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ACRで何が変わるのか 1 〜感じとり方の変化

わたしがセッションで使っているセラピー(ACR)の3つの特徴について書きます。1つ目は、ものごとや人に対する「感じ取りかた」「受け止めかた」に変化が起きやすくなります。今までだったら、つい反応してしまっていたことが、気にならなくなったり、どうでもよくなっている。いつの間にかこだわりがなくなっているというような変化です。

他者の何気ない一言に、気がついたら反応してしまっていた、という経験はありませんか。たとえば家族や友人、会社の同僚など。「自分の周りにいる人たちは自分自身を映す鏡だ」という表現がありますが、近い関係であればあるほど、その人の言動にカチンときてつい口論になったり、「私はこの人とは合わない」と思ってしまったり、なんてこともあるかもしれません。

それは悪いことだから、そういう自分はなくすべきだ、と言っているのではありません。むしろ、そのような経験(ある特定の人といつもケンカしてしまうなど)が、実は自分のことをよりよく知るための方法になるかもしれないということです。

私たち人間は、社会的動物として、自分以外の他者と交流、かかわっていくことで、お互いに影響を受けあい、与えあっているわけですが、まさにその中で、「わたし」は日々いろんな感情に出会います。そしてそこで湧き上がってくる感情(それに気づく場合も気づかない場合も)がもとになって、「わたし」の発言や行動が決まっていきます。実際には、私たちの経験は、今この瞬間も止まることなく、流れていっているわけですが。言ってみれば、反応してしまうことで、その部分は流せない状況になってしまっているのですね。

ACRのセッションでは、私たちの深いところにある感情に働きかけをしていきます。それによって、その感情とタグ付けされている過去の場面が実際に思い出されてくることで、「わたし」はその場面を俯瞰する、つまり鳥の視点でみる経験をします。それは当事者としてではなく、第三者的な視点です。

セラピストとの対話を通して、そこから気づきが生まれ、知らず知らずのうちにとらわれていた感情がほどけていくことがあります。そして日常に戻った時、今までだったらつい反応してしまっていたことが、気にならなくなる、もっと言うと、どうでもよくなってる、こだわりがなくなる、以前の自分を思い出すとちょっと笑えてくるというような心境になっていきます。時間の経過とともに・・・。

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