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先祖をめぐる旅2

自分のルーツを探るドキュメンタリー番組の話の続き。

この番組を見て特に面白いと思ったのは、世の中にこんなに色んな記録が残っているんだということ。そして、その記録や情報を守っている人達がいるんだということ。

イギリスやアメリカなどでは、一定の期間がたてば、国勢調査の記録が一般公開されるので、それをオンラインでぱっと調べることが可能です。名前や年齢、家族構成、職業といった無機質な情報が並んでいるだけなのですが、実はそんなデータから色んなことが読み取れたりする。

年代を追って国勢調査の情報を見てみると、例えばその人の職業が急に変わっている=生活のステータスに何か影響があった、とか、家族構成が変わった(離婚してある年はひとりで登録されていたのに、その次の調査の時には若いお嫁さんをもらっているぞ、とか、子供の数が増えたり減ったりしている)とか。

職業がわかれば、職業によっては今でもギルドの名残のような、産業協会みたいなものがあって、そこが持っている資料から当時その職業を持っていた人の一般的な暮らしぶりがわかったり、場合によってはその先祖個人のの弟子入りや借金の記録なんかも残っていたりします。

16、17世紀ぐらいまでなら地元の教会に洗礼や結婚の記録が残っていることも多い。ボロッボロになった紙に、当時の牧師や神父によって書かれた細かい字が並びます。

先祖が何らかの事件に巻き込まれた時には、裁判記録を紐解いてみたり。地元新聞に死亡広告が載っていて、そこにその人のライフストーリーが書かれていることも。

軍が持つアーカイブもすごくて、兵隊として登録した時の記録、どの部隊にいたかがわかれば、その部隊の戦場での様子、写真などそれはそれは細かいログが残っているのには驚きます。

それこそ南北戦争の時、自分の先祖がどの戦いに参加してどんな状況にいたのか、ということまでわかってしまったり、それぞれの兵隊のファイルがあって、身体的特徴や目の色が初めてわかったと思えば、そこから自分の先祖の写真がいきなりぺろっと出てきたり。

移民の場合は、乗船名簿をたどることで、どの国のどの場所から来たのかがわかります。

しかし一番凄まじかったのはナチスの記録。強制収容したユダヤ人を、どの収容所に移送したのか、下着に至るまで何を没収したのかなどが、ひとりひとり事細かな記録として残されているのです。人間って色々な記録を残す生き物なんだろうけれど、ユダヤ人迫害がどれだけ淡々と、組織的に行われていたのかを物語っていて、凄まじかった・・・。

こういった情報はオンラインで調べることもできるし、その土地の図書館やアーカイブに行くことで見ることができます。例えばホロコーストの情報は、ポーランドなどにもあるけど、ワシントンDCにあるホロコースト博物館にアーカイブがあったりします。

で、だいたいそこにはその当時の様子を知る専門家の人がいて、こういった記録からどういうことがわかるのか教えてくれるのですが、本当に何にでも専門家っているんだというところもすごい。

例えば先祖がサーカスの興行をしていたといえば、サーカスの歴史に詳しい大学教授が出てきて、まるで見てきたかのように当時のサーカスのこと、そこで働く人達のことを教えてくれるし、どんな田舎にいっても、その土地のことを知る郷土史家みたいな人が待ち構えていたりとか。

日本でも趣味で家系図を作る、みたいなのがあると思うけど、こっちでも熱心にそういうことをやっているアマチュアの人も多くて、上記の色んな情報をオンラインで見ることができる、Ancestory.comなどといったサイトも色々あります。

これがまたすごくて、公共の記録から、どこからどうやって引っ張ってきたのか故人の写真、墓石の写真なども検索できるようになっていたり、同じルーツを持つ人達と情報交換する場があったり。

我が家は私がアメリカに来た第一移民だし、旦那も両親の代にアメリカに来ているので、こんなにふんだんにある情報が使えないのが残念!うちの子がルーツを知りたいと思ったら、いずれは日本と香港まで調査しにいかねばなりません。

さて、数年前、1940年のアメリカ国勢調査の情報が一般公開され、サンフランシスコ関連のブロガーの人達が、このデータを使って自分達が住んでいるエリアが、昔どんなところだったかを調べてみました、という記事を載せていました。

バーナルハイツ

ミッション

私達がサンフランシスコで最後に住んだアパートは残念ながら新築。このアパートが建つ前、この場所は映画館だったと聞いているので、情報は無いかな〜。でもそれ以前に住んでいたアパートは築90年!

当時住んでたアパート、エレベーターはもちろん無し、洗濯機も無し(コインランドリー使用)。我が家は比較的内装は新しかったけど、部屋によってはキッチンが30-40年ぐらい改装されてないような古い部屋もあったし、我が家にも昔の電話機みたいなのが壁にくっついていたりしました。

4階建てで12部屋、住人はルームシェアしている若い女の子、離婚して一人暮らしのおっさん、ゲイのカップル、40代子なし夫婦、当時は30代前半だった私達夫婦などが住んでおりましたが、1940年にはいったいどんな人達が住んでいたのでしょう・・・!ということで、わくわくどきどきオンラインで調べてみることにしました!

つ・づ・く♥

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