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中学受験はしたほうがいいですか?への回答

こんにちは。中学受験生を教えて10年以上のまりかです。

私自身も都内で中学受験をしました。一応中学受験経験者なら知っているであろう学校に6年間通いました。

今回は以前TwitterのDMでいただいた「中学受験ってしたほうがいいの?」という質問の回答を一般化して公開したいと思います。
※個人情報なしであれば公開OKとのこと了承済です。

こちらのマガジンではいろいろ教育について語っています。


1.中学受験を最近耳にするけれど…


ご相談の内容
・親は中学受験の経験なし
・中学受験についての情報収集はこれから
・塾には通わず通信教材をやっている
・子供は勉強は嫌いじゃない方
・周りと話していると中学受験のことを耳にしていて気にはなるがそもそも受験をする必要があるのか(したほうがいいのか)わからない

こんなご家庭、多いのではないでしょうか?

小学3、4年生になり、中学のことがちらつき始める。
周りの友達が塾に行き始めたとか噂が聞こえてきたり。
やるなら早いほうがいいんだろうか?
でものびのびとさせたい小学時代に塾に通って振り回されるのは可愛そう…
でもスタートダッシュに乗り遅れたら…

なんてもやもやされているかた、いらっしゃいませんか。


そもそも中学受験ってしたほうがいいの?

「あなたのお子さんは絶対にすべきだ!」

ド━━m9(゚Д゚)━━ン!!!

と笑うセールスマンばりに言い切られたほうがきっと安心することでしょう。

ごめんなさい。私はそんな無責任なこと言えない。

お子さんの成績
お子さん自身がやりたいと思えるかどうか
成績的に行ける学校の選択肢
通学範囲内にいいなと思える学校があるか
どのレベルまでなら私立に行かせたいかという両親の方針
6年間の学費が出せるか
中学受験までの家庭のサポートができるか(金銭しかり通塾支援しかり)

などそれはそれは様々な条件によって変わるからです。

なので私から一律に良い悪いとお答えはできないですが、以下そのヒントになればと思います。

中学受験とは、をまず知ろう

中学受験、ってとても独特な世界。

誰もが通る道ではないのでご自身が経験してないと右も左もさっぱり、って感じですよね。

まずは全体感を把握しましょう。

①今人気の中学受験漫画「2月の勝者」

漫画ということもあって導入にはピッタリ。家族みんなで読んでみてもいいかもしれません。中学受験の真っ只中を生きている人間としてもとても描写がリアルです。

漫画は11/15まで無料で3巻まで読めます。(Webブラウザ限定)

ちょうど今期(2021年秋)ドラマが始まっています。柳楽優弥さん主演。

②コラムを色々読んでみよう

子供の頃中学受験をしたパパママでも、その頃と時代はかなり変わっています。先入観を持たず色々「今の中学受験」について知ってみると良いと思います。

・中学受験に我が子は向いているのか?と思ったら

・偏差値の高いわけではない私立に通わせる意味があるのか?

・朝日新聞

・中学受験のリアル

中学受験のメリット

私自身も中学受験をしてきて、中学受験を長年サポートしている私の立場から中学受験のメリットをいくつか述べようと思います。

・高校受験をしなくていい
まず、高校受験をしなくていいということ。高校入試ではその時の成績で受けられる高校が限られたり、内申がウェイトを占めることで内申(先生にいい評価をしてもらう)をどうしても意識した中学生活を送らなければなりません。一方中学受験では完全に実力勝負です。そして受けたいところを自由に受けることもできます。

・6年じっくりなにかに専念できる
それに入学すると6年間は受験がありません。3年毎の受験のための勉強で時間を使ってしまうのではなく、6年間かけてじっくりと勉強や部活に取り組むことができます。

・頑張ったという自信
また、この時期に必死に頑張ったということは今後の長い人生での自信にも繋がります。結果がどうであれ、なにかに向かって必死に頑張ったという経験は今後何か別のことに向かって進んでいく時の自信になります。

・中学受験で学ぶことは無駄ではない
また、中学受験で学ぶ内容は一部中学受験独特の考え方はあるもののこれからの勉強にもとても役立ちます。頭を使って考えたことは量をとっても質をとっても、いまだに役立っているなと日々感じます。たとえ中学受験で希望の中学に受からず公立に行ったとしても、その経験は今後の糧になると思います。

・都心において受験は増加傾向
中学受験をするお子さんは年々増加しています。特に東京ではなおさら。そうなると(東京において)公立中に進む子は「中学受験をしない子」が残ることになります。
※受験をしないご家庭が悪いとは全く思いませんが※受験をして国公立や私立に行った子たちがごっそりと抜けることになります。

親が子供にやれることは「環境整備だけ」

とよく言われます。私もまさにそのとおりだと思います。こう育ってほしいな、と思える環境に子供の身をおいてあげる、でも無理強いはしない。それだけです。

中学受験のデメリット

メリットあればデメリットあり。両方ともお伝えしておきます。

・お金がかかる
6年間の学費はもちろん、中学受験の準備としての塾やら教材やらあれよあれよと飛んでいきます。

・親のほうが病むことも(別途note書きます)
子供にきちんとした環境を与えなければ!と意気込むばかり親のほうが加熱して子供が置いてけぼりになることも。子供の成績で一喜一憂したりメンタルが不安定になったり、そのしわ寄せがなぜか子供にいったり。強靭なメンタルが必要になります。なんとかなるさ、中学受験がだめでも死ぬわけじゃないし、と思えるくらいでない限り結構厳しいかも知れません。

