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悲観主義は気分によるものであり、楽観主義は意志によるもの

アランの『幸福論』にある有名な言葉です。

この言葉は私の活動への戒めでもありますし、希望になる言葉でもあります。

しかし、意志をもつ、保つということは中々大変です。

それにひかえ、気分というのは大して努力もしなくても、なんらかの要因で、受動的になんらかの気分になってしまいます。

トランプの選挙選の扇動の仕方をみていると、これを利用していることが多いようにみえます。

根拠のない決めつけで脅して、現実や未来を悲観的な気分にさせ、そういった状態を救えるのは「自分しかいないんだ、俺についてこい!」と力強さをアピールします。
こういう姿にどれほどの人が勇気づけられるだろうかと思います。

まさにヒトを悲観させ、そこから聞いている人に希望を与えるという形です。

これは、スピーチを訳していても、そう言った形が多いです。
だから訳していて、私は楽しい気分になります。

どれだけ今までの政権はひどかったか(実際数字で比べるとそれほどトランプ政権と変らないし、寧ろ前政権のほうが良い場合もあるのですけどね)、バイデンはひどいヤツだ、あいつが大統領になったら米国は悲惨になる、中国にやられる、主流メディアは嘘ばかりというように、ただただディスるのですね。
事実かどうかはこの場合関係ありません。

そして、聞いている方は、そうなのか、このままではヤバイと悲観的になっていきます。
そうなったらしめたもの。

この状態から高揚させ、これを救えるのは自分しかいないんだ!いう感じで、アメリカファーストを語り、まるで救世主のように強さをアピールします。そして最後は、皆、なんとも言えない高揚感と希望で満たされていきます。

時にはエアフォースワンからスモークを焚いて出てくるド派手な演出をしたりしてね。

これはさすがだなあといつも思います。

私は、これが必ずしも悪いことだとは思っていません。

ただ、私がトランプについて不安になるのは、彼の裏の顏には、倫理感、ノーブレスオブリージュというものがないということなんですね。

だからこそ、トランプは既成概念を壊すことができるでしょうし、ぐいぐい片づけることができるのだろうと思います。

しかし、大統領たる最高指導者が、倫理観、ノーブレスオブリージュという感覚がないまま力をもっていくとどうなるのでしょうか。

私には最後にはカオスしかないように見えてしかたありません。

一方、バイデンは、欧米社会のエリートならではのノーブレスオブリージュという振舞いや考え方が訓練されています。
でも、トランプのような力強さがないので、その辺は物足りなくなるでしょうし、現状を打破するエネルギーがあるか?といえば心もとない感じもします。持ち前の頭脳と人を敵にまわさない人徳で乗り切れれば良いのですが。

いずれにしても米国民が決める大統領。

日本人は、それに上手く対応していくしかありません。

おそらく自分の利益のためにしか動かないトランプは、日本にとっては、相当構えていかないと厄介な存在になる可能性は大きいと思いますね。

単純に考えれば、トランプに何らかの利益があれば容易い相手ではあるとは思いますけど、一旦自分にとって役にたたないとなれば,相当大変な状態になるでしょう。日本がスネオの様にならないよう祈るばかりです。

菅さんはしたたかそうなので、私たちは、日本は大丈夫と意志をもって楽観的になりたいと思っています。



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