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「みちのく いとしい仏たち」展(東京ステーションギャラリー)に行ってきた

東京ステーションギャラリーで2024年2月12日(月)まで開催される「みちのく いとしい仏たち」展に行ってきました。

https://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/202312_michinoku.html


一般的な仏像の形や風貌とは一線を画す仏さまたちが載ったチラシに惹かれ、前売り券を買って楽しみにしていました。……その割に行くのが遅くなりましたが、まぁいろいろありまして(^-^;

そもそも私、東京ステーションギャラリーに一度行ってみたかったのですが、観たい展覧会じゃなかったり、観たい展覧会があってもタイミングが合わなかったりが続いていました。念願の初訪問です。リニューアルオープンが2012年なので、何と12年越しで念願を果たしたことになります。


丸の内北口ドーム①


丸の内北口ドーム②



東京駅丸の内駅舎復元模型(部分)

見切れ気味の写真で申し訳ありませんが、東京ステーションギャラリーは、丸の内北口ドームの左側の建物の2階と3階部分です。2階の展示場所は一部、ドームの回廊に張り出しています。


菩薩坐像(青森市観音寺)


山神像(八幡平市兄川山神社)


これらの写真に見られるとおり、展示されている仏像はどれも素朴な感じです。最初はただただ可愛いなぁ、味があるなぁとだけ思っていたのですが、だんだん複雑な気持ちになってきました。一般的な仏像を「正しい」とするから、これらの仏像を「つたない」「可愛い」「味がある」「素朴」「ユニーク」「ぎこちない」などというのであり、それは中央を上に、地方(特に東北)を下に見る姿勢からくるものではないかと……。


そして、可愛いものだけではありません。中には奪衣婆をはじめ、結構怖い像もあるのです(ただし放映されていた映像を観たら、この奪衣婆は現地の集落では「お婆さま」と呼ばれ、頭巾をかぶせてもらって大事にされており、比較的柔和な感じでした。頭巾を脱がされて不機嫌だったのかも)。

以前は子どもたちが乗って遊んでいたという山犬像も、展示されるより、遊んでもらっていた方が嬉しかったのかもしれませんね。


一般的な菩薩像や観音像だけではなく、役行者倚像や聖徳太子像もあったのは、ちょっと驚きました。エンノ先生や聖徳太子への信仰は、東北の地にも浸透していたのですね。……これまた、東北を下に見る姿勢だと言われれば、反省するしかありませんが。


厩に祀る厩猿(まやざる)というのは初耳でした。馬を大切にしていたことの表れでもあるかと思います。


青森県南部町の達磨像や、十和田市の一連の地蔵菩薩立像(右衛門四良作)は、線香の煙で黒くなった様子に、代々大切にされてきたことがうかがえました。右衛門四良作の童子跪坐像は、下が平らではないので、起き上がりこぼし的にゆらゆらするそうで、それが「ごめんなさい、ごめんなさい」と言っている感じを増すそうです。


青森県今別町の本覚寺の多聞天立像は、多聞天(毘沙門天)に竜神、閻魔様、恵比寿様(だったかな)を一体化させてしまったという力技にびっくり。


五所川原市の慈眼寺の子安観音は、観音像というより、実在の母子を象ったようにも思えました。恐らく青森市の観音寺の如来立像だと思うのですが、何となくイエス像にも見えました。


インタビューで、山仕事の前には必ず山神様にお参りをし、その上で緊張感をもって仕事をすると、足場が危険な場所などで山神様が教えてくれる、と語っていた人の話は印象的でした。ただ山神様にお参りするだけではなく、自分自身も緊張感をもって仕事をすることで、山神様のご加護があるということでしょう。


今回の反省点は、鉛筆を持っていかなかったこと。メモさえ取っていれば、もう少しちゃんとレビューもできたし、イエス像に見えたのがどこのお寺の何像だったか特定できたのに。



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