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【行動変容】良い習慣を続けるには【学びの共有】

こんにちは。ドクターメイト株式会社他でカスタマーサクセス(CS)のお仕事をしています、Mariko Okamotoと申します。
突然ですが、あなたは「健康になりたい」「勉強習慣をちゃんと作りたい」「痩せたい」「〇〇になりたい」・・・というように、自分をアップデートするために何かに取り組もうとしたことはありますでしょうか?
やってみたけど続かない、痩せたけどリバウンドした、そのまま続いてやらないと気持ち悪いくらいになった・・・

そのようなことをすべてひっくるめて「行動変容」に取り組んだといえます。

思えばわたしは「行動変容」を軸にお仕事と学びを深めてきました。

看護専門学校卒業後、看護師として病院勤務。看護師として取り組んだのはもっぱら退院支援。病気と付き合いながらもその人らしく生きていけるように、退院後の生活を患者さんやご家族とコミュニケーションをとりながら調整に奔走しました。
その後、健康管理支援アプリの中の人としてtoC向けに顧客支援(toCのカスタマーサクセス)。現在は医療介護系スタートアップでCS Operationsとして勤務しています。
看護学校の卒論のテーマは「行動変容」、編入した大学の卒論も「行動変容」、お仕事もテーマこそ毎回変わりながらも一貫して行動変容に取り組んできました。

行動変容というのは何なのか。
良い習慣を続けていくために、支援者は何を思いどのように伴走するのか。一人で新しい習慣を作っていくためにどうしたらいいのか。
私が少しばかり経験してきたことを、今回テキストにまとめてみました。もしよかったら読んでみてください。


そもそも行動変容とは「行動を変えること」

行動変容というと固めの漢字四文字が並びますが、「行動を変えること」を指します。それは行動という広いものすべてを指しており、「車通勤を自転車通勤に変える」「カップラーメンを食べていたのを野菜に変える」「0時に寝ていたのを23時に変える」「一番近いスーパーに買い物に行っていたのを2番目に近いスーパーに変える」…など、どんな行動も変われば行動変容にハマると言えます。
その中で、どのくらいの行動が変わったまま続いていますでしょうか?
・自転車通勤に変えてみたけど早起きが無理で断念
・野菜多めの食事にしていたけど在庫が尽きてから一気に面倒になりカップラーメン生活に戻る
・ランニングを始めたけど辛すぎて1日で終了
ドンピシャでないとしても、似たようなエピソードで心当たりがある方は多いと思います。

人間は基本的に易きに流される生き物です。それはその人自身の根性の問題というより、もとよりそういう生き物である、もっといえば生き物である以上どうしようもない習性でもあります。

そして、人間は長期的な視点と短期的な視点で価値を推し量るのも苦手です。
有名な実験で「マシュマロ実験」というものがあります。

4歳の子ども186人が実験に参加した。被験者である子どもは、気が散るようなものが何もない机と椅子だけの部屋に通され、椅子に座るよう言われる。机の上には皿があり、マシュマロが一個載っている。実験者は「私はちょっと用がある。それはキミにあげるけど、私が戻ってくるまで15分の間食べるのを我慢してたら、マシュマロをもうひとつあげる。私がいない間にそれを食べたら、ふたつ目はなしだよ」と言って部屋を出ていく。

子どもたちの行動は、隠しカメラで記録された。1人だけ部屋に残された子どもたちは、自分のお下げを引っ張ったり、机を蹴ったりして目の前の誘惑に抵抗した。小さな縫いぐるみのようにマシュマロをなでたり、匂いをかぐ者もいた。目をふさいだり、椅子を後ろ向きにしてマシュマロを見ないようにする者もいた。映像を分析した結果、マシュマロを見つめたり、触ったりする子どもは結局食べてしまう率が高いこと、我慢できた子どもは目をそらしたり、後ろを向いたりして、むしろマシュマロから注意を逸らそうとする傾向があることが観察された。すぐ手を出してマシュマロを食べた子供は少なかったが、最後まで我慢し通して2個目のマシュマロを手に入れた子どもは、1/3ほどであった[2]

ウォルター・ミシェルの娘も実験に参加した一人だったが、娘の成長につれ、ミシェルは実験結果と、児童の成長後の社会的な成功度の間に、当初予期していなかった興味深い相関性があることに気がついた。そして1988年に追跡調査が実施された。その結果は、就学前における自制心の有無は十数年を経た後も持続していること、またマシュマロを食べなかった子どもと食べた子どもをグループにした場合、マシュマロを食べなかったグループが周囲からより優秀と評価されていること、さらに両グループ間では、大学進学適性試験(SAT)の点数には、トータル・スコアで平均210ポイントの相違が認められるというものであった。

Wikipedia「マシュマロ実験」

マシュマロ実験でわかるとおり、15分待てば確実に2個手に入るという得が約束されている状況でも、目の前の利益を優先してしまうのが人間のサガと言えます。

ぶっちゃけ「いい行動」を続けていくには

先に結論を申し上げると「目標に応じたやりたいことを自分のライフスタイルに合うやり方に成形すること」です。
が、ここでは「目的に応じたやりたいこと」と「自分のライフスタイルに合うやり方」というように、もう少し細かく分けて考えてみます。
(自分で考えるプロセスと、支援者が考えるプロセスは大まかには同じです。)

