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お掃除から見えた「道」のようなもの

ちょっと前にパートを始めた。
職種はお掃除とか家事代行をするサービスレディのような感じ。
色々なお宅に伺い、水回りやリビング等々を文字通りピッカピカにする。

私は子供の時からずっと掃除が嫌いだった。
たまに「片付けられない人」とか「汚部屋」が
テレビのネタとして出ているのを見ると
いたたまれず、スッと目を逸らしてきた。

それを反省して、という意味もあるし
今後のことを色々考え
それまで事務職で1日中ほとんど座ってPCに向かっていたけれど
あえて対照的な業務を選んだ。

いざ、始めてみると目から、鏡から、ウロコが落ちまくった。
本当の掃除ってこういうことなんだ!と驚愕している。
商売用の技術については詳しく書けないけれど
一番大事なことは「汚れを汚れとして認識する」能力だと思う。
ここまで誰も見ないよ?という、全ての箇所を確認するし
正面だけではなく斜めや裏からも凝視してカビや水垢を見つける。

そして、教えてくださる先輩方の情熱がとにかくすごい。
研修初日に色々と教わっているときのこと。
「掃除と言うものは…もう語り始めると奥が深くて…」
気持ちが熱くなったのか話が止まり、沈黙が訪れたが
「まあ、長くなるのでね」
と話題が変わり、その後とうとう掃除については語られることはなかった。
きっと、数十分や数時間では語ることができない「道」があるのだろう。
彼ら・彼女らはどんな隅っこやどんな裏側の汚れも見つけ、
完璧に磨き上げ、淡々と次の現場に向かう。

真面目に掃除をしてこなかった身としては、
その背中がシンプルにかっこよくて眩しい。
さらに、何にでも影響を受けやすい性格も相まって
私の掃除に対するやる気とスキルは格段に上がった。
我が家のお風呂が、キッチンが、リビングが、徐々に綺麗になっていき
家族が本気で驚いている。

そういえば料理教室ってよくあるけれど
掃除教室ってあまり聞いたことがない。
私のように掃除を習ったら、掃除に目覚める人も
案外いるかもしれない。
掃除教室ができるくらいまで、頑張ってみようと思う。


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