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トレンドってなんだろうね

わたしは好奇心ある子供が
そのまま大人になっているみたいな人だと
今でも 言われます。


トレンド好き。


話題の場所も行ってみたいし

話題のフードも、ファッションも気になる!




大学は国際学部だったんだけど

研究室では歴史学の専門に入りました。


わたしはずっと『ファッション』や『雑誌』の歴史を研究していました。

そこで

ずーーーーっと気になってたこと


ズバリ、今回のタイトルにある

『トレンドって一体なに?』


っていうことを、
論文にまとめて定義したいと思ったんです。

当時20歳。



よくファッション史でも
この1980年代はこんなトレンドで

70年代はこんなのが流行って

60年代のルックはこんなトレンド。


っていうデータは大量にある。


それぞれの時代に台頭したブランドの歴史もデザイナーの歴史もたくさん残っている。


なので、ファッションのトレンドについて事実に基づき、論文を書こうとしました。


過去の『an・an』の雑誌や分厚いファッション史、デザイナーの主観からその時代の背景や文化と共に、

『この時代に生きる人々に何を伝えたかったのか?』ということを読みといて。


そして、月1回あるプレゼンで

仲間に意見もらったり、教授に意見もらったりするんですけど。





それで、衝撃的なことが。




結論から言うと

わたしは大量に資料を読み込み、データを集めて、各年代の『トレンド』の変遷をまとめてプレゼンした。


そしたら、教授からばっさりと

『これ、無理ですよね。』と。


斬られたんですよね。 ばっさり!





『そもそもだけど、トレンドって測れないものだから定義できないよ。』




『じゃあさ、この世界で何人の人がどう思ったら「流行ってる」になるの?』

その基準はどうする?

どういう状態が流行ってるの?

自分と友達のほとんどそれが持ってたら?

国民80%持ってたらトレンド?

79%?78%? その数字もなんでなんで?


『トレンドってね、正確に分からないんだよ』


と教授は淡々と。。。


もう当時20歳の私は、衝撃。

え?待って、雑誌に載ってたら「トレンド認定」じゃないの????

シャネルが出したコレクションは全部「トレンド」じゃないの????

話題になったルックは「トレンド」じゃないの?






どうやら、違うらしい。


トレンドと言えるだろう~、くらいならOKかもしれないけど。

で? なわけ。





わたしは『正解のないもの』に挑んでいた。


ますます大パニック!


雑誌に載ってる=トレンド

みんな持ってる=トレンド


じゃないの?

えートレンドってじゃあ何?(笑)



答えがないの?流行ってじゃあ何?



当時からELLEや VOGUEを読んでトレンド情報を見るのが好きだった私はもう謎だらけ。

ブランドにおいてデザイナーが発表されたコレクションなどは歴史を見ればわかる事実。正解がある。

でも、わたしが知りたかった『トレンド』っていうのは、みんなが持ってる、みんなが好きなものだよね。


あーでも待って、『みんな?』


みんなって、誰のこと?


これが教授の言ってることだよね。


なんとなく分かってきた。こりゃ定義できないわ。

じゃあ

この世の流行ってる、って  なに?






わたしは不完全燃焼のまま

その研究を放棄して辞めました。(笑)

というか、20代前半はとにかく

『正解のないもの』に対する向き合い方が

めちゃくちゃ苦手でした。。。


また別の歴史を研究することに。


単純思考だったわたしは、『雑誌に載ってればトレンド』『みんな持ってたらトレンド』っていう洗脳をみごとに受けていたので、


『雑誌に載ってるから流行ってる、は違う』


ってバッサリ斬られた教授の意見が

全く意味が分からなかった。







この不完全燃焼の『トレンドのなぞ』は

ぼやーっとしたまま、大学卒業。



まさかの、まさかで

導かれたのは、ブランド業界。

そして、某海外ブランドに入社。


地方大学から、気づいたら六本木。

最初の勤務地は六本木と渋谷。

その後もいろんな店舗で
「ブランド販売員」として働く毎日でした。


そんな中、ブランド販売員として勤務して1年くらい経ち、少し慣れた頃に自分の接客してる言葉にハッとしたんです。


『これ今、トレンドのチェックなんです』


『今年のトレンドはバッグをこう持つ!見てください、雑誌でもモデルさんこんな風に持ってますよ~』


『プレゼントでしたら、今年トレンドのこのデザインなら喜ばれるのではないでしょうか。』






だから何だよ、トレンドって。(笑)



接客しながら急に大学時代を思い出した。



なんだっけ、トレンドって?


でもね、わたしはここで気づいたんです。

やっと!!!


ブランドの人になって

立場がこっち側からあっち側に

ガラッと変わってることに気付くんです。




『買う側』 じゃなくて  『売る側』



わたしは雑誌を『読む側』から

雑誌編集者に『オファーする側』の人になっているんだということ。



そう、わたしは世の中にトレンドを『仕掛ける』側になったんだわ。




その時にもなにか衝撃があって。


当時20歳のまだ知識も経験も少ない私には分からなかったけど。




ブランド業界って

ホントにすごい勢いで、すごいパワーで、すごいスピードで、トレンドをどんどん仕掛けていくんです。

異様な業界って言われてるけどホントにそう。すんごい変化とスピード。


常識がどんどん変わる。

当たり前も変わる、それについてこれない人はどんどん辞めていく。

それを目の前でたくさん見てきました。


どんどん仕掛けていくために
どんどん変わる。

こちら側から仕掛けて

2-3テンポ遅れて、日本で『トレンド』と呼ばれる状態になる。


しかも、1つのブランドだけじゃなくて、ほかのブランドと一緒になって世の中に仕掛けていく。


商品もそうだし、カラーもそう、デザインもそう、VMDといって商品の魅せ方1つにも、サングラスの置き方でさえトレンドがある。


半年前のトレンドは『もう遅れてる』になっている。


どんどんどんどん仕掛けていく、それを伝えていく、そんな頭フル回転の日々でした。




トレンドって一体なに?

という純粋な当時の疑問だったことが


『じゃあ現場に行ってこい!』と投げ入れられたかのように


まさか自分がブランドの中の人になって

目の前でトレンドを作っていく、仕掛けていく、体験することになるとは。(笑)




買う側から▶売る側に。


受け取る側から▶仕掛ける方に。




そう、1つの答えは

『トレンドって仕掛ける人がいる』


っていうこと。



そして、教授が教えてくれたように

トレンドは、測れないもの。


ふわっと、したもの。

ブームになったり、冷めたりする。




トレンドというワードで人に巻き上がる感情。

その時代の人々が求めているもの。

文化、社会情勢。




今の時点(2023)で

わたしの考えを書いておくと


トレンドっていうものに対して


買う側としての結論は

『気にしなくていいよ』

『好きなら、買えばいいと思うよ』です!


自分の好きな服を着て、好きなインテリアに囲まれるといいよ。

それがトレンドとマッチしてるなら買えばいいと思うし、好きじゃないなら無視していいものだよ。

もし自分にトレンドを気にしたい気持ちがあるなら、静かな時間に『人にどう思われたい?』って聞いてみてね。

自分にね!

ファッションやインテリアで自分を活かすこともできるのは事実。

トレンドの前に『どうなりたい?』だよ。



トレンドを身に纏うことは、

『自分の自信に繋がる』

『ひとを楽しませたい』

ってことに繋がってるよ!





そしてモノを売る側

ビジネスする側としての結論は


『トレンド、気にした方がいいよ』です!


ここは日本だからね!

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