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日商簿記3級合格までにかかる期間

日商簿記3級を目指す方にとって、合格までに大体どのくらいかかるのかは知りたい情報だろう。
実際に、私は簿記を習いに来る受講生の方に、「大体どのくらい勉強すれば合格出来ますか?」というようなことを良く聞かれる。

そこで、今回は、日商簿記3級に合格するまでに大体どれくらいの期間がかかるのかについてを書いてみる。
その際、単に合格までにかかる目安の期間を書くだけでなく、受験生のタイプ別に分けて解説していくことにする。そうすれば、あなたが単に漠然と自分に当てはまるかどうかもわからないような期間を知るよりも、参考になると思うからだ。

なお、記載した期間は、実際に私が指導してきた受講生の場合であり、あなたにもそれが当てはまるかどうかはわからない。大体の傾向という感じで受け止めて頂けたらと思う。

【受講生のパターン別】合格までにかかる期間

(パターン1)とにかく急いで資格を取りたい事情がある人

「助けてください!」この言葉が出てきたら、パターン1である。
早く簿記の資格を取らないとマズイ事情があるけれど、簿記の沼にはまっているケース。

私が実際に見てきた例では、「次の検定試験で合格しないと、降格処分で給料(役職手当)が3万円下げられるんです!」とか、「新しく来た上司に経理の仕事をしているのに能力不足と責められて、派遣切りに遭いそうなんです!」とか。はたまた、「夫の海外転勤の話が決まってしまって、数か月後に出国するまでに最後の検定試験で合格したいんです!」とかね。

そういう方たちから詳しく話を聞くと、既に通信教材や資格の学校で簿記を勉強した経験があるものの、わからないことだらけで検定試験に何回も落ち続けているという状況なのである。

誰かから合格出来ないことをバカにされている人も多く、本人は頑張って勉強しているのに気持ちと裏腹に成績は上がらず、悔しい思いをしているのだ。

特に仕事を失うかもしれないとか、収入が減ってしまうかもしれないというケースでは、経済面と精神面のダブルパンチで、冷静でいるのが難しいのだろう。初対面の私の前で泣き出してしまう人もいた。

このような方が不死鳥のごとく立ち直って、日商簿記3級に合格するためにかかる期間は、1~2か月程度。2級に挑戦していた方では、3~5か月程度だった。その間の学習は、週1回程度の個別指導と自宅学習である。

因みに、このケースで指導してきた人は全員、私に合格の連絡をくれた。

(パターン2)簿記の資格を取りたいと思っていて、実際に勉強する人

会社で経理関係の仕事をすることになったとか、年末で会社を退職して年明けから個人事業を始める予定とか、何か目的があって簿記の3級の資格を取りたいと思っている人で、実際に勉強最優先で熱心に勉強する人。
このような人は、迷いが無いので合格が早い。

大抵1、2回の受験で合格する。

期間としては、1回の受験なら2~3か月、1回目で合格できず次の試験を受ける場合は、5~6か月くらいである。

集団講義、個別指導どちらもある。

(パターン3)簿記の資格を取りたいが、あまり勉強しない人

経理関係の仕事をしているので簿記の資格を持っておきたい、転職のときに有利だろうから資格を取りたいというような動機で勉強を始めたが、「時間が無い」というようなことを理由に勉強しない人、一言で言えばスイッチが入っていない人のケース。

このような人について、私は合格の連絡を貰ったことが無いので期間は不明である。

実は、私は過去に何度も「勉強する時間が無い」と言う人に会って来た。

私は資格試験の勉強中、何度も家族が危篤になったので、時間の無い時の勉強のしかたについてはノウハウがある。

また、フルタイムで働き、退社は夜10時半過ぎ、帰宅してから夕食を作って夜中に子供の体操着を洗濯し、朝は5時から子供の弁当作りをしているという女性に、勉強する時間の作り方をアドバイスし、合格に導いた経験もある。

それで、「勉強する時間が無い」と言っている人には、「相談に乗りますよ」と声を掛けるのだが、大抵が「この後、待ち合わせがあるんです」とか「用事があるのでまた今度」と断られてしまう。
次に会った時にまた声を掛けたりもしたのだが、次もそそくさと帰られてしまい、”今度”は来た試しが無い。

最初のうちは遠慮してるのかな?などと思っていたが、その後は「私、物覚えが悪いんです」とか、「完璧主義なんで、他のことをしていると集中できないんです」とか言って来たりする。

それで、ようやく気が付いた。

おそらく、その人にとって「勉強する時間が無い」は、復習をしてこないことへの体の良い言い訳だったのだろう。

本当は、その人は優先順位の変更が出来なかったというか、したくなかったのかもしれない。

どんな習い事でも同じだろうが、特に簿記はどんなに良い講義を受けても自分で復習をしなければ直ぐに忘れてしまうので、他力本願の人には習得が難しいように思う。

まあ、合格したいという気持ちもその程度のものだったということなのだろうが・・・。

因みに私は、勉強が出来なくても受講生を責めたりしない優しい講師である。(念のため)

(パターン4)いつか簿記の資格を取れたら良いな~と思いながら気長に勉強する人

差し当たり簿記の資格がなくても全く困らないが、勉強してみたいという人のケース。但し、長く続けるという意味でパターン3と大きく違う。

合格までの期間は、1~2年くらいが多い。
これは、私がカルチャースクールで指導した受講生のケースである。
月に2回、一回1.5時間の短い講義でも、ずっと続けていると次第に簿記の基礎が身に付いてくる。
1年半くらい経ってくると、もう新しく勉強することも無い。
その段階で、少し勉強すれば合格しそうな人に、検定試験に挑戦してみてはどうかと提案している。

最初のうちは「検定試験なんて、私無理です!」と言っていた人が、講師に勧められて何となく受験申し込みをすると、今度は受験するなら合格したいと欲が出てくる。

そうなると、大抵の人が、今まで他のことをしていた時間を試験勉強に充てるようになる。
そして、試験直前1、2か月の本気の勉強で、合格証書を手にするのだ。

勿論、挑戦した人が全員合格出来るわけではないが、最初の挑戦で不合格でも、次の検定試験で合格し、連絡をくれた人もいる。

失敗したときに、嫌になって辞めるか、合格するまで続けようと思うかが運命の分かれ道だ。

最後に

ここまで、日商簿記3級合格までの期間について書いてみた。

読んで頂いて気づかれただろうが、結局、人それぞれと言うことだ。

それに、合格してしまえば、どのくらいの期間が掛かったかなど、どうでも良いことになってしまう。

それより、試験への向き合い方、勉強を続ける姿勢の方が重要で、合否を分けているように思う。

私は、これまでに、若くて体力も時間もあるのに簿記の勉強を挫折している学生さんや若い会社員の方を沢山見て来たし、お子さんが3人とか、4人いて仕事と家事育児で寝る間もないほど忙しい女性や長年勉強から遠ざかっていた60代70代の方が日商簿記3級に合格するのを目の当たりにしてきたからだ。

合格する覚悟と、そのための努力。

それらは、時間があるかどうかとか、物覚えが良いかどうかなどを超越したものなのだ。


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