私のやめとま話

料理店を営む私の唯一の楽しみは、仕事が終わって帰宅後の“ひとり宴会”です。

遅い時間に食事と大好きなビールを飲むのが日課となっています。

ところがこのビール、どうやら私の肥満の原因になっていたようです。
　
毎年春に行う人間ドックでは、検診後に先生から「食生活の改善」を求められます。「あなたの場合、肥満気味だからもう少し早い時間に食事をして、ビールは控えた方が良いよ」とのアドバイス。えーっ!ビールをやめるなんて出来ません。よく冷えたビールを喉に通すあの爽快感、おつまみ仕様のおかずを口にしたあとのビールのほろ苦さが食卓にメリハリをつけてくれます。ごくごく飲むハイスピードのビールは体中にしみ渡り、ゆっくり泡を見ながら飲むビールは今日一日を振り返る至福のひと時です。ビールのない生活は考えられません。ただし、私の場合「酔いが回る」ほどの量を飲むのではありませんから、娘曰く「お母さんは、炭酸飲んでいれば良いのよ」。でも私にはビールの味が必要なのです。

ではどうするか、そこで熟慮の末に登場したのが、カロリーゼロ、糖質ゼロと良いことずくめのノンアルコールビール。飲み始めると結構美味しくて、「飲んだ気」にさせてくれます。冷蔵庫はいつの間にか本物のビールから偽物？のノンアルコールビールに取って代わっています。
高カロリーのビールからノンアルに移行して１年が経過したとき、ドックの先生から「おや、去年より体重随分減ったね。」「先生、私ビールやめられなくて、ノンアルビールに変えてみたら体重減ってきたんですよ」「ノンアルか、ダイエットにいいんだね」。ダイエットに良いと新発見のおまけまで付いて、ビールをやめられない私の、ノンアルビールに妥協したとまらないビール話でした。