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削除ボタンで黒歴史を消去できない世代の断捨離記
去年の夏、1ヶ月日本に滞在した時の話。
学生以来、こんな長期間日本に里帰りしたのは初めて。毎回短い滞在期間中あちこちでかけて終わるけれど、今回は長めの滞在なので、時には一日在宅という日もでてきます。そんな時に「断捨離」を敢行中の母から「ちょっとこの中身みてどうするか教えて」と段ボール箱4箱ほどどさっと渡されました。
中身は、学生時代のノート、手紙、ある意味紙ゴミの山・・・!!
普通だったら、就職や結婚などを機にちょっとずつ処理されたであろうこの過去の遺物。大学卒業とともに海外に出てしまったため、思い出としてしまっておくというよりは、当時の持ち物をそのままダンボールに詰め込んで実家を後にして約20年。
その間これらのダンボールの存在は忘れ去られ、とにかくご丁寧に今日まで手付かずに全て全部残されていたのでありました。
私の中ではもう存在しないことになっていた数々の書類。これをひとつひとつ確認し、いらないものは破り捨て、必要なものは後で送るから取っておくように、とのお達しが・・・。
箱の中身はというと、中学生の頃やっていた海外文通相手(結構大勢)からの、とにかくものすごい量のエアメール。そして、幼稚園時代まで遡ることができる年賀状の山。多感な中高生の時期、国内のペンフレンドとやりとりしたこれまた手紙の山。その他諸々。
見始めるときりがない上に、手紙の内容を読むと、すっかり忘れていた当時の色々な記憶が呼び起こされ、懐かしいというよりは、気持ち悪くなってしまいました。
手紙って気を貯めこむからあまりとっておかないほうが良い云々、という考えかたもあるらしいけど、あながち嘘じゃないかも。
特に中高生の時のペンフレンドの手紙の内容は、だいたい中間期末の前だけどやる気がしないーとか、部活がどう、好きな人が云々とか、進路の悩みとか、もうテーマは全部一緒。
こう、将来へのぼんやりした不安と希望がせつせつと溢れ出る、青臭くてたまらん内容しか無いわけで、そんな空回りする熱い思いを綴った手紙をダンボール一個分確認していたら、40歳の自分は倒れそうになるのも仕方がない。
また大学生になっても、結構友達の間で手紙やハガキのやりとりを盛んにしていたのにも驚きました。なにせメールは大学のコンピューターラボに行かないと見れなかった時代ですからね。旅先からのハガキも沢山。そして学生時代の後半はなぜかFAXの山。
大学生にもなると、実際彼氏ができて云々といった内容も中高生時代よりはオドロオドロしくなるので、これまた読んでいて胃酸が逆流しそうになります。
しかしですよ、うわー青臭い!うおー!うげげ!と私が毒気に当てられた手紙の内容、考えたらそれは私じゃなくて、私宛に手紙を送ってくれた人の黒歴史!!なわけです。
他人の若気の至りを綴った手紙の山を思い出としてダンボールに溜め込み(ってすっかり忘れていたけれど)、20年後に開けてみて気持ち悪くなっている自分は一体何なんだ・・。
昔はツイッターやらSNSが無くて良かった、若気の至りのアホな言動を世間一般に垂れ流さずに済んで・・・とご安心のアラフォーの皆さん、あなたの黒歴史はネット上には残ってはいませんが、他所の家の物置にごっそり残っているかもしれません!
世間的なダメージはないかもしれませんが、削除ボタンもありません。いつかお友達やその家族がパンドラの箱を開けてしまう日が、来るやもしらぬ・・
今回の里帰り杯・パンドラの箱黒歴史選手権優勝者は、ズバリ「私の高校時代の友達の大学の後輩(面識なし)」!
誰だか全く記憶にないこの人が、どういう経緯かわからないが、私宛に送ってきた恋の悩み相談のお手紙。しかも、添削をして欲しいと、10ページにも渡るラブレターのドラフトが同封されていました。
この人が一体誰なのかもわからず、自分がこんな手紙を受け取ったことも全く覚えておらず、私がどんな返事をしたのかも記憶に無く・・
しかしどうやら私は添削を断ったらしく、次の彼女からの手紙には「そうですよね、1回しか会ったことのない人にこの内容は重いですよね(そう、彼女は一度会っただけの人に10ページの手紙を送ろうとしていたらしい)。だったらこれでどうでしょうか」と1ページの今度は軽々しい内容の手紙が添えられていました。ナンジャコリャア!!オマエダレダ!
何を取っておいて、何を捨てたらいいのかもう本当にわからなくなってしまったので、8割方のものは捨ててしまいました。勢いあまってもしかしたら本来大事なものも捨ててしまったかも。
どうしても捨てられなかったのは、亡くなった祖父母からの手紙。やっぱりもう死んだ人が書いたもの、というインパクトには勝てませんでした。
ちょっと面白いと思った手紙は、捨てる前に写真に撮っておいて、それを送ってくれた友人本人にメールで送りつけて悶えさせたりもしてみました。笑。
ペンパルからの手紙も大方捨ててしまいましたが、中にはもう存在しない国からの手紙もあり、それはちょっと捨てられませんでした。政治情勢を考えると、もう生きてない人もいるのかも。
アメリカ人のペンパルなんかは、気になってちょっと検索してみたら、意外と連絡をとれそうな人がちらほら。昔送ってくれた顔写真と対して変わらない顔でFacebookに載っていた人もいました。
もう少し若い頃だったら、連絡取ってみたりしたかもしれないけど、今回はなぜかもう昔のことはほじくり返さずそっとしておこう・・という気になり、みな元気そうでなによりですな、と大人らしく遠くから見守るスタンスで、辛かった断捨離作業を終えました。
皆様も、ぜひ実家の物置に友人からの手紙がたまっているようでしたら、ぜひお互いのためを思ってそっと捨ててあげると良いでしょう。私が送った大量の手紙も・・きっと世界中の物置に拡散されていると思うと・・((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
長くなりましたが、おまけに、捨てる前に記念として(?)写真に残しておいた色々の一部を一挙公開。
中学生の時に集めていた切り抜き・・・リバーフェニックス!他の人達も若い!腕相撲してる右側の人は今ホビットだし!思わずこの写真をFacebookにあげたらアメリカ人のママ友から「げ、コリー・フェルドマン?」と突っ込まれた。
ファンじゃないどころか聴いたこともなかったのになぜかあったバービーボーイズ
1986年以前に送られてきたものらしいです。小学校の同級生から・・。ギネスにはきっと載っていないと思います。
とんねるずファンの徳島のペンフレンドからの手紙・・「なーつかしいですね」
辞書を引きながら一生懸命ジョージ・マイケルにファンレターを出した返事がこれ。ファンクラブ入会ご案内。結局入らなかった。
手ぶらでスキー!!
光GENJIそのものがもう黒歴史な気がします・・・
高校・大学時代の謎の落書き。多分右側はド・ゴールの演説風景か何か。
1996年販売のAX-1500、155Mbpsの高速・ 大容量回線を最大15回線(ポート)接続できるんだそうです。っていうかテレホンカードw
これ世代です。ハイ。
コ、コボル!
フォ、フォートラン!
丸字フォントがなんともいえません。ライバルに差をつけろ!高度情報化社会のエキスパートに!!ってかなにこのコンピューターww
結構高い!今村春江って誰だ?
(昔の文章救済シリーズ。別ブログに以前書いたものを多少改訂して転載しますた)
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