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君たちはどう生きるか

遅すぎ!!!!
ようやく観ました。
原作の1937年に出された本、前読んだ時別に好きじゃなかったので、なんか渋ってました。

もくじ
1.時系列整理
2.各登場人物の描き方
3.解釈
4.パンフ等を読んで追加考察
5.個人的に思うところ


1.時系列整理

(塔が降ってくる)
(大叔父が何人もの死者を出しながら囲いを作った)
(大叔父が姿を消す)
(大叔父が世界を創る)
(洪水の時見つけた地下通路を塞ぐ)

(お母さんが塔に入ってヒミになる)

(1年後、塔が崩壊しヒミ元の世界に戻る)



東京 空襲 母が病院の火事で死ぬ
母を助けなければならないという思いから走る
急いでいても窓を閉めたり服を着替えたり、しつけ、教育がよくされている
母さんの病院?奥様の病院?

1年後、母および夏子家の屋敷がある田舎に疎開する
飛行機工場を持つ父親 お坊ちゃん 兄弟はいない?一人だけ?
夏子には心を開いていない(母に似て母ではない異物)
屋敷のお婆ちゃんたちに圧倒される
ご飯が美味しくないと言う
礼儀正しく感情を見せない昭和の男としての教育がされている
一方で母が燃える夢を見る
アオサギに違和感を持ち警戒、偵察
父が夏子を好きなことに衝撃を受ける
塔はまだ早いかと思ったの。近づかないようにと夏子

父がダットサンで学校に乗り付けると言う。嫌そうだが反抗しない。父の話題は戦争や鉄道のことばかり。←偉そうな大人の象徴?
田舎者ばかりの学校で喧嘩をふっかけられ、堂々と言い返し、返り討ちに合う
帰り道自分で石を頭にぶつけて大怪我
転んだと嘘をつく 父は聞かず、やった奴を捕まえると息巻く 眞人もそれ以上食い下がらない これを狙っていたか

アオサギ、眞人の夢を喋る
アオサギ「来るべきお方が現れた」「母は生きている。人間のよくやることだ。死体を見ていないだろう。」「お待ちしていますぞ」
蛙に覆われる
←大叔父の使いとして後継者を呼びに来た?
夏子が弓矢で追い返す

アオサギを完全に敵視し武器を作る(頭が良い)
母が大きくなった眞人へ、と残した、君たちはどう生きるかの本を見つけて泣く
夏子が森の方へふらふらといなくなる
探す(父の好きな人だから)
アオサギの誘いに乗り塔へ入る

アオサギの風切りの7番を使った矢で嘴を射ると人型になる
夏子のところへ案内しろと言う
でもお前夏子がいない方がいいと思ってるだろ。あまりおすすめしませんとアオサギ
大叔父、愚かな鳥よお前が案内役になればよいと床を溶かす
←下の世界に行かせるために塔に呼んだのではないのか?

海辺の草原
我を学ぶ者は死すと書かれた墓の門
アオサギの羽を持っているからペリカンに食われない
墓の門をペリカンに押されて開けてしまう
キリコが火を使ってペリカンを追い返す
墓の主が気づく、炎でバリアを張ってまじないをとなえると墓の主が帰る ←誰の墓?
漁をし、船で島へ向かう 殺生ができるのはキリコと眞人だけ(生きている人だけ?) ここは死者の方が多い
上の世界は好き?あまり好きじゃないんだ。
魚を捌く
ワラワラは赤ちゃんになる命の素
それをペリカンが食べる ワラワラを食べるためにここに連れてこられ、出られない
ペリカンはヒミの炎に殺される
眞人、ペリカンの事情を知り、土に埋める
←大叔父に連れてこられた?インコもペリカンも現実世界にいる生き物だが、でかい魚やワラワラは非実在

お婆ちゃんの人形に囲まれて休む お屋敷のお婆ちゃんたちみたいだ キリコは否定しない 眞人を守っているので触れてはいけないと言う 眞人はキリコがキリコだとわかる←なぜ?

