インドで過ごした10日間

インド旅を決めてから出発の直前まで、何も知らないインドの事を調べていた。調べれば調べるほど、インドに行ったことがある人に話を聞けば聞くほど、行くのが怖くなっていた。

これだけ嫌な情報を耳にしたら、もう期待なんてなしに、きっと私もインドが嫌いになって帰ってくるのかなんて思っていた。
しかし私は、0か100かと言われるインドで、120、楽しんできました。

お腹壊すとか、狂犬病にかかるとか、強姦にあうとか、詐欺に遭うとか
初日は出歩くのさえビビっていたけど
10日間インドで過ごして
人も、文化も、景色も、全部大好きだった。

最後の方は、カレーは手で食べるほうが美味しく感じたし
生野菜もジュースもなんの抵抗もなく食べれるようになっていたし
ぼったくってくるトゥクトゥクのおっちゃんも
流れないトイレも
お湯が出ないシャワーも
街中で鳴り響くクラクションも
下を見れば常にある牛の糞も
何とも思わず、受け入れて生活出来ていた。
食事は毎日カレー。
持っていった白い服は見事に全部、カレーのシミが出来たけど、それもいい思い出。

インドの良いところは挙げるとキリがない。
女性はみんなカラフルなサリーやクルタを着て、お花を頭につけていて華やかで

手工芸が盛んで、たくさんある村の一つ一つが、違ったデザインや技術を持っている。  

そこら中にうろついている犬たちも、こっちが何もしなければ大人しくてかわいい。

ご飯だって、初日にGoogle Mapで「朝食」と調べて唯一表示されたシャングリラで食べたものより、路上で目の前でこねて焼いてくれたチャパティとカレーの方が、100倍美味しかった。
チャイは、路上に座ってるおじちゃんが汚い鍋でスパイスを濾して作ってくれた15円のやつが一番美味しかった。

おじいちゃんも、子供も、女性もみんな一生懸命働いている。
ウザいと言われる客引きも、生活のためにこんなに必死になって働いているのかと思うと凄く感心した。
日本にいると恵まれているから、どうしても誰もが今の仕事に不満を持ったり、やりたい事はなんだ、もっと稼げる職場に行きたい、なんて思ってしまうんだろうけど
この人達を見ていると、もっと一生懸命にならなきゃと思えた。

そして何より人の良さ。犯罪どころか、なんて明るくて優しくて素直な人達なんだって、実際に触れ合って感じた。
街を歩いてると、みんなニコッとしてくれて、話しかけてくれて、写真撮れよ!とポーズを決めてきて無理矢理取らされたり、十数人に囲まれてセルフィー地獄にあったり、道に迷ってると「どこに行きたいんだ?」と聞いてきて周りを巻き込んでみんなで探してくれたり、真っ直ぐに、「私はあなたに興味があります」という意思を示してくれてむしろ居心地が良かった。
スラム街でさえ、歩いてると周りに人が集まってきてみんなと握手して、大統領かスーパースターにでもなった気分だった。

もしかしたら、たまたま私が嫌な経験をしなかっただけかもしれないし、もしくは私の"文化の違いを受け入れる耐性"が人よりも強いのかも知れないけど
インドを嫌いって言う人は、考え方と思い切り次第でもっと違う景色が見れるんじゃないかなぁと思ったりした。

最終日、チェンナイのスラム街を歩いていて
ちょっと怖いなぁとハラハラしながらも最高に楽しんでいる自分に気付いて
こんな旅をしてしまったら、この後の旅が全部物足りなくなるんじゃないかと心配になるくらい。 

私がカオスな国が好きな理由は、きっと、その国に住む人たちの人間性とか、むき出しな生活感とか、カルチャーを目で見て感じることが出来るからなのかな、と思った。

インドに来れてよかった!
何度でも行きたい大好きな場所が、またひとつ増えました。

おしまい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?