・勉強が嫌いになることも
これも親が不安定になったり過剰になることが原因ですが、子供に合っていないのに無理強いする、あるいはテストの結果で過剰に叱責することで本来楽しいはずの学びが苦痛なもの、になってしまいます。

・どうしても合わない子もいる(別途note書きます)
12歳というのはまだまだ子供の成長にばらつきがあります。とにかくたくさん勉強したから合格するというものではありません。それはその子が悪いのではなく、違いがあるだけ。子供がはいはいしたりトイレができるようになるのにばらつきがあるのと何ら変わりはありません。詳細は別途書きますね。

・偏った世界になる
これは私が卒業して痛感しました。今まで特定の人が集められた世界でしか生きていなかったのだと。自分の常識を遥かに超える人がこの世に存在しているのだ(いい意味でも悪い意味でも)と衝撃でした。

私立は子供の教育に意識の高い家庭が集まっている、ともいえるし、かなり偏った世界で人格が形成されてしまう、ともいえます。

ちきりんさんは、世の中には色んな人がいると知れた公立中学時代が自分を形成してとてもいい経験だった、と振り返っています。確かに多様性を知るという意味では公立ってすごくいいですよね。でも「それはたまたまちきりんさんが優秀だったからグレずに成長した」のかもしれません。それは誰にもわからないんです。

表裏一体。いいところもあれば悪いところもある。それを分かった上で、ご家庭でどちらに決めるか、でしかないんですよね。

まずは現状把握

街を歩いていて突然

「あの…私、東大受けたほうがいいでしょうか?」

って聞かれても困りますよね?(色んな意味で怖い)

まず「何年生でどのくらいの成績をもっているのか」がないと判断ができません。

まずは、学校以外での成績を把握してみましょう。

四谷大塚(無料)(年長~6年生対象)

全国一斉の無料模試はここから始まりました。残念ながら先週終わったばかり。次回は多分来年の6月です。

日能研(無料)(2~5年生対象)

首都圏模試センター(2750円)(3~5年生対象)

このあたりを受けていると中学受験を指導している側からはどの辺がいけそう、とかちょっと中学受験は厳しいかもしれぬぐぬぬ…とかがお伝えできるかと思います。

何かを判断するためには判断基準と現在位置把握が必須ですね。
中学受験の世界で今自分はどこにいるのか、可能性があるのか、狙うべき学校はどこなのか、色んなものが見えてきます。


うちの子に合う学校ってどこかしら

学校の特色は多様性に富んでいます。

ビシバシしっかり指導する、自由がウリ、付属の大学がある、特待制度がある、特定の大学に向けて頑張るコースがある、部活が盛んなどなど。

昔のように偏差値が高い=いいという単一のものさしで測る時代は終焉を迎えたように思います。学校の個性とお子さんの個性が合うかどうかを一番に考えてほしいです。

偏見を持たず、お子さんが通えそうな地域にある学校の情報を色々集めてみましょう。

幸い、コロナがきっかけでオンラインで色々お話が聞けることが当たり前になりました。

・オンライン合同学校説明会&個別相談会

・オフラインもオンラインも

ちょっと気になるな、と思う学校はまず学校説明会を聞いてみる。

校長先生の話にピンときた、伝わってくる雰囲気が良さそう、などと思ったらオフラインで行われる行事(文化祭、オープンスクールなど)に行ってみる。

(人数制限的に)可能であれば家族全員で行ってみることをおすすめします。

家族(夫婦)で軸を揃えよう

中学受験を経験した夫としていない妻
自分は公立でうまくいったから公立に行かせたい夫と何かと心配なご時世だし私立に行かせたい妻

のように夫婦間で意見が真逆なことが往々にしてあります。しかもどちらかが正解とかではないので平行線になることも。

我が子に健やかに成長してほしいと願うからこそ食い違う気持ち。

残念ながら家族間で意思がバラバラだと戦えません。すり合わせは中々難しいですが、あくまでも我が子の幸せが最優先。めげずに話し合っていきましょう。

このあたりもまた別noteに記載しますね。

まとめ

盛りだくさんで書いてしまいました。

繰り返しになりますが、お子さんの成長度合いやタイプ、家庭がサポートできるか、金銭面、どこまでなら私立にいかせるか、通える範囲に良いなと思える学校があるか、などなど様々な要件が複雑に絡み合っています。

ですので一概に中学受験がいいか悪いか定義づけることはできません。

お子さん本人が死ぬ時に初めて正解か不正解かわかるんだと思います。

絶対の正解はない。

家族で笑顔になれるような選択肢を見つけ、それが叶わなくても叶わなくてもそういうものだと思って前へ進む。

一つの選択肢としての中学受験、考えてみてはいかがでしょうか。

一部のお話についてはまた別noteで記載していきたいと思います。

それではまた、明日。

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