アオサギと共に夏子のところへ行く
雑食凶暴インコが占拠している(人間の比喩?) ヒミが助けてくれる
夏子は妹だと言い、案内してくれる え、と驚き、この時点で母だとわかる?
夏子はあんたの母親か?違う!父さんの好きな人だ
母さんは死んだ じゃあ私と一緒だ←火事で死んだことを知っている?(あなたが僕の母だとは言わない)(この時点で眞人が自分の子供だと気付いていない)

塔へ入る インコが見張りをしている
塔の扉が様々な世界に繋がっている
産屋があり、夏子が苦しんでいる←子孫だから特別?神の子を産むということ?眞人もここで産まれた?
産屋に入るのはタブー 式神が眞人を攻撃する
眞人を安全に帰すために、大嫌いだから帰れと夏子に言われる 一瞬怯むが、
夏子を連れて帰るために、夏子母さん、と呼ぶ
ヒミ、岩の主よ夏子を帰らせろと祈るが無駄、攻撃される
倒れ、インコに攫われる

大叔父さんに会う 積み木で世界の均衡を保っている 創造主のようなポジション
ノアの方舟のようなフォルムの空に浮いた石 世界の源手入れする
私ではもう均衡を保てない 後継者を探していると言われる 血が繋がっていないとできない 
君は1つ石を足して世界を穏やかにできると言われる(テスト?)眞人は悪意に満ちた石とそうでない石がわかる そんな君に頼みたい
できません。僕は夏子さんを連れて帰らなきゃ

眞人、インコに食べられそうなところで目を覚ます
アオサギのおかげで脱出
ヒミは、禁忌を冒したので、インコ帝国の繁栄の交渉材料にされる 運ばれているヒミを追いかけて塔へ
インコの王が大叔父に謁見
少し考えさせてくれ 後継者に継ごうと思っているのだ
インコ王、ヒミを置いていくが、このままではこの世界は滅びる、とこっそり大叔父のところに戻る

ヒミが目を覚ます 大叔父、眞人は良い子だから帰してやらないとなと言う
ヒミ、眞人を見つけて抱きつく「もう眞人に会えないかと思った」眞人を大叔父のところへ連れていく 胸騒ぎがするから来なくても…とも言う←いつ頼まれたっけ?
悪意のない石を13個集めた 3日に1個積むのだ 時間がない 争いのない穏やかな世界を作るのだ
これは自分でつけた傷だ。僕の悪意の証です。僕にはできない。と正直に言う。

インコの王、石を適当に積んで切る 元々の石が崩れ、世界が崩壊する
なんとか逃げ、扉から元の世界に戻る
ヒミはそっちの扉に戻ると火事で死んじゃうんだ!
炎は怖くない それに眞人のお母さんになるのは素敵
引き留めず出る
鳥がいっぱい 鳩ではないけど平和な感じ
キリコの人形がキリコに戻る
石を持って帰ってきた(悪意のある石?)
向こうの世界のものを持っていると記憶がしばらく残る

2年後、東京へ帰る
無事息子が産まれている
現実との連続性



2.各登場人物の描き方

眞人
無口、誇り高くあれ、儒教的、警戒心強い、観察力ある、賢い、意思が強い、迷わない、誤魔化さない
お母さん大好き 悪夢を見る弱さはある 母の死を受け入れられてはいなかった


権力者 欲が強そう 家族大事に見えるが、場合によっては仕事を優先することもある 金で解決 眞人は頼りにはしていない 家父長制の権化

夏子
お嬢様 夫の子を産むのが誇り 眞人も大事 いわゆる母性

ヒミ(子供)
前向き、楽観的、さっぱりした性格 なんか助けてくれる存在 母親的役割ではない

アオサギ
詐欺師 意地悪をしたがる 自由 眞人と対等 ダサさで和み要員 なんか助けてくれる存在 友達とされる

大叔父
権力者 創造主 私欲はなく、世界の均衡のために存在している 平和な世界を創りたいと願っているが上手くいっていない 時間がない



3.解釈

君たちはどう生きるか 1937年発行
母が眞人に読んで欲しかった本
ちなみに、啓蒙的で私はあんまり好きじゃない
・コペルニクス的転回
・自分の経験から学ぶ(偉そうな大人になるな)
・自分の過ちを認める

