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読書会のススメ:本読みの場が、トランジションをサポートする

ここ数年、新任マネージャーと読書会をしている。新しい役割に挑戦し課題を越えていくためには、経験上、最低限の知識と内省の場、そして仲間が必要だ。

また、それぞれの事業部のミッションを背負うマネージャーは、時に利害が対立してぶつかる。健全なぶつかり合いがよりよい第三の道を切り拓くと思うから、きちんとぶつかれるための信頼の土台を築いておきたい。

ということで、最低限のマネジメント知識のインプットと、仲間との関係性づくりのために、読書会を始めることにした(内省のためにはコーチをつけているので、この機能はここでは持たせない)。これが、なかなかどうしていい時間なので、どんな風にやっているかガイドラインを紹介してみる。

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まず、読書会の「目的」

◯目的:
1,お互いの考え方や価値観を知り、良いチームになる
2,マネジメントに必要となるノウハウをインプットする

2つの目的を置いている。よって、読む本はマネジメントに関するノウハウ本に限定されず、その人の考え方を問うようなものも大歓迎だ。実際に、流行りの映画を観に行って、日本の女性活躍について議論した会もあった。価値観が顕になり、仕事でその人がとリがちな行動の背景がよく理解できた。

次に、読書会の時間に「やること」を明示。いたってシンプル。

◯やること:
・課題本を読み、ディスカッションをする
・読むのは、気になる一部だけでも良い
・感想、みんなでディスカッションしたいこと、明日から活かせること、を共有する

忙しいみんなが集まれ、且つ集中可能な時間として1時間半に設定している。多様な意見が出て盛り上がりつつ時間内におさめるためには、今のところ4~5人がちょうどよい。

また、読むのは一部でも良いことを宣言した。完璧を求めないのが長続きするコツだと思う。

毎回オーナーを決めておき、オーナーが課題本と読書会の場所を指定する。自分では読まないような本に出会えるのも、普段行かない場所に出向くのも楽しい。仕事から離れて思考の枠を広げるため、必ず社外に出ることにしている。ちなみに、これまでに一番盛り上がった回は、ハワイ風のカフェに行った時かな。

最後に、安全な場になるようにグランドルールも設定している。

◯グランドルール
・聴く。正解は無い
・話されたことはこの部屋内のみ
・明日から1つ試してみる「学び」を宣言

自分の行動パターンについて、過去の失敗体験が吐露されたり、価値観をゆさぶられた話に及ぶことがあるから、守秘を約束し安全の場を作る。そして、せっかく時間を使うのだから、何かひとつアクションに落とすところまでをルールにしている。

と、ガイドラインはここまで。

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昔読んだトランジションで有名なウィリアム・ブリッジズの本には、過渡期を乗り切るためには、3段階あると書いてあった。

第1段階……何かが終わる
第2段階……ニュートラルゾーン
第3段階……何かが始まる

曰く、第2段階のニュートラルゾーンをきっちり過ごしてこそ、第3段階に勢いよく進めるのだと。空中ブランコでいったら、前のブランコから次のブランコへ向けて、手を離しているかのような不安定なニュートラルゾーンにいる新任マネージャーたち。この読書会が、終わりを整理し次に向かえるよはうなはずみをつける場所になっていたら、これ幸いだ。

ほれ、みんな、がんばってね〜(他人事😋)

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