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年下の彼との別れ

ドライブへ行こうという彼の誘いに、一抹の不安を抱きながらもそれを受け入れました。

大分県にはいくつか有名なドライブスポットがあるのですが、特にわたしがお気に入りなのは田ノ浦ビーチ。

ビーチとして夏には家族連れやカップルで賑わいながらも、併設されている公園でお散歩をしながら夜景と夜空を楽しむ事が出来るので、デートに最適な場所です。

付き合って間もない頃に、彼と一緒に腕を組んで歩いた事が記憶に新しい。
今回は腕を組むことなく、公園を歩いてベンチに座りました。

他愛のない話からだったのか、正確には覚えていませんが、確かに告げられた別れの言葉。
何となく、分かってはいましたが反射的的に涙が溢れて、言葉になりませんでした。

どうにか落ち着いて、理由を聞いたら「タイプじゃなかった」って、言われたのもショックでした。
無理して付き合ってたのかとか、そもそもタイプじゃない女と付き合えるのか、とか。

とうてい納得できない理由に、別れを拒むことも出来たかもしれないけれど、やっぱりわたしは彼が好きなので、受け入れる選択肢しかありませんでした。

負け惜しみに「好きだけど愛してない」なんて、訳の分からない捨て台詞で、彼の気持ちを受け入れました。

帰りの車中はとても静かで、彼の顔をまともに見ることが出来ませんでした。
家の前について、彼の車から降りようと思ったけれど、気持ちに踏ん切りが付かなくて最後にキスをお願いしました。

困っている彼の様子を見て、申し訳なくなって降りようとした時に、彼は最後のわがままを聞いてくれました。
触れるだけのキス。一体どんな気持ちでキスをしてくれたのか、今では分かりようがありません。

人生で初めて好きな人と付き合った3ヶ月間。
このキスを最後に、恋を求めながらも実らない日々を過ごします。

彼はわたしに、とても大切な事を教えてくれました。
好きな人と過ごす喜び、相手を理解しようと努力すること。(当時は出来ませんでしたが)彼のおかげで快感だけを満たす行為に魅力を感じる事が無くなりました。

そしてまた、大きな傷も負うことになりました。
その傷を自覚したのはごく最近です。恋で負った傷を癒す方法は新しい恋をするのが一番なんて。
在り来りなのかもしれませんが、本当にその通りで、負った傷を自覚した上で、わたしは素敵な人に愛されるのだと信じる事が出来たとき、今の彼の愛情を受け入れる事が出来ました。

わたしの経験が誰かの一歩を踏み出す勇気になるように、これからも書き続けます。

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