。どうやってアナが作られていくのか、の過程に触れた気がした。私も楽器の話のタイミングで、家の話をする。実家の話はそれなりにRでしてきたけれど、母親が5歳まで飛行機にずっと乗っていたため、いきなり家に戻ってきてもうまく関係が築けなかったこと。父親が腐敗していく過程、経済環境の悪化、20年以上もの不安定な環境が母親に、現在に至るまでずっと強迫観念的にお金を使わない生活を強いていること。さらには自分の娘が子供を持つことも反対していること。アナがまりこは子供が欲しいか聞いてくるので、いや今は欲しくないと答えると、アナもそうなのだという。それは意外だった、自然をこよなく愛す彼女は、自然の営みとして子供が欲しいとおもっている思っていると勝手な偏見で思っていた。彼女も、イタリアの状況、世界の情勢を非常に憂いているらしい。イタリアは就職難で彼女の周りのイタリアにいる友達は、なかなか就職できていないという。野菜をオーブンに入れている間、今回のRetreatの日誌を書く。これはお金を出してくれたfunder宛のためだ。


セッションが終わり、野菜が焼けて、ランチとなる。ファラフェルを食べて、野菜ももりもりたべて、この3日間の在庫一掃キャンペーン。昨夜アナが作ったクスクスのサラダがまだ結構残っているので、Cがレイに勧めると、レイが「クスクスはinnocentなように見えて、腹のなかで爆発するから」というから、みんなゲラゲラ笑う。クスクスがinnocent、というのは妙案だ。「まるで昨夜のOのようじゃないか。イノセントに見えて、大嘘付き!」と話し、みんなそうだそうだという。結局昨日のゲームはどういう終わりをしたんだっけとみんなで振り返る。一番の嘘つきは、O、次がエミリー、そして私だと。まりこもしれっと嘘をついていたというから、いやいや私は8割は正直だったよと言う。これからクスクスは秘密の言葉だと、Cがいう。innocentだけれど、実は・・という時に使うと。またみんなでゲラゲラ笑う。


協力して皿洗いと掃除を済ませ、食料をわける。大きなスーパーの袋に余った食料をつめていたCRが、まるでケントまでショッピングに来たようだと言う。宿に分かれをつげて、管理人さんに写真を撮ってもらう。集合写真は時計台の前(Cが”Big Ben”と名付けた)で、一斉にジャンプして撮る。モデル気取りのCは、側に止まっていたケータリングの派手な車(全くRetreatと関係ない)と一緒に写真を撮りたいとレイに頼んでいる。
駅まで続くぬかるんだ小道を荷物を持って歩く。Wと途中から一緒になり、スーダンの話を色々聞く。初日に我々が習ったスーダンダンスは、結婚式とか色んな特別な場面で踊るらしい。結婚式は何日も続き、しかも夜通しらしい。その代わり、出入りは自由だとのこと。いやー私だったらどっかで寝るな、と言って二人で笑う。見たことないスーダンの結婚式に思いをはせる。

帰りの電車の中で、エミリーがどの瞬間がハイライトだったかと皆にきく。OがBullshit gameだったという。
CRがまりこの誕生日もよかったといい、皆で動画を見る。Cが、すごい短かったけれど、たくさんのことをして、一つに絞れないと話す。皆、心地よい満足感につつまれていた。
アナがゲームをしようといい、連想ゲームをする。お題がRetreatに関係あるものだったりすると、ああ、やられた、という感じになる。例えばcで8文字とか(クスクス)。

ロンドンに戻ってきた。本当にあっという間だった。ゆっくり休んでね、また明日・また来週、といって別れる。

ロンドン・オフィス街の喧騒の中に立つと、この3日が嘘のようだ。

帰ってブーツやスーツケースの泥を落としてお風呂に入ろう。


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