2015.08.13 異次元 ③
僕たちはストリートで
サッカーを学ぶんだ
ストリートはサッカー少年たちで
あふれていて
みんな遊びのなかで技術を
習得していくんだ
練習をしているつもりはないよ
楽しめば楽しむほど上達していって
気がついたら
今の自分が出来上がった
人から見れば
とても難しい技に見えるだろうね
でも僕にとっては
これが何より簡単な選択なんだ
ひとつの手段に過ぎないよ
これが一番のゴールへの近道なんだ
ゴレイロの頭を越せば
かわすよりも簡単だよね
結果ありきのプレーに過ぎないよ
魅せるプレーが最優先だとしたら
もっといろんなことをやっているよ
『Fのキセキ(2011年放送)』より
『サッカー王国ブラジルに見る決定力育成法』 東邦出版
下田哲朗著
A.P.マリーニョ監修
決定力は「指導」して「上げる」ことはできません。
決定力は「環境」が「育てる」のです。
「決定力を育みやすい環境を整える」これがブラジルの育成方法です。
「1対1で勝てないなら、1対1で勝てるようにするにはどうしたら良いか」ではなく、日本サッカー界の多くの指導者は「1対1で勝てないのなら、複数で動けばいい」「フリーの味方を作って、その選手にボールを渡そう」という指導方法を選択したのです。
1対1では勝てない、つまりフリーにならなければ自分のプレーをできない選手にとってゴール前でのプレーは非常に厳しいものになってしまいます。
そのことが、日本がなかなか点をとれないことに大きく影響しているのは間違いないでしょう。
サッカー先進国でストライカーの養成をしている国はありません。
それはストライカーが指導者によって作ることができない存在だからです。
つまり指導者が何から何まで指示を出す環境の中では優秀なストライカーは育たないということになるのです。
ブラジルでは、アマチュアは組織練習を一切行いません。
アマチュアにとってサッカーは遊びだからです。
結果的に子供の頃は遊び=個人技のレベルアップのみをやることになります。
決定力をものにするのはプロになってからではありません。
子供の頃のこのときに決定力が身につくのです。
1対1になったとき『ドリブルで抜ける可能性が高い選手たち』と『パスしか出せない選手たち』では戦術の幅が大きく変わってきます。
それは守備側の気持ちになればすぐわかるはずです。
パスしか出せない相手なら守備側が主導権を握れるからです。
個人技の練習をあまりしていない人たちがやる組織プレーと徹底的に個人技を鍛えられた人たちが行う組織プレーでは後者のほうが強いのは当然のことと言えるのです。
ボラ曰く…
「ブラジルだとサッカーは遊び。子どもはまじめな顔してやっちゃいけない。楽しまないとダメ」。
つづく
熱病フットボーラー OMA
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