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【芸術部 NY】芸術のパラレルワールド

Good Morning & Good Evening !
パラレルワールドでは、プライベートジェットで東京-NY間を行き来している芸術部ニューヨーク支店の石村です。
 
興味深い記事があったので、皆様にも共有させてください♪
 
 
一時期に比べて、NFTは話題の中心から外れてきたように感じますが、
実際は、NFTのアートフェアが創設されたり、MoMAを含む有名美術館でのNFT作品の展示などNFTアートは、現在も活発に動いています。
 
記事では、従来のアートワールドとNFTワールドを
「どちらもアートに熱狂しているが、お互いにほとんど接触していない」状況にあることを、芸術のパラレルワールド (Parallel Universes of Art)と呼び、この2つの世界の構造と存在するギャップについて述べています。
記事:Parallel Universes of Art!)
 
★用語の定義★
NFT=デジタルアートを構成するメディウムの一部
 
 
 
◇◆従来のアートワールドとNFTアートワールド ~ 2つの世界の構造◆◇
【起源とメディウム※】※メディウム;Mediums 伝えるための媒体
 
●●従来のアートワールド(Traditional Art World)●●
起源:
先史時代にさかのぼり、ルネサンス、バロック、印象派、モダニズム、現代美術など、さまざまなムーブメントを経て進化
 
メディウム:
絵画、彫刻、ドローイング、版画、最近では、ミクストメディアやインスタレーションアートも含まれる
 
●●NFT アートワールド●●
起源:
ブロックチェーン技術の出現とともに現れ、2017年頃にCryptoPunksやCryptoKittiesのようなプロジェクトで人気を博す。2021年、ビープルが記録的な売上を達成したことでより多くの人々に知られるようになる
 
メディウム:
デジタル・ペインティング、アニメーション、ビデオ、VRアート、ジェネラティブ・アートなど主にデジタル。媒体は、それを支えるテクノロジーと本質的に結びついている

(CryptoPunk Top sales by Ether Value sort by USD)

【作品の評価と市場構造】
 
●●従来のアートワールド(Traditional Art World)●●
評価:
歴史的意義、アーティストの評判、出所、市場の需要に基づいて評価される。有名アーティストの傑作はオークションで、数百万ドルの値がつくこともある
 
市場構造:
規制が厳しく、美術評論家、キュレーター、既存のコレクターの影響が大きい。販売には仲介業者が介在することが多く、個人売買やオークションの結果が秘密に包まれることもあり、不透明な場合がある
 
●●NFT アートワールド●●
評価:
希少性、アーティストの評判、コミュニティのサポート、投機的な関心などの要因によって動く。スマートコントラクトにより出所と真正性が保証される
 
市場構造:
artblocks、Rarible、SuperRareなどのプラットフォームが、アーティストとコレクター間の直接取引を促進。価格は非常に変動しやすく、新しいアーティストはすぐに有名になる

【参考:ビープル EVERYDAYS: THE FIRST 5000 DAYS】

(参照:EVERYDAYS: THE FIRST 5000 DAYS)

アート業界に衝撃が走った、NFTのダークホース!
2011年5月11日、NYクリスティーズのオークションに出品され、イーサリアムで支払が可能でした。
落札価格 69億3462万5千円($69,346,250)
※1ドル100円換算

【文化的意義とコミュニティの構成】
 
●●従来のアートワールド(Traditional Art World)●●
文化的意義:
多くの場合、文化遺産、社会的価値、歴史的背景を反映、政治的、社会的、経済的な問題に対する力強いコメントとして機能することもある

例 Faith Ringgold: American People Series #20: Die

 コミュニティ:
アーティスト、キュレーター、コレクター、学者で構成され、展覧会、出版物、会議などを通して対話を行っている
 
●●NFT アートワールド●●
文化的意義:
しばしば、アートの世界を民主化し、多様な背景を持つアーティストが、従来のゲートキーパーを介さずに世界中の観客にアプローチできるようにするものと見なされている。インターネット文化、ゲーム、ソーシャルメディアのトレンドと頻繁に交差している
 
コミュニティ:
テクノロジーに精通したアーティスト、コレクター、熱狂的なファンで構成され、ソーシャルメディア、ディスコード・サーバー、バーチャル・ギャラリー、リアルなイベントなどで交流している。
コミュニティは共同作業であり、アーティストは時折共同で作品を制作し、共有している
 
【参考:アートの民主化の事例 ACUTE ART】

ACUTE ARTのアプリのカメラから見える風景。KAWSを含め著名なアーティストたちとコラボレーションをしている

ACUTE ARTは、すべての人がアートに、アクセスできるようにすることを目指し、アートの民主化に関心を持つアーティストとのコラボレーション、デジタル・プラットフォームを通じアートを探求。アプリは無料で提供され、AR空間を通してアートを体験することができる(アプリ
 
 
◇◆芸術のパラレルワールド ~ 2つの世界の交差点◆◇
 
従来のアートワールドとNFTアートワールドは、ほぼ並行して運営されていますが、二つの世界が交差する注目すべき点が2つあります。
                                                                              
①ハイブリット・モデル 
-フィジタルアート;Phygital Art-
フィジタルは、フィジカル(Physical)+デジタル(Digital)の合成語。
両者の長所を融合させた作品の保有形式、または作品自体を指す。
一部のアーティストや機関は、NFTを新たなメディウムとして模索し、物理的な領域とデジタルな領域を橋渡しするハイブリッド作品を制作している
※ハイブリット・モデルの定義は、記事の内容も踏まえ石村で再定義したもの
 
ハイブリットな保有形式の例:
コンピューター上(デジタル空間)で制作したNFTの映像or静止画作品を、ビデオテープに焼いたり、紙媒体などに印刷して物理、デジタルの両方で保有
 
ハイブリット作品の例:
コンピューター上(デジタル空間)で制作したNFTの映像作品を、壁やフロア一面に投影して、物理的な没入体験を楽しむ
 

➁市場への影響力
クリスティーズのような大手オークションハウスがNFTのオークションを開始。デジタル空間に伝統的な市場の正当性をもたらしている

ハイブリット作品例 ドバイToDAで展示されたイマーシブNFT作品

デジタルアート、メディアアートというカテゴリで映像作品などは、従来のアートワールドに根を下ろしていましたが、仮想通貨の流行の影響でNFT作品だけ切り出されて、従来のアートワールドと対立構造として捉えられるようになっていったように感じます。
 
(諸悪の根源は、CryptoPunksなのではないかと疑っていますが 笑)
NFT= 仮想通貨= 投機 のネガティブイメージの連想ゲームは、
今後、NFT= デジタルアート= 芸術 にイメージを一新していくのかもしれません。
 
Have a good one♪♪