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世の中にたえて桜のなかりせば

世の中にたえて桜のなかりせば
春の心はのどけからまし

在原業平

ふと思い出した。高校の時に習った。語感が好きで覚えていた。

意味は、
「もしこの世の中に桜がまったくなかったのなら、春を過ごす心は穏やかであるのになぁ」

うわぁ〜好きだこれ。と思った。語感だけではなくて。

咲くのを期待する心がある。
美しさに感動する心がある。
散るのを悲しむ心がある。

美しいのはほんの一瞬で、
その一瞬の高揚感が、
そのほかのほとんどの時を悲しく、もどかしくさせる。

歌が沁みるようになったのは、大人になったからなのか。
沁み入るような傷の痛みに敏感になったからなのか。

穏やかでいたい。
振り切れそうになる感情にも。

古典の和歌に興味が出てきた今日この頃。

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