【読書】沙羅のポイントが下がった~『若様とロマン』(畠中恵)~
*この記事は2020年6月のブログの記事を、再構成したものです。
畠中恵の「若様組」シリーズ第3弾です。いよいよ近づきつつある戦争を回避しようと、若様組の保護者の一人である小泉家のご当主が編み出した手は、なんと若様たちのお見合い! 結婚を通じ、戦争回避を目指す運動の味方を作ろうというのです。
↑kindle版
お見合いが成功することもあれば失敗することもあり、それなりに楽しく読んでいたのですが、小泉家の一人娘であり、若様たちのマドンナでもある沙羅の夢が絡んできたあたりから、ちょっと嫌になりました。
これまでの話で沙羅は、お嬢様らしい世間知らずぶりを時に見せつつも、基本的に思慮はあるキャラクターに描かれてきました。でもここにきて、自分の望みのためなら人に迷惑をかけてしまう、そして迷惑をかけた人間に、更に自分の夢の実現のための助力を頼んでしまう、とんでもないお嬢様になってしまったのです。他に頼れる人がいない、という状況はさておき、「なんだかなー」という感じ。私の中で沙羅のポイントが下がってしまいました。
このシリーズが今後も続くのかは定かではありませんが、沙羅ちゃんは経営の勉強以前に、人間として大事なことを学んだ方が良い気がしてしまいます。
↑文庫版
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