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考えても分からない他人の心

わたしは公共交通を使わないので、電車内で事件に巻き込まれることはない。

最近は、過去の事件を模倣して、安易に人の人生を危険に曝そうとする人が増えている。なんとも怖い世になった。

それから、同業の元看護師に無期懲役判決が下された。疾患を抱えており、仕事へのストレスから犯行に及んだみたいなことを判決を下した裁判官が述べていた。更正の可能性があると判断したようだ。

そんなとんでもないことを犯した人に対し、「どうしてそんなことしたの?」「何故?」と理由を問い掛けてみる。

むしゃくしゃしていたら、他人を傷つけてもいいの?ストレスに弱い人は、ストレス発散目的で他人を殺めてもいいの?

彼らの思考も感情もトレース出来ない。自分には理解不能な犯罪を犯した人の口から発せられる言葉だ。何と答えられてもわたしにはやはり意味が分からないだろう。

自分には思い付かない、自分の思考や想像の範疇を外れた犯罪を犯す人の発する言葉に、意味を見出せないし、理解ができないから「何を言ってるのか分からない!」となる。

何故なら、そんな犯罪を犯そうなんて思いもよらないからだ。でも、彼らの心に寄り添うことはできる。

そこで、自分が理解できる言葉で罪を犯した理由を語ってもらいたいと願う。でも、そもそも、互いの「何故?」に対する意味付けが異なるなら、幾ら意味を説明されても理解は無理だろう。

もしかしたら、「何故?」に対する動機すら無く、犯罪行為に意味は無かったのかも知れない。

職場の上司と上手くいってなかった。家族と揉めた。仕事に失敗した。恋人にふられた。

誰もが一度は遭遇する手痛い出来事。でも、その都度、人を傷つける訳ではない。

「バカ野郎」と怒鳴ったり、やけ食いしたりして終わり。心が折れるきっかけになったとしても、みんなそれなりに回復していく。

心が折れっぱなしの人は少ない。少しくらい歪な形の心になっても、心の傷や心の隙間を自分なりの絆創膏で治して、立ち上がる。

日頃の準備が大切で、小さな心の傷、隙間の狭いうちに張り付けないと、心の傷はじゅくじゅくと膿んでくる。

だから、自分で自分なりの絆創膏を用意しておく。それが無理なら、絆創膏を貼ってくれそうな相手を見つけておく。

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あと、からだが元気でないと傷は癒えない。末期の患者さんで、栄養状態が悪くて、傷が癒えない人がいた。縫っても縫っても、傷が開く。

だから、自分を健康に、元気にしてくれる、そんな食べ物と環境が大切だと思う。

わたしの場合、活動量も新陳代謝も減って、余剰カロリーが腹まわりに付いてきたので、緩やかに食べる量を減らしてきた。

胃が小食に慣れたが、栄養不足が気になる。特に栄養不足は脳を痩せさせるし、脳が痩せてくると認知機能も低下しそうだし、極力、からだにも脳にも、そして心にも良いものを食べる努力している。

最近、以前と比べて頭痛と肩こりが減った。要因は幾つか考えられるが、食事内容が変化したことも大きいだろう。

少しだが、人間の毒気も減った気がする。