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Todays Festival | 2020

ご縁あって、『Todays Festival | 2020 - Stay home with MUSIC!』に参加することとなりました。

PR動画はこちら↓

本編はTodays Concertのサイトから是非ご覧ください↓

この動画は、ミニコンサートという趣旨で、いつも私のリサイタルに来てくださる皆さまにとっては「いつもの感じ」に近い雰囲気になるよう、自粛でコンサートに行けなくて残念な想いをされてる方々に楽しんでいただけるよう、願いを込めて作りました (全て自宅で一人で収録しています)。プログラムもいつもながら(笑)マニアック。

フリードリヒ・ヘルマン:6つの協奏的練習曲 Op.18 より第2番「アダージョ」と第4番「ロマンス」

この動画のために準備した、初披露の作品です!

アンコールでは、20世紀を代表するチェロ奏者の一人、パブロ・カザルス氏の編曲によって一躍有名になったカタルーニャ民謡の「鳥の歌」を演奏しています。

ヘルマンのエチュード (練習曲) はほとんどの人がお聴きになったことがないと思います。私自身も、学生時代に勉強していたヴィオラの練習曲集はカンパニョーリのもので、このヘルマンの作品の中では唯一、第3番だけ、コンクールか何かのために練習した記憶があります。

さて、今日はどうしてこのようなマイナーなプログラムを組んだかというお話をしようと思います。当初、バッハやビーバーのパッサカリアなど、先日のGlobal Hope Festivalでも演奏した曲目も候補にはしていたのですが、どうも私は飽きっぽく (大事なことに関しては一途です) 、よく言えばサービス精神旺盛で、ツアーとかでない限り、同じプログラムを演奏できない性分のようです。結局そんな性格が自分の首をしめることも多々あるのですが...笑

何か無伴奏で魅力的な曲...と考えていると、まずヒンデミットや上野の森美術館で演奏したような近代の作品が浮かびました。ただ、その硬質な感じが今の気分にはしっくりきませんでした。聴いていてふと、白昼夢のように一瞬我を忘れるような、少しリラックスした感じの曲がいいなと思いながら楽譜の棚を片っ端から覗き込んでいると、ヘルマンのエチュードと目が合ったという訳です。ヘルマン自身ヴァイオリン奏者であり、作曲はかのメンデルスゾーンに師事しています。弦楽器奏者特有の技巧とロマンティシズムが折り重なり、なんとも言えないあまい情緒を生み出している第2番と第4番。これを学生時代ではなく、今、初めて弾いてみることに、純粋にわくわくしました。

なかなかリサイタルではこういう作品を選びません。ピアニストが一緒でしたらできるだけ一緒に演奏できる作品を選びますし、無伴奏の作品を演奏するにしても、チラシを見たお客さまに興味をもっていただけるように、もう少しメジャーな作曲家を選ぶでしょう。でも今は逆に、こういう曲をさらっていると、なぜか子供の頃にただただ練習していた時の感覚を思い出したりして、それがまた微笑ましく幸福な心地がしてくるのです。

という訳で、お楽しみいただけたら嬉しいです!

Todays Concertでは、多種多様な奏者たちが各々工夫を凝らした高画質高音質な動画をアップしています。この機会に、普段はあまり聴かないジャンルや楽器の演奏を聴いてみるのも、新しい発見となるかもしれません。是非サイトを覗いてみてくださいね♪



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