ショパンを聴きに行ってバッハに魅せられて帰ってくる
サントリーホールで初めて開かれた務川慧悟さんのリサイタルは彗星のように現れたというしかないほど素晴らしいものだった。ピアノに詳しい友人がとってくれた席はパイプオルガン側の最前列で華麗な指先から繊細なペダルを踏む靴まで目の前で見られるとっておきの場所。
はじめに務川さんを知ったのは反田恭平さんのピアノ練習の傍らにおられた映像。僕はもっとここはこうだと思う、と意見を述べられている若い男性にただならぬものを感じた。それもそのはず、東京芸大を出られてエリザベート音楽コンクールで3位