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【経営者必須知識!】繰延資産とは?

今回は、経営において味方になるであろう
繰延資産についてお話ししていきます。

繰延資産とは

すでに発生・支払いが済んでいる支出のうち、
年度をまたいで費用化することが

認められるものを繰延資産と言います。


出費は一時的であるものの、
長期にわたって継続的して
効果を得ることが可能な支出です。

資産として計上し、
数年をかけて償却することで費用化します。

繰延資産の分類

会計上の繰延資産

会社の会計処理は企業会計原則をはじめとする
多くの会計基準に基づいて行われています。

会計基準に準拠し、
会社会計として行うことが認められている
繰延資産が会計上の繰延資産です。

以下の5種類があります。

▪️創立費
会社設立のために支出した費用

事務所の契約費用、定款作成費など

▪️開業費
開業準備にかかった費用

土地や建物等の賃借料、広告宣伝費など

▪️株式発行費
株式の交付のために支出した費用

株式募集の広告費、金融機関・証券会社の取扱手数料、変更登記の登録免許税など

▪️社債発行費
社債発行のために支出した費用

社債募集の広告費、金融機関・証券会社の取扱手数料、変更登記の登録免許税など

▪️開発費
新技術や新経営組織の採用、資源の開発、市場の開拓等のために支出した費用、生産能率の向上または生産計画の変更などによって設備の大規模な配置換えを行った場合の費用など

税法上の繰延資産

税法上の繰延資産とは、
税法で計上が認められている繰延資産のことです。

会計上の繰延資産5種類に加え、
その他として5種類のものがあります。

▪️自己が便益を受ける公共的施設や共同的施設の
 設置あるいは改良のための費用

▪️資産を賃借するか使用するために必要な権利金、
 立ちのき料その他の費用

▪️役務の提供を受けるために必要な権利金の費用

▪️製品等の広告宣伝の用に供する資産を贈与した
 ことにより生ずる費用

▪️その他の便益を受けるために必要とされる費用

繰延資産の仕訳

創立費1,000,000円についての
仕訳と償却額の計算は、以下のようになります。

繰延資産として計上せず、一括償却する場合

繰延資産に計上し、5年間で均等償却する場合

1会計年度の償却額
1,000,000 ÷ (12 × 5) × 5 = 200,000
(繰延資産は月割で償却額を計算します)

繰延資産の償却

繰延資産は定められた方法で償却する
必要があります。

それぞれの償却期間は以下の通りです。

繰延資産のチェックポイント

繰延資産は貸借対照表上に資産として
計上されているだけで、
実質的に何かが存在しているわけではありません。

すでに発生している支出について、
費用化を先延ばしているだけの
価値のない資産という捉え方もできます。

適切な繰延資産計上ができているかどうかは、

貸借対照表の他の資産、
損益計算書の各費用と比較することで
チェックできます。

まとめ

減価償却に比べ、繰延資産は
費用化を一括にするか、それとも減価するか
自由に選べるポイントがメリットいえます。

また、開業費、創業費だけではなく、
皆が使うようなトイレの設置なども、
繰延資産として、
費用化出来ることもメリットです。

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