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あんた (アクターズ・ショート・フィルム2)

すごいものを観たなぁって、それが終わって直後に出た感想。

ちばくんが沙莉ちゃんを主演に選んだ意味が死ぬほど解ったし、わたしがなんでこのふたりが好きだったのかも思い出した。

わたしには「結婚式には行かないけど、葬式ではわたしが弔辞読んだげるよ」って言ってる異性の友人がいて、その人のことを思い出した。
お互い忙しくて、最近はたまにメールか電話、会うのは年1回くらいっていう人のこと。

ちばくんが描いたのは、
人っていう存在の不確かさとか、でも確信を持っていたいっていう強がりとか、だけどこの人にはさらけ出してもいいのかなっていう弱さみたいな、そういう心の深淵と、隠しきれない深い孤独。
孤独に納得しているんだけど、誰かがいないとやっぱり生きていけないとどこかで解っている思い。
それと、自分や誰かを位置付けることの馬鹿馬鹿しさみたいなもの。
そういうあれこれがこの映画から伝わってきたことが、身に覚えがありすぎて、すごくすごく心が苦しくなった。
男の涙は確かにわたしも流したことがある涙で、でもわたしの場合は強がって相手の前では泣けなかったなって。
女があんな風に男のことを解ってあげて、一緒に花火をしてあげたから、男は生きられたんだなって思った。
勝っても負けても、それでも男は救われたし、女だって救われた。
だから男はまた書こうと思ったし、書いたからこそ女に会えたんだなって。
YOUさんのトーンが優しくて、あの空気が最後に男を包んだからこその着地だなと思った。

あとはもう、この物語はちばくんと沙莉ちゃんにしか表現できないなって。
ふたりのコアなファンなら、男と女のあの感じは、ちばくんと沙莉ちゃんの普段では決してないというのが分かるし、わたしはこの物語自体、私小説だという風には全然観なかったけど、それでもこのふたりでないと成立しないと思った。

うまく書けなかったけど、今放映後15分でここまで一気に書いた。
まだ一回しか観てないから、今後変わるかもしれないけど、こんなに心を揺さぶられる作品に出逢ったのは久しぶりで興奮している。
ありがとう、千葉雄大さん。

【一日経って、加除修正しました。】

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