虹色のきものをさがして
私が産んだのは,かぐや姫か何かなんだろうか。
「7歳の七五三,こんなのはどう?」
娘の目の前に広げたのは,何日か前にネットオークションで一目ぼれして深夜に競り落とした反物で,白地に大きな鶴が飛び立っている意匠のクラシカルなもの。モダンな感じが,はっきりした顔立ちの娘にとてもよく似合うと思った。
ところが娘は一瞥するなり「とりは,ちょっと」と難色を示した。いろも,しぶいし,と付け加える。
「え?ダメ?素敵だと思うけど?」そういいながらも全く提案になびく気配のない娘の様子に私は