物語の流れの解釈
大好きだった母の喪失と周りの何もかもが信用できず気が張り詰める憂鬱な現実 そこから一転して、世界を穏やかにする神の使命の提示
現実を捨てるか否かの選択

夏子を連れ戻すのは父のためだったが、夏子を母さんと呼ぶようになる←夏子が自分を守ろうとしているのがわかったから?
一人一人の愛に気付くことが現実を受け入れるきっかけになる…とも取れる

この経験が眞人に与えたもの
・喪失からの回復:母の死を受け止めながらも受け入れられず頻繁に悪夢を見る状況だったが、幼い母の生き生きとした姿を見、自分への愛を確認できたのは回復になったのではないか。(眞人が幼い頃から母は病院に入っていたのなら母の思い出がそもそも少ないのでは)
・絶対悪はないという理解:ペリカンを悪者と思っていたが、ペリカンも他に食べ物がなく飢えているという事情を聞いて考えを改め埋葬した。
・自分の過ちを素直に認める:頭の傷について、最初は転んだと嘘をついていたが、最後には自分でつけた悪意の証ですと正直に伝える。悪意は対立や争いの種であり、それを省みていくことが平和へのステップになる。
・悪意のある石(だとしたら)の持ち帰り:世界の悪意と共に現実で生きていく?

現代でこれを問う意味
・戦争、コロナ禍:直接的に戦争に言及はしていないが、どの世界でも争いは起こっていた(戦時下の日本にしたのは意図的だろう)。自分から見たら悪者でも相手の事情を考えると単純な話ではなくなってくるよという啓蒙。
原作君たちはどう生きるかも、戦時下の教育用テキストだった。現代で再度その啓蒙をしたかった意図が強そう。食べ物は当たり前に出てこないんだよとか、相手の立場理解とか
・現実への不満を抱えた自己中心的な若者が多い:他の世界でも権力争いなどはあり理想の世界はない 生きやすさを変えるのは環境ではなく自分の考え方…とも取れる



以上、パンフ読む前。
以下、パンフより。全然情報量なかった…

2016年から構想。長編を作るうえで、3年かかるので、3年後の世界がどうなっているかを考えた(実際には7年かかっている)。「戦争か大災害か、あるいは両方という可能性もある」
「トトロのようなうんと平和な映画、これは戦争が始まったら作ることに意味が出て来るだろう」あるいは、「戦時下を舞台にした映画」
「時代に迎合した映画は作ってはならない」


13個の石をひとつ3日かけて積み、平和な世界を築く:スタジオジブリ作品13個のこと?


以下web記事から
宮﨑駿は過去のインタビューにおいて、作品で描いてきた平和について次のように語っている。
「『世界の問題は多民族にある』という考え方が根幹にあると思っています。ですから少なくとも自分たちは、悪人をやっつければ世界が平和になるという映画は作りません。『あらゆる問題は自分の内面や自分の属する社会や家族の中にもある』ということをいつも踏まえて映画を作らなければいけないと思っています」


やはり頭の傷は自分の内面にも問題(対立の種としての悪意)があるという意味と思われる。絶対的悪が存在しないように、主人公(自分)が絶対的に正しい訳でもない。


個人的に思うところ

・母が幼体化するという構図は秘密の森のその向こうと同じなのに、やっぱ主人公男だからなのかロマンスっぽくなってしまうなぁ。抱きつく必要あった?びっくりした
・時代に迎合した作品は作ってはいけない、とのことなので、令和コンプラはまあ無視しましょう。
・現代に問題提起する意味はあると思えど、私には新たな学びもないし特に必要のない映画だった。



以上。綺麗にまとまりすぎか?ジブリの人間関係とかはなんにも知りません。てかそんなの知らなきゃ楽しめないような映画は作らんだろ。普通にそのまま受け取りました。

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