目標に応じたやりたいこと

やりたいことは「何かを目標に設定して、それをかなえるための方法」です。目標というと仰々しさもありますが、「よりよい条件に転職することを目標に、資格取得をマイルストーンに勉強をする」ということもあれば「楽しい気分を味わうために、前から興味があったフラダンスを習い始める」というような気分や嗜好のものまでさまざまです。
例えば「痩せたい」という一言に対しても
・なぜ痩せたいのか
・痩せたらどうなっているのが理想なのか
・誰かに例えるとしたら誰が理想か
・痩せるの基準は体重なのか体型なのか
・いつまでに叶えたいのか
・食事と運動が基本だが、どこから手を付けたいと考えているのか
など掘り下げる余地があり、そこからやりたいことの輪郭をはっきりさせていきます。

自分のライフスタイルに合うやり方

自分のライフスタイルというのは、一日や一週間のルーティンだったり、過ごし方、流れを指します。ライフスタイルは年齢・仕事・家族構成・体質・体調・嗜好などあらゆる要素があり、人によって異なります。

例えば・・・
①40歳・小学生の子供2人と夫の4人暮らし・フルタイム勤務・普段の育児ワンオペ
②25歳・一人暮らし・フルタイム勤務・残業が多く始発終電生活
③68歳・夫婦二人暮らし・自営業・時間の融通が利く
という3人を上げてみました。
この3人が新しく何かを始めるとして、どのタイミングに差し込めるでしょうか?
それでは少々ざっくりな問いかけで、仮に答えるとしても「それは何を叶えたいのかによっても、各人のライフスタイルによっても違う」というあいまいな回答になってしまいます。

目的に応じたやりたいことを、自分のライフスタイルに合う形に成形する

では、②の人が、時間に余裕のある仕事に転職したい!という目的を叶えるためのやることを決めるのだとしたらどうなるでしょうか。
時間に余裕があるとは?→残業が少ない仕事
残業が少ない仕事としてあなたが考えている候補→職種は〇〇
仮に〇〇になるとして、何をやる必要がありそう?→△△の勉強
△△の勉強ができるようになったと思う基準は?→××の資格取得
いつまでに××がほしい?→転職を半年以内にしたいから、3か月以内
三か月以内に××を取るために、まず何が必要?→参考書を買って、勉強
勉強するならいつする?→電車の中ならできそう
毎日やる?→今週は週4で

では、②の人がまずやるのは「通勤電車の中で週4日勉強」
というようになりました。
(本当はもう少し具体性を持たせますが、ここではいったんここまで)

やみくもに帰宅後眠い目をこすって勉強をするより、少し現実的で具体的な目標になりますね。

続けるより難しいこと「問題と向き合う」

「良い習慣が続かない」というのは支援者をしているとよく聞く悩みです。が、個人的にはいい習慣を続けることよりも「そもそもの問題に気が付く(向き合う)」ことの方が難しいと感じています。
行動変容モデルでいう「無関心期」の段階です。

無関心期は6か月以内に行動を起こす意欲がない状態
支援者としては、問題に気づき、動く意欲が湧き、具体的な準備を進め、実際に行動に移る、という具体的な目標を置きつつ、様々な形で支援をします。
行動に繋がるまでには「問題に気づく」「問題解決の準備をする」というステップがあります。一足飛びに行動を起こせるかというと、なかなか難しいのが正直なところです。行動のためには、まず問題に向き合うことが必要です。
そこで支援者は問題に向き合えるよう関わるのですが、実は問題にまったく気づいていない場合はそんなに多くなく、気づいているものの向き合う気がない(行動を変えたくない理由が勝っている)ことの方が多いと感じています。行動を変えたくない心理を「現状維持バイアス」と言います。

相手が現状維持のトークをしているときに無理に行動を変えるのを薦めても、ほとんどの場合うまくいきません。ただ、現状維持と行動を変えたい気持ちは大抵揺れ動いていて、過去の失敗経験や嫌な気持ちになった経験が現状維持を促進していることがあります。
そこで大切なのは「①相手の話を聴くこと(受け止める)」「②聴いた話を繰り返し、認識を合わせて整理すること」、タイミングをつかんだ時に「③許可を得て、情報提供すること」です。
基本ともいえますが、聴くのは技術でもあります。相手の話を正確に聴き、聴いたことを繰り返しながら認識を合わせ整理をする。タイミングを見て許可を得て情報提供を行うことで、積極的に関わる。

上記は動機づけ面接というコミュニケーション方法にも出てくる内容です。動機づけ面接を学んだ時に、相手のためになる自分のかかわりに出会えた実感が持てました。動機づけ面接は医療系で出会うことが多いですが、医療者以外も広く学べる機会があるといいなと思っています。


本質的な支援、一緒にしませんか?

顧客第一に、顧客のためになることを全力でやっていくのがカスタマーサクセスの役割。その本質は、看護や医療の本質とも通じる、親和性の高い役割だと思っています。
カスタマーサクセスの仲間をまだまだ募集しています!興味を持っていただいた方、下記までどうぞ🙌


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