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FM愛知出演。ジャズのおすすめ曲、楽しみ方についてお話しました。

9月23日、FM愛知EVENING STREETに出演しました。この日はジャズ特集ということだったので、ジャズのおすすめ曲、楽しみ方などについてお話させていただきました。タイムフリーで聞かれる方はこちらのリンクになります。

EVENING STREET | FM AICHI http://radiko.jp/share/?t=20210923185805&sid=FMAICHI #radiko

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ということで、今回お話した内容と曲をご紹介ー。

ジャズに出会ったきっかけの曲-Strange Fruit / Billie Holiday

最初の質問は、ジャズとの出会いについて。高校生のとき、アルバイト先のラジオで流れたビリー・ホリデイの「Strange fruit」。これがジャズにはまっていくきっかけでした。これは黒人、そしてジャズの歴史の中でも重要な意味を持つ曲ですが、当時はそんな意味はまったくわからなかったのにも関わらず、「これは一体なんだろう」とすごい衝撃を受けました。そしてその先にあったのは沼であった(笑)いま思うとジャズをやるなら楽器をやればよかったと思うのですが、あえてボーカルを選んだのもこのビリーホリデイの1曲があったからだと思います。

初心者におすすめの曲-There will never be another you / Chet Baker

初心者におすすめの曲。1曲に絞るのに悩んだのですが、まずは歌ものの方が入りやすいかなというのと、その上、演奏が複雑ではないけれど音選びが秀逸、そして日本人好みの「歌心」もあるということでチェット・ベイカーの作品を。
この曲はコード進行がいわゆる典型的「ツーファイブ」でジャズメンが好んで取り上げる曲。ジャズを演奏してみたくなった人の練習曲にもなるということで、There will never be another youをご紹介しました。ジャズの歴史といえば、黒人と白人、東海岸と西海岸がかわるがわるメインストリームを奪い合った歴史でもあります。こちらは白人・西軍のウエストコーストジャズの時代の曲。迫りくるような迫力もいいけど、時にはそっと寄り添ってくれるような、そんな味わいもジャズの魅力の1つ。

最近のおすすめ曲-Jon Batiste / Soulful (Live)

ナビゲーターの方の次の質問は、最近のジャズの流れについて。
これはジャズに限らずあらゆる音楽にいえることですが、やはりクロスオーバー化しているということ。
最近だとR&Bやヒップホップと結びついたり、エレクトロ、民族音楽と結びついたり。過去のレジェンド再評価など。枝分かれが枝分かれしてまたその枝がまた出会ったり。そんな細分化・再分化的な流れだと思います。そんな中でもともとのメインストリームの音楽をやり続ける人もいるわけで、貪欲に形を変えながら、しかしJazz is not deadと個人的には思っています。

 Jazz is dead…エイドリアン・ヤング(R&Bやヒップホップのプロデュース)とアリ・シャヒード・ムハマド(元ATCQ)のプロジェクト。 いわゆる「レア・グルーブ」の人たちの過去のジャズ偉人たちの再評価です。最近出たブライアン・ジャクソンとのコラボ最高。

そして最近のおすすめ曲として紹介したのは、ジョン・バティステ。いやもう超有名どころじゃんと思われると思いますが…。ディズニーの「ソウルフルワールド」の音楽、ファンキー踊りが炸裂のI need youの大ヒットなど。しかしこの人がジュリアード卒のガチジャズメンであることは意外と知られてないらしく、ブルーノ・マーズみたいな人でしょ?とこの間言われたので、これはちゃんと聴いてもらわなければと思って選んだ次第です。2018年に亡くなったロイ・ハーグローブの本業グループと、副業RHファクター両方に参加していますが、彼との初演はヴィレッジ・バンガード。そしてRHが急逝した2018年11月、再びVBに戻ってきたジョン。思い出話とともにRHの曲を演奏しました。

ジャズを愛するリスナーへ一言

入り口はどこからでもいいので、おすすめしたいのはそこから「掘る」ということ。
ジャズにはいろんな切り口があると思うんですね。歴史、アーティスト、人脈、スタンダード曲、アメリカ文化、ヨーロッパでのジャズ、レーベル、演奏スタイル、楽器などなど…。もっと言っちゃえば、例えばこの間みた映画の中の曲だったり、本で取り上げられた曲だったりと、自分の好きなこと、そのとき興味のあることとからめることもできる。
そんな出会いから、ぜひそこから掘り下げるということをしてもらうと、さらにいろんな収穫がある。そんな掘って掘って掘りまくる楽しみを追求する音楽だと思います。

私の好きな曲-Les MacCann and Eddie Harris / Compared to what

そして最後に私自身が好きな曲紹介をということで。すごい迷ったんですが、いまの時代、人々の「分断」みたいなことがテーマになっているなと思い、こちらの曲を。ロバータ・フラックも歌った曲です。ベトナム戦争の時代、世の中と自分の生き様の食い違い、そんなフラストレーションをさまざまな事象とCompared to what?という言葉に託して。レス・マッキャンは歌うというより、唸り節。でもこれは暗くないですよ、超絶ノリノリのファンクジャズ。モントルージャズフェスのライブ盤。当時ゴールドレコードになりました。

というわけで、いまの気分で選んでみた曲、おのしみいただけたかなあ。ジャズはなんといっても、「いま、ここ」の音楽。私自身、これからも、いまの「好き」をどんどん深めていきたいです。



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