【先輩ライターインタビュー】著名メディアで活躍するWebライターは最初から文章がかける人?半分は正解、もう半分は……
未経験からWebライターを目指した経緯は人それぞれであるが、著名なメディアで活躍する人は元から才能があるのだろうか。
SNSの自主企画参加がきっかけで話を伺えたのが文春オンラインなどのメディアで取材ライターとして活躍する仲 奈々(なか なな)さん。
彼女は早稲田大学国文学科卒というライターには申し分ない経歴の持ち主。
仲さんの文章は、インタビューを通じて取材対象者の話を引き出すとともに、魅力的な文章に仕上がっており、才能を感じた。
今回は仲さんが未経験からライターデビューするまでを伺った。
現在は月間4億PVのメディアでライターをしている
飯田 まりか(以下:__)インタビューにあたり、仲さんの執筆された記事を拝読しました。著名なメディアで活躍されていて、やはり最初から文才があったのでしょうか。
仲 奈々(以下:仲)中高生のときから「書くしごと」に憧れていましたね。他の科目はあまりパッとしないのに、国語だけはいつも成績が良かったから、「私は読み書きが得意なのかも」という自信もあったのかもしれません。
自分の得意を仕事に活かしたいと思い、大学では国文学科に進学しました。
入学当時は、これからしっかり文章を学んで雑誌のコラム欄や、著名人のインタビュー記事、エッセイ、また小説もいつか書いてみたいなと胸を踊らせていました。
__やはりもともと文章が得意だったんですね!文学や文章を学んでライターとして活躍する、即戦力になりそうです。
仲 それが……いざ授業が始まって自分の周りを見渡してみると、学生でありながらすでに記者として活動する人がいたり、小説や詩集を出版している人がいたり。とにかくすごい人だらけでした。
このような人たちを見ていると、ただ国語が得意なだけで、書くことに対して何も積み上げていない自分が「書くしごと」を夢見るのおこがましいと思ってしまい……。
結局何も行動に移さないまま夢を諦め、大学卒業後は書くこととは無縁そうな保険会社に就職しました。
「書くのが好き」だけじゃダメだった
__保険会社の仕事はどのような内容だったのでしょう。
仲 書くことから逃げて入ったつもりだったのですが、配属された部署はマニュアルを作成する部署で。
新しい商品が開発されたら、その商品の販売方法をマニュアル化したり、法律の改正にあわせて既存のマニュアルを編集したり。私が学生時代に憧れた「書くしごと」に近い内容でした。
実際にやってみると、想像以上に楽しくって。
次第に「保険だけでなく、もっといろんなジャンルの文章を書いてみたい」「マニュアルだけじゃなく、取材記事やコラム記事も書いてみたい」と欲が出てきて、出版社や編集プロダクションへの転職を考えました。
__そこから現在の仕事につながるんですね。
仲 いいえ、まだなんです。
この時点では、あくまで保険会社でマニュアルを作っていただけ。本格的なライターや編集としての実績はなかったので、出版社からすると未経験扱いで。
何十件応募しても、ほとんど書類選考で落とされていました。稀に面接に進めても、一次面接で落ちてしまって……。
結局希望の職種に就くことはできず、あせりややるせない気持ちでいっぱいでしたね。
__あせりややるせない気持ち?
仲 私が書くしごとへの第一歩も踏み出せていない一方で、大学時代の友人たちはどんどんライターや編集としてステップアップしていて。
学生時代から努力していた人たちと比べても仕方がないことは頭ではわかっているものの、話題の記事を生み出したり、メディアの副編集長に就任したりしている姿を見ると、「もっとがんばらなきゃ」「でも、どうがんばればいいか分からない」とあせってしまっていたんです。
結局、どうしたら書くしごとができるようになるのか分からないまま、結婚、出産をし、育児におわれる毎日で「書くしごと」からさらに遠のいて行きました。
でも「書くしごと」がしたい
__しかし、現在は書くことをしごとにしていますよね。きっかけは何だったのでしょう。
仲 3回目の転職活動をしたときです。以前の転職で出版社に落ちてしまったときに、「未経験から受かる人ってどんな人だろう?」と自分なりに調べたんですね。
そしたら「ライティングスクールに通う人」が多いということがわかり、私もオンラインスクールに入りました。
このスクールで頑張れば、もしかしたら「書くしごと」にたどり着けるかもしれない。
そこから、スクールでライティングの基礎を学び、その学びを活かして自主制作の記事を書いてみたり、SNSの更新を頑張ってみたりしているうちに、少しずつ「ライター」として仕事をいただけるようになってきました。
地道にこつこつとがんばってきてようやく最近は取材ライターの仕事もしています。
インタビューを終えて
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