unknown world
跳ね返されてその先へいけない
そんな感覚
いつもそう
それ以上先へ行けない
そこ止まり
そこから先へ行ったことがない
見えない分厚いゴムでできた壁のようなもの
弾き返される
いつもそう
それ以上 人に近づけない
見えない何かに邪魔をされているような感覚
見えない分厚いゴムでできた壁
近づこうとすると弾き返される
だから決してその先へ行けない
その先にある景色を見ることがない
その壁に大きなナイフを突き立てて
切り目を入れていく
痛い
不安がよぎる
無防備になってしまう
外から流れ込んでくるものに対する恐れ
未知なもの
息はできるか
光に肌は耐えられるか
目の前に現れるのは
荒涼とした砂漠だろうか
海の底に沈んだ船のように
水が押し寄せてくるのではないか
私を外界から守っていたものがなくなる
私を守ってくれていた唯一のもの
本当にいいのか、とそれは聞く
大丈夫なのか、とそれは慎重になる
また狼狽えるだけだ
子供の頃のように
また傷つくだけだ
誰も庇ってくれる人はいないんだぞ
切り開いたその縁に座り
外の景色を眺める
ゆっくりと
時間が逆に回っていく
その時々の自分を
静かに見送っていく
切り裂いた壁の残骸が
私の背後で厚みを失っていく
私はひとりになる
無防備に肌をさらしている
なにも知らない
生きていく術を
どこも知らない
行ける場所を
目の前に広がる空間に
なにがあるのかも
どんなものが待っているのかも
私は立ち上がり
二本の足で
ゆっくりと歩き